第6話 盾

ーー14ーーーーーーーーーーーーーーーー


異世界に来て 1週間が たち

初日に出会ったメイナとニパとは

相変わらず仲良くしていて

トルーヴィルは 相変わらず窓から

遠くを見ている


「薬草を 取りに行ってくるよ」


ライナーが そう言うと


「はーい 行ってらっしゃい」


とメイナの声が 響く

適度な 木漏れ日の中を歩き


「よし 誰もいないな」


辺りを確認するライナー


「こうやってっと」


地面に落ちている棒っきれを ひろい

魔方陣を描く


「さあ 出てこい 薬草ちゃん」


そうすると ライナーの欲しい

薬草が ザックザクと出てくる


「おー 今日も大量大量っと」


図鑑に載っている薬草は

なんでも出せるように

なってきた


「まぁ それでも全種類は 出せない

みたいだがな」


でも かなりの時間短縮に なって

いるから ありがたい


その時 ふとシンガポールの

雑貨屋の顔が うかぶ


「そういえば あのおばあちゃん

手で まじないのサインを

していたな」


商品を買う時に 素早く両手で

なにかをして


「あなたの長い旅が

うまくゆくように

念を こめたから」


と おばあちゃんは言っていた

さらに


「この商品は プレゼントして

自分の願い事に 使わない

ようにな」


その結果 1週間も異世界にいる

事に 苦笑いする


「さて 試してみるか」


成功すれば いちいち棒を

探して 地面に魔方陣を描く

手間が はぶける


「素早く こうこうっと」


そうすると 地面に描いてない

のに 魔方陣が浮かびあがって

くる

そして 大量の薬草を入手できた


「やった成功」


これで 大幅にショートカットできる

と思ったが


「こんだけ素早くやったとこで

残りの時間は どうするんだ」


ここには スマホもゲーム機も

インターネットもない

そんな事を考えていると


パカラッパカラッ


遠くに ひづめの音が

聞こえる


「あっ ヤバい」


あれから 毎日の ように

エリザベトから 愛の こもった

恋文が来ていて それをメイナが

ひどく あやしみ 内容を読ませろと

しつこいので 困っているのだ


「早く帰らないと」


急いで薬草を拾いあげ

一目散に 林を駆け抜ける


「魔法を 使えば 一瞬で

帰れるのに」


トルーヴィルの家に つくと

甲冑を着た兵士の姿は なく

よりによって メイナが

手紙を 受け取っている

そして まさに開封しようと

する動作が 目に 飛び込んでくる


「ちょっと待った」


すんでの ところで手紙の

端を手にするライナーだが

メイナも がんばって 引っ張りあい

に なる


「俺の手紙だぞ

離せよ」


「中身を 見せてくれるなら

すぐ離すわ」


お互いに グイグイと引っ張る

から なんと真っ二つに さける


「あっ」


メイナが 大きな声を あげる


「ごめんなさーい」


尖った耳が たれ下がり

反省の言葉をクチにするメイナ


「いや 俺も 引っ張りすぎた」


ライナーは メイナが持っている

方も スッと回収すると


「心配いらないから」


と言って 笑顔を見せる


「うん それならよかった」


メイナは 少し ほほえむ


「俺は 薬草を ゴブリンの

集落まで持って行くから」


「うん いってらっしゃい」


メイナに 見送られながら

深い森へと 入っていく


「ここなら」


破れた手紙を つなぎあわせて

読んでみると


「なになに 夫は結婚して

すぐ 海峡を挟んだ西の島まで

兵隊を率いて行ってしまって


要するに ヒマだから エリザベトは

ライナーに 逢いに行くという

少々迷惑な内容に


「うわぁ 困ったな」


断るにも その手段を 思い

つかない


「なんで 結婚したのに

俺なんかに 会いたがる

のか 理解できないな」


悩んでいても 仕方ないので

薬草を 持って ポルムの町まで

行く事にする

一瞬 ヴィタネの顔が よぎった

のだ


ポルムの教会の上に 閃光が

して ライナーが あらわれる

そして 裏側に静かに降り立つ


「誰にも 見られてないな」


教会の入り口に まわると

ドアが 大きく 開けはなたれて

いる


「あら いらっしゃい」


声を かけてきたのはヴィタネでは

なく 堕天使のアズルだ


「あの ヴィタネは いるか」


そう言うと 少し残念そうに


「ヴィタネね

あの子なら 西の方に

神父さまの手伝いに

行っていて 留守よ」


「そう言えば 神父さまに

会った事ないな

交代で お世話しているの

かな??」


ライナーが そう聞くと

少し ニコッとして


「そうなの

神父さまは戦争に

かり出されて

お世話係に1人ついて

いるの」


「そうなんだ 大変だね」


ライナーは 少し気の毒に

思い頭を掻く


「私は てっきりライナーが

また歌を聞かせてくれると

思って うれしかったの

だけれど」


ものすごく 期待するような

視線を送るアズル

