愛しの彼には女性ファンが多い

 あっという間にお別れの時間だ。

 彼と離れるのが辛すぎる。


「さようなら。また来週に会いましょう」


 彼が優しい笑みを浮かべてこちらに手を振る。もう彼がこんなにも遠い。


「やだよ! 来週まで会えないなんて……長すぎる!」

「なんでテレビに向かって手を振ってるのよ?」


 母が私に呆れたように言った。

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140字小説集・ラブコメ系 藤崎 柚葉 @yuzuha_huzisaki

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