第11話 不穏

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いつも 食べるような 料理を

ニパと メイナの母が 提供して

くれた 事で 息を ふきかえす

ライナー

めったに 来ない来客や 珍しい

料理を 見る為に 里のエルフ娘たちが

どんどん集まって来る

そして 広い板張りの部屋が

ギュウギュウに なる

ライナーは もみくちゃに

されながら


「でも 400歳とか なんだよね~」


と 苦笑いするライナー

見た目は 若く巨乳ばかりだが


「この子が わたしの 1コ下で

この子が2コ下ね それで」


メイナが 指を さし 説明してくれるが


「それ ほぼ 同学年だろ」


と あきれて しまう

ライナー

中には


「わたくしの 主人が 亡くなるのを

看取って くださったそうで

ありがとうございます」


などと 言って 未亡人の 若い

エルフが ライナーに 抱き付き


「おい 同情を 買って ぬけがけ

するな」


と 周りから ヤジが 飛ぶ 始末で

収拾がつかない 事態に なって くる


「待ってくれ 順番に みんなの

話は 聞くから ちょっと 押さないで」


さらに もみくちゃに される

ライナー

それを 見て 勝ち誇った顔の

メイナ

この状況に 唇を かむ ニパ


「メイナ なんとか ならないか」


ライナーは 必死に 懇願するが


「十分 楽しんで

全部 忘れて パーッと イキましょ」


メイナは ノリノリだ

まだ 宴は はじまったばかり

ここから 呑めや 歌えやの

ドンチャン騒ぎの 開幕となる

みんなで ライナーの 唇を うばいに

来る

メイナは その様子を 横目に

酒を 片手に ニパの となりに

座る


「まぁ お呑みなさいな」


盃を ニパに わたすと

なみなみと 注ぎ入れる メイナ


「これは どうも」


グイッと あけるニパ


「おっ イケるクチだね」


ニパの肩を 抱くメイナ


「こんなの 呑まないと

やってられないでしゅ」


ムクれる ニパ


「あら ニパは 明日 こういう

手口を 使う つもり じゃなくて」


メイナの 鋭い ツッコミに

ビクッと なる ニパ


「さ・・・さあね

手の内は あかせないわ」


焦りの いろを みせる ニパ


「あなたの 弱点は ウソが 下手な

とこよ まぁ そこが かわいいん

だけど」


ニパの アゴを 指先で なぞる

メイナ


「ちょっと メイナ

もう 酔っぱらって しまったの

おかしな事を 言ってるよ」


あたふた する ニパ


「親友なんだから あなたも

なにか 言いなさい」


変な テンションに なっている


「あー 完全に 酔ってるな」


「まだ 酔ってませーん」


「はいはい」


ニパは めんどくさいと 思い つつ

少し 笑顔に なる


宴は 結局 深夜まで 続き

みんな 呑みつかれて その場で

眠りに つく


その頃


松明を 持った兵士達が

水源地に やってきて

柵を 築いて なにやら はじめる


「ヒヒヒ

これで ここいらの 連中も・・・」


兵士の1人が ふてきな 笑みを

うかべている


「準備 できました」


「よし やれい」


「はッ」


その頃


ライナーは 明け方 目を さます