ライナーは 戦いで疲弊した

彼女に 歌声で癒しを

あたえる事にする

そして 歌い終えると

アズルの目に光るものがみえる


「ありがとう

とっても 幸せよ」


そう言って ライナーをギュッと

抱きしめるアズル


「ヴィタネを抱いたなら

私も」


「えっ」


かなり狼狽するライナー

クチが 固そうなヴィタネが

そんなガールズトークみたいな

ノリで アズルに話して

いた事に 少し めまいを

おぼえ


「なんで」


と言うのが やっと


「なんか 雰囲気が

おかしかったから

問い詰めたのよ

そしたら 私より先に

ライナーと 寝たって

言うもんだから

そっから 大ゲンカに

なって あのメス豚が

なんか 普段は男なんて

どうでもイイって ツラ

しといて ちゃっかり

私が 狙ってる男だけ

かっさらいやがって

今度また 会ったら

めちゃくちゃに」


と そこまで言うと

ハッと我にかえる堕天使

どん引きするライナーに


「あのー

今の聞かなかったことに」


「ならんな」



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「姫!

これより先には 馬車が

行けないみたいです」


ポルムの町には 似つかわしく

ない きらびやかな馬車に

向かって 甲冑を着た屈強な

騎士が 馬上から 叫ぶ


「そんな事は わかってよ

グリエル」


姫と呼ばれているのは

エリザベトで その お供の

騎士団長のグリエル

もう1人 女の騎士が馬に

またがっている


「本当に この道で あって

いるのでしょうか」


グリエルは エリザベトの

実家に行くと 聞かされて

いたので 少々 困惑している


「イヤなら 帰っても

けっこうよグリエル

あとは マヌエスと二人で

行くから」


「そうだぞ

そもそも 姫の護衛は

わたくしだけで十分だ」


マヌエスは 自信満々で

グリエルを 見下すような

視線を送る

彼女は 姫の護衛専門の

人間の盾だ

自分の身を ていして

必ず命を 守る

その為 装備は 小さめの

ブレストアーマーなので

彼女の巨乳の下半分はガード

できていない

右足が露出するロングスカート

に見えるが スリットが胸の

あたりまである ノースリーブ

ワンピを着ており 右胸の半分は

露出しているが ブレストアーマー

の おかげで乳輪は 隠せている

腰には 太いベルト

頭部には 鉄製で黄緑色の

特徴的な アーマーを つけて

ささやかな防御を している

すべて 素早く姫を守る為の

装備だ

エリザベトは 馬車を降り

マヌエスの 乗る馬に

飛び乗る


「馬車は ここで待機

すぐ出れるように しておけよ

馬係」


グリエルは ストレスを

ぶつけるように言う


「騎士団長なのに

戦争へ行けないから

イライラしてるな」


マヌエスに ズバリと

指摘され さらに頭に

血が のぼるグリエル


「グヌヌ

この辺は 魔物の気配が

いたしますぞ

日の高い内に用事を

済ませましょう」


こんな人間が 騎士団長を

するぐらい 人材難なのだ


「そんな事は わかっている

ついてまいれ」


マヌエスは ワザとグリエルに

マウントを とり 颯爽と

馬を 走らせる


「チッ いけすかねえ

アイツの頭に デッカい

石でも 当たりゃイイのに」


「なにか 言ったか」


マヌエスが 振り返り聞く


「いーえ

なんにも 言ってませーん」


2頭の馬が 森の中の道を

駆けてゆくと

前方に 人影らしき物が

複数 見える

だが それは人ではない

よく見ると オークの群れだ

それが 道を ふさぐように

ジャマをしていて

片側に木が しげり

もう片側は 廃屋がある


「あぶない」


路肩も使えないと見るや

あろう事か 馬を止めて

しまうマヌエス


ヒヒーン


手綱を引かれ いななき

後ろ脚だけで 立ち上がる


「おい 止まる奴があるか

ひきころせ」


グリエルも 馬を無理やり

止めて 叫ぶ

オークたちは 武装して

おり 明らかな敵意を

マヌエスに向けている


「おい 着てるものと

馬を 置いていけ

あと 女もだ」


オークのリーダーのような

奴が 話しかける


「なんだ貴様ら オレを

騎士団長グリエル様だと

知っての蛮行か」


オークは グリエルの物言いに

全く知らないという素振りを

見せる

無理もない 隣の国の ド田舎

なのだから


「知らねえよ

おれ達は ケガだけで

済ますような

ヌルいのとは違うぞ」


そう言うと オークたちは

腰にある剣を ぬく


「姫を 守りながらは

不利だな

それなら 仕方ない」


マヌエルは 覚悟を決め

馬から降り立つと

エリザベトを馬に乗せたまま

クルッと馬の向きをかえ

思いきり 右足で馬のケツを

蹴りあげると

ビックリしたように 走りだし

エリザベトも 必死に鞍に

しがみつく


「マヌエーース」


猛烈な スピードで 走り去って

ゆく


「グリエル!

