エピローグ
「まさか棺桶なしで帰ってくるとは」
驚きも安堵も通り越してAは呆れていた。
「僕だってびっくりしたんですから」戸惑いと喜びを隠しながら、R.Bは不満気に振る舞った。
基本的には憂鬱な月曜日の市役所。ランチタイムにはまだ早い時間に、ふたりはカフェで向き合っていた。
「仕事は無事に終えたたいう認識でいいんですよね?」R.Bが尋ねる。
「もちろん、もちろん。ちゃんとクライアントからもOKをいただいてるし、ほら、あれ」
Aはソファ席の背もたれに佇むパペットを指差した。
「あのミミズクがどうかしました?」
「覚えてないかもしれないけど、あそこにいたのは別のキャラクターだったんですよ」
「前ってどんなでしたっけ?」
「軍手」
「軍手?」
「そうです」
「でも、今はミミズク」
「ええ、未来が変わりました」
「未来を変えたのは?」
「ん?あなたですよ、R.B」
「うれしいけど、ちょっと違いますね」短い沈黙で間が測られた。
「R.B.ブッコローです」照れ笑いのR.Bに、満面の笑みでAが答えた。
「なんですか、それ?」
中央フリーウェイ(仮) 響野文街 @an_ya_kouro
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