第2話 ポジティブな女のコ

私は、とにかくポジティブだと思う。

嫌なことがあっても、ニコニコ笑っている。

自分を悲観しては、いいことが起きないことは知っているからだ。

そう、悲しんでいたって現実は変わらないし。

喜んでいたほうが、いいに決まっている。

だから、私は【楽しい】ほうを選ぶと決めている。




◆◆◆



朝ごはんは、目玉焼きだった。

私はソース派なのだが、ソースが切れていた。

お醤油で食べた。

朝の塩分チャージだと思えば、お醤油も悪くない、という話だ。

学校に着いたら、私をコソコソ笑う奴らがいた。

そっかそっか、そういう生き方しか出来ないんだなと、思う。

多分、つるむことが楽しいと勘違いをしているんだろうなぁ。

私は、一人でだって大丈夫。

だって、ね?

あんな集団と仲良くしたくないし。

人には人の事情があるわけで、全員と分かりあえるわけがないのを知っているからだ。

【楽しい】方がいい。

私は、無理してあわせることを【楽しい】と感じたことはない。

だから、集団の女の子は苦手だ。

とにかく、なんでもポジティブに考えていれば、良いことがあるし、悪いことから離れられると信じている。

ホームルームを終えて、教科書やノートを机の上に出しているとき、一人の女子に声をかけられた。

「明日香さん」

「なに?」

「ちょっと教科書忘れちゃって、貸してくれない?」

同じクラスの女子に言われた。

意味が、わからない。

違うクラスなら、貸すことは出来るが、同じ授業を受けるクラスメイトに教科書は貸せない。

「無理」

「えー、そんなこと言わないでよ〜」

「だって、教科書2冊持ってるわけじゃないし」

「そうだよ、だからアンタが忘れたって言って、先生に叱られな」

周りの女子がわざつく。

そう、話しかけてきた依子はクラスの上位カーストなのだ。





あー、始まったな。

私はイジメを受けている。

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美食家の夢喰い獏 白兎白 @byakuren

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