股間が すり切れるかと 思ったが

なんとか 大丈夫みたいだ


「もう 起きたんだね」


メイナの母が 話し かけてくる


「ちょっと 早く 目が さめて しまって

ゆうべの 料理 おいしかった

です」


話しやすい 雰囲気の メイナの母に

味付けの 感想を 言う ライナー


「そうかい まぁ ほとんど

ニパちゃんが 作ったからね

あの子 大事に するんだよ

ついでに うちの子もね」


イイ人なのが にじみ出て くる


「はい もちろん がんばります」


「うんうん

あたしゃ これから 川の水を くんで

料理するから また あとでね」


そう言うと 木製の バケツを 持ち

出て行く


「それじゃあ 川まで 一緒に

行きます」


里の 中を 少し 歩いて みたくなり

ライナーは 途中で メイナの母と

別れ 川の 上流へと 向かってみる

事に する

メイナには 兵士に 手出しするなと

言われて いるが


「まぁ 敵の姿だけ でも 知って

おかないとな」


そう言いつつ ふと 小川を 見ると

魚が 見える

ところが 普通の 見え方とは

ちょっと 違うような 気が する


「なんか 魚が 浮いている」


それも 1匹2匹じゃあない


「なんだ これは」


上流から おびただしい 量の魚が

浮かんで 流されて くる


「これは 大変だ」


上流も 気になるが


「とりあえず 水を 飲まない ように

言わないと」


急いで メイナの実家へ 戻るが

中から メイナの母が はって 出て

きた


「大丈夫か??」


ライナーは メイナの母を ヒザの上に

仰向けに 寝かせるが クチから 泡をふき

目が 上に ひきつっている

全身を ガタガタさせ

ピタッと 止まってしまう


「今 なら 間に合うか」


そう思い 回復魔法を かけるが

時 すでに 遅し

光る 砂つぶに なり サラサラと

風に 流されて いく


「ちくしょう!」


ライナーは 大声を出す

立ち上がり メイナの 実家に 入ると

5人くらいが お腹を かかえて

クチから 泡を ふいている


「水を 飲むな!」


そう 叫び つつ 回復魔法を

使う ライナー


「どうなってるの??」


メイナが 目を 丸くして おどろく


「毒だ 川の 魚が 死んでいる

水を 飲むな!」


ライナーは 激しい口調で 言う


「うん わかったわ

あれ お母ちゃんは??」


「・・・」


ライナーは 無言で 首を 横に 振る


「・・・えっ ウソ

そんな・・・」


「救えなかった・・・」


倒れて 動きが なかったエルフが

光る砂に 変わって ゆく


「早くしないと ほかの家にも

水を 飲まないように 言って

回ってくれ」


「・・・」


メイナは あまりの ショックに

アヒル座りをし 自分の 両手を 見つめる


「たのむ メイナしか 出来ない」


「・・・うッうん」


「みんな 救おう」


「うん」


家から 駆け出すメイナ


「他に 水を 飲んだ者は いないか」


ライナーの 問に


「ほかには いないようです」


メイナの父が チカラなく 答える


「里の 者たちに 川の水を 飲まない

ように 伝えてください」


ライナーが 指示する


「あ・・・ああ はい」


メイナの父も 外に出る


「ニパ!

