泣いてしまう。

 楽しいはずの夏祭りの日に亡くなり、それからずっと、井戸の中でひとり、夏祭りのりんご飴を楽しみに待っていたあっちゃん。ほろりと来てしまいました。
 あっちゃんは幽霊ですから、井戸の中からでも、マンホールの蓋の上に置かれたりんご飴を食べることができたのだと信じたいです……。
 そして、主人公は、りんご飴を二本買ったのに、それをあっちゃんと一緒に食べようとしなかったのが気になります。主人公は、あっちゃんとの思い出のりんご飴を食べたかったけれど、あっちゃんの亡くなった現場にいるのが辛かったのか、あっちゃんの死について重い責任を感じているのか、あっちゃんのご家族から、関わってほしくない、などと言われたのか……。想像が膨らみました。