誰かが魂を代償に自分の死を願ったという事で、独房にいる男の元に悪魔がやってきます。
契約者は明かされません。
男は死刑囚でした。
どのみち死ぬ日まで、男と悪魔は話をすることにします。
死ぬことは決まっている。
だから、未来を思い煩うこともなく、打算もなくただ話をします。
人同士ですら、そんな時間を共に分かち合う相手を見つけるのは実は困難ではないでしょうか。
悪魔だったら尚更な気がします。
そう思うと、タイトルがダブルミーニングのようにも思えますね。
誰の願いが叶ったんでしょう。
男がここぞと言うときに、少しだけ住んでいた場所の仕草をして、そこで育ったのかそれとも心に深く思うことがあった場所だったのか、考えを馳せたり
そしてそこにいるという悪魔の契約者とは誰だったのか、本当に存在しているのだろうか?
等々、色々広げられて味わい深い作品です。
死が目前に迫った時、あなたはいったい何を感じるのだろう。
「最期に、何を話しますか?」
そう聞かれた時、人は、誰かへの感謝しか思い浮かばないのではないか…。
このお話は、死刑の執行が迫った囚人と、悪魔と過ごしたほんの数日間が描かれています。
堅苦しくはなく、悲壮感は微塵も感じない軽快なやり取り。
しかし、どんなに強がった人間でも、どんなにひどいことをした悪党でも、人は本来もつ優しい心があると感じます。
人との関わり合いが薄くなった現代社会に、何かを訴えているのかもしれません。
流行りものも良いですが、たまにはこんな切なくも心温まる話も良いのではないでしょうか?
ぜひ、最後に見せる悪魔の優しさにふれてみてください。
きっと、何か大切な部分に気付くと思います。