ニパは いるか??」


ニパは 横に なっている

あわてて ゆすり起こす


「ニゥゥゥ」


「大丈夫か??」


ニパの 顔色を うかがう

ライナー


「うーん 飲みすぎましたー」


「どこか 痛い ところは あるか??」


心配して 様子を見る


「あたまが

二日酔いだ~」


頭を かかえる ニパ


「それなら 安心した

今 水に毒が 入って いるかも

だから 飲むなよ」


「ヒッ 毒ですか」


一気に 目が さめるニパ


「これは 一大事だぞ」



ーー30ーーーーーーーーーーーーーーーー


「グリエル様 作戦は 成功 いたし

ました」


おそい 朝食を 食べて いる グリエルに

兵士が 報告に やってきた


「うむ ご苦労

まぁ あまり 気の 進む 作戦では

なかった がな」


騎士団長グリエルと いえども

国王の 命令には 逆らえない

エリザベトと 同行した時の 一部始終を

報告した 際に


「なんと いまだに そのような

野獣が いる 森が あるのか」


と たいそう 怖がり


「そのようなヤツら

燃やして しまえ!」


などと 言い はじめるので


「はい ですが あの場所は 我々の船を 作る

木材が 取れる 貴重な森です ので

焼き払うのは 得策では ございませぬ」


と 進言すると 若き国王は


「それなら 水源地から 毒を

まいて こい」


とっぴょうしもない 提案をする 国王


「毒ですか うーん」


兵士たちも 利用する水なので

気が すすまない グリエル


「それなら 木材にも 影響は ないで

あろう」


我ながら 良い 提案だと 胸を はる 国王


「たしかに それなら 問題ないかと」


しぶしぶ 納得する グリエル


「エリザベトの親には 話しを

つけて おくから

ぞんぶんに 魔物退治を やって

くれ」


腰に 手を おき グリエルを

見下ろす 国王


「はッ このグリエル

命に かえても ヤツらを

根絶やしに してみせます

ではッ」


と 息巻いて 宮殿を あとに した

ものの


「たかが 魔物を 退治するのに

毒を まく ってのが 気に入らねえ」


つい 不満が クチを ついて出る

グリエル

魔物を前にして 逃亡したと

プライドを 傷つける ウワサが

たっている


「男なら 堂々と 魔物を 切って 捨てる」


剣を ぬき 兵士に きっさきを 向ける


「そうだろ 違うか」


兵士に すごむ グリエル


「はい でも・・・」


冷や汗を かく 兵士


「むう 命令に 背くわけにも

いくまい

人間の 住民には 一時的に

避難所に 行って もらい

深夜に 作戦を 実行する」


「はッ」


「かかれィ」


「はッ」


そして 深夜の うちに 毒を流し

メイナの母らが 犠牲に なった ので

ある

全く りふじんな 話で オークの 蛮行の

災いが エルフに ふりかかって きた


「まぁ 毒の 量も たいした もん

じゃあ ないし 効果を でっち上げ

とけば 国王が 現地で 確認する

事も ないしな」


騎士団長は 朝食の ステーキを

のみ こみ ワインを 飲む


「では どういたしますか??」


「魔物の里が 1~2ヶ所 滅んだって

報告書を 書いておけ

オレが 国王に 報告書を 持って 行く

それで 丸く おさまる」


ナイフを 歯間に あて 掃除する

グリエル


「はッ」


「では 書いたら 持って来い」


急に 大声を 出す グリエル


「はッ では」


「うむ」


走って部屋を 出る 兵士


「あん時 オークを なぎ たおし

エリザベト様に イイ所 みせて いれば

国の英雄と して 勲章でも

もらえた チャンスだった のに

マヌエスの 野郎」


ワインを 入れた 盃を 壁に たたき つけ

鬼の ぎょうそうで くやしがる グリエル


「酒だ 酒 もってこい」


朝っぱらから 酒を あおりまくる

グリエル


その頃


「犠牲に なったのは 15名

意識不明が 3名 軽症が 30名です」


エルフの 青年が ライナーに

報告する


「そんなに・・・」


ライナーは 回復魔法を 連発し 少し

エネルギー切れ 気味に なり

肩で 息を している


「ライナー 少し 休んで

あなたまで 死んじゃう」


メイナが 目に 涙を うかべ

両手で ライナーの 頭を はさみ

休む ように たのみこむが


「俺なんか どうなっても イイ んだ

とにかく 助けないと」


と メイナの 制止も 聞かずに


「次の家に

意識不明の人の所は どこだ」


と メイナの父に つめよる

その 鬼気迫る 形相に おされる

ように 案内する


「お父ちゃん 止めて」


メイナが 父の腕を つかむ


「いや この人は 止まんねえ

今 止めちゃあダメだ」


「早く 次へ」


「こっちです」


「ねえってばァ」


メイナの 言う事を 聞かず

次の家に 走って行く


「この人か」


エルフの 女性が グッタリと

横たわって いる


「はい 意識が なく 全く 反応が

ないんです」


回復魔法を かける ライナー だが


「おい ウソだろ やめ」


光る砂へと 変わって しまう


「かあちゃん・・・」


ライナーが バッと ふりかえると

幼い 少年が いた


「すまない 助けられなかった」


かみしめるように 言う ライナー


「かあちゃん どうなったの??」


「すまない」


「かあちゃん どこに 行ったの??」


「・・・」


「ライナー あっちの家にも

意識不明者が」


エルフの 青年が 息を きらせ

しらせに 来る


「ああ すぐ行く」


そう言って 立ち上がって 行こうと

すると 少年が ライナーの ソデを

つかむ

それを ふりほどき 次に 向かう


「絶対に かたきは 取ってやる」


ライナーの 怒りは 激しく 燃え あがり

天をも 焦がす 勢いだ


「早く 次の所へ」


数時間後


ライナーは 水も 飲めない 状態で

動き つづけたので

道の 真ん中で 大の字に 倒れて しまって

いる


「ハハ・・・ここで

って のも 悪くねえな」


空が 青い

ライナーの 顔の周りを 蝶々が

飛んで いる


「もう 言わんこっちゃない

はい 取って」


声の方に 目を やると

メイナが リンゴを 持って来た

ライナーは 地面に くっついて

しまったかの ような 右手を あげ

リンゴを つかもうと するが

ポロッと 地面に 落ちる


「もうっ」


今度は メイナが ライナーのクチに

リンゴを あてがうが

空を きる だけで 食べれて いない


「うん」


メイナは 自分で リンゴを クチに

ふくみ それを ライナーの クチへと

流し こむ


ゴクゴク


「ねえ 聞いて みるんだけど」


メイナが 真剣な 目で ライナー を 見る


「・・・うん」


「わたしと ニパが 戦った あとに」


なにか イヤな 予感が する ライナー


「うん」


「回復魔法 かけて くれなかった よね」


目を ほそくする メイナ

体が ビクッと なる ライナー


「・・・」


「わたしは 回復が 早いから イイん

だけど なんで ニパに やって

あげなかったの??」


ニッコリしながら ライナーに

聞く メイナ


「・・・グー」


「あっ 寝たフリ しちゃうんだ」



ーー31ーーーーーーーーーーーーーーーー


藁を編んだ ラグの上で 目を

さます ライナー


「メイナの 実家か・・・」


今朝の さんげき が ウソで あった

かの ように 静まり かえって いる


「悪夢で あってくれ」


そう 心の 底から 願う ライナー では

あったが


「お昼に なったけど 起きてる

かな??」


黒い 服を 着た メイナが ひょっこり

あらわれ


「まだ つかれてるよね」


と 言い 向こうに 行こうと する


「ちょっと」


「ん・・・起きてたんだね

どうしたの??」


メイナを 呼びよせ ギュッと

ハグを する ライナー


「ちょっと 今 から するの??

別に イイけど」


頬が 赤くなる メイナ


「いや そうじゃない」


小声で 否定する ライナー


「じゃあ キスしたら

そんな 気分に なるかな??」


少し 残念そうな メイナ


「わかんない」


目線を 少し 反らす ライナー


「里の 人を 救って くれて

ありがとう」


濃厚な キスを するライナーと メイナ


「ちょっと 目を はなすと これ

だもんなーー」


ニパが 冷ややかな 視線を おくって

いる


「あっ いたの」


「そりゃあ いますよ」


ニパは メイナの 反対側に 陣取り

ライナーに キスを する


「あっ ズルい わね」


メイナも ライナーに キス する


「ちょい 待ってよ」


ライナーが 止めると


「ねえ 水源地で 兵士を

やっつけよう とか 思ってない??」


ストレートに 質問を ぶつける

メイナ


「・・・」


「やっぱり」


「でも 俺は やられっぱなしは

イヤなんだ」


ちょっと 感情が 出て しまう

ライナー


「うん わかるけど

ニパも 止めて」


聞く耳を 持たない ライナーを

説得する為に ニパに 応援を

要請する メイナ


「あたい メイナの お母さん 好きに

なったのに こんな事に なって

むしろ あたいが やってやりたい

くらい」


ニパの目に 怒りが みちている


「ニパは 手出しするな

俺が カタつけて くる」


「やめて 二人とも」


言って 聞くような 人物じゃ ない

事は わかっている メイナ


「大丈夫 みんなに 迷惑かけ

ないように するから」


「なにか イイ案でも あるの

かな??」


「まぁ 見てなって」


ライナーは 起きあがると メイナの

実家を 出て 見つからない ように

瞬間移動を する

そして 上空から 川の

流れを 見て いると 池が ある

その 池を 見ると 大量に 魚が

浮いて いて


「これなら 使えるな」


と ニヤリと 笑う

次の 瞬間移動先は 水源地

そこで 毒の入った タルを

確認する


「あいつらが 流して いるのか」


ライナーなら あっという間に

兵士たちを 殺せるが

それだと 面白くない


「しっかし ヒマ だなぁ」


兵士達は 毒が ゆっくり 流れる ように

それと 途中で 邪魔が 入らない

ように 監視して いる


「いっそのこと タルを 壊して

一気に 流そうか」


交代で 番を するのが しんどく

なって きたのか

不穏な 事を 言う 兵士


「やめとけ 後々 めんどうだ」


もう1人の 兵士が 制止する


「えー 早く 終わったら 早く

ランチに 行ける じゃない

ポルムの町の路地裏に

雰囲気のイイ店が あって

一緒に・・・

ん??」


すでに そこに 一緒に いた

兵士の 姿は ない


「おーい どこいった

ってか みんな いない

どうなってるんだ」


傍らに おいている ヤリを

あわてて 手にし 左右を 警戒する

兵士


「おいてくなよ

こんな とこ」


素早く ヤリを 動かす 兵士の 背後に

ライナー


「みんなの ところへ つれて いって

やるよ」


「ヒッ」


瞬間移動で 池の 上空へ 出る

兵士と ライナー


「ほら」


眼下の 池には 10人ほどの 兵士が

必死に 泳いで いる

今 転送された 兵士も 池に 向かって

すごい スピードで 落ちて ゆく


「ギャアーーーッ」


ドッボーン


たっぷり 毒の 入った 池で

泳ぎ 続ける 兵士たち


「けっこう しぶといな」


そう言うと ライナーは 池に

渦を 発生させ とどめを さす


「う・・・うわぁ」


「ブッブクブク」


渦を 止めると 兵士たちの

姿は 水底に 没して 声は 消える


「ふぅ これで よかったの

かな」


これで しばらくは 毒を 流す

ヤツも 出て 来ない だろうと

思う ライナー

しかし 茂みの中に もう1人

兵士が 隠れて いた のだ


「大変な 事に なったぞ」


その頃


「ニパちゃん 来ないわね

さすがに メイナちゃんを

殺したり して ないと

イイんだけど」


モルグンは ニパが 強く

なりすぎたのでは ないかと

少し 稀有な 心配を している

しかし 一緒に なって メイナを

倒すという 面倒な 話しに

ならなくて 内心 ホッと

している


「モルグン殿 モルグン殿は

ご在宅か??」


水源地で とりこぼした 兵士が

モルグンを たよって来る


「あなたは 西の国の 兵士ね

もう あなたたちとは 関わらない

一緒に 戦わないって 言ってる でしょう」


モルグンは 兵士の 異様な 雰囲気に

いやな 予感を 感じ クギを さす


「仲間たちが 行方不明なんです

なんとか 助けて 下さい

おねがいします おねがいします」


強く 懇願 され ちょっと おされて

しまう モルグン


「うーん

まぁ 話し だけでも 聞くだけ

聞いて みるけど・・・」


仕方ないな という 表情で

上半身を 起こす モルグン


「ありがとうございます

ありがとうございます」


深く 感謝を 伝える 兵士


「で なにが あったの かしら」


座り なおし 傾聴する モルグン


「はい 我々は 水源地で ど・・・

管理を しておりまして」


肝心な ところを にごす 兵士


「それで」


「兵士は わたくしを ふくめ

12名 どれも 腕の たつ ヤツらで」


兵士が 自慢話しを はじめそう なので


「うん わかったから どう なったの??」


と 制する モルグン


「こつぜんと 姿を 消したの です

パッと 光って」


見た光景が 雲を つかむようだと

言わん ばかりの 兵士


「それは 瞬間移動の魔法ね

このへんじゃあ わたしか

トルーヴィルくらいしか

使えないと 思うよ」


冷静な 受け答えを する

モルグン

下手に 疑いを かけられると

タダでは すまない


「なるほど・・・」

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