姫を追いかけて ゆけ!」


マヌエスは 最期に気高く

あろうとする


「でも

それじゃあ お前は」


「イイから行け

行って姫を お守りしろ」


周囲を オークに とり囲まれ

身動きが とれないなか


「すまねえ

死ぬなよ」


グリエルは 馬を操り オークたち

から 突破する事が出来た

が マヌエスが 残される


「なんだよ 馬2頭みすみす

逃がすとは

大損害だ 腹いせに

こいつを 八つ裂きに

するぞ」


いきり立ち ブヒブヒ言う集団


「オークごときが

わたくしに 指1本

触れる事など

出来はしない」


腰の ロングソードを 抜き

かまえるマヌエス


背後から 切りかかるオークに

ふり向きざま 剣を振ると

右手が ボトッと落ちる

あまりの痛さに のたうちまわる

オーク


「ギャアー」


悲鳴を あげ腕を押さえ

うずくまる


「さあ 次はどいつだい」


あくまでも 上から目線の

マヌエスに 多少ひるむ


「バカ野郎ども

相手は1人だぞ

とにかくやれ」


その怒号に 再びヤル気を

出すオークたち


「さあ いらっしゃい

残さず 全部ヤッてあげるわ」


その頃


「あーあ

修道女だけは 俺の

味方だと 思ってたのにさー」


ふてくされながら 家路へと

トボトボ帰っていると

3人のオークが 廃屋の

そばの塀に 群がっている


「おい なんだ」


オークの 目線の先に

壁から おしりがはえている

いや

よく見ると 壁に女の

頭部と 右手が メリこんでいる


「お前らが やったのか」


ライナーが 聞くと


「いや この女が

剣を 振り回して 勝手に

こうなったんすよ」


なにか ヘラヘラする態度に


「痛い目に あいたくない

なら 帰れ」


ライナーが そう言って 睨むと

そそくさと去っていくオーク


「さて どうしたものか」


そう言って 女の露出して

いる お尻を見つめ


「おしいな」


ライナーは 不謹慎にも

自分の下半身の盛り上がりを

おさえきれない

しかし


「・・・こおして」


かすかに 声がする

そんなはずはない

下半身モロ出し女の頭は

ライナーの 腰の高さの

位置で メリこんで

生きてないと思って

いたが かすかに

とどめをさすように

言っている


「今 回復魔法を かけてやる」


ライナーは いちかばちか

覚えたての魔法を 使ってみると

女のキズは 完治し 露出した下半身の

エロさが 増す

壁の反対側に まわってみる


「大丈夫か」


女は 何が起きたのか理解できないで

いると いきなりライナーが

姿を あらわすと


「殺して」


と言う

壁は 思ったほど 厚みはなく

ただ 身動きがとれない感じだ


「俺は 助けに来た」



ーー16ーーーーーーーーーーーーーーーー


いけすかない女だ

ライナーが 味方だと

知るやいなや


「ボーッとしてないで

早く助けろ」


その言葉に 一瞬ムカつく


「殺せって言ったり

助けろって言ったり

一体どっちなんだよ」


「とりあえず 後ろから

引っ張れ 早くしろ」


ライナーは この女に

関わった事を 後悔した


「わかった 引っ張るよ」


全く無駄な時間だ

言われるまま 腰を持ち

引っ張る


「イッ!タタタタ

もう少し やさしく

やれないのか」


回復魔法で 壁の 一部も

微妙に なおっているらしく

ガッチリ はまって 抜けない


「せーのっ」


その時 いきおいあまって

下着のサイドが ほどけて

完全に 露出する事態となる


「うわ ヤッベ」


ライナーが あわてて結び

なおそうとすると


「なにしてらっしゃるの」


ライナーの 背後から声が

する

そこには きらびやかな衣装を

身に まとう エリザベトが

ニヤニヤしながら立っている


「マヌエス あなた楽しそうね

ライナーと イチャイチャして」


「その声は エリザベト様

ご無事で なによりです!

この方が ライナー様でしたか」


壁の向こう側から 大声を出す

マヌエス


「さあ あたしに 続きを

見せるのです

他人がシているところが

見たいの」


むちゃくちゃな事を 言いはじめる

エリザベト


「ここで この女と

シろっていうのかよ」


だが


「わたくしは 一向に かまいません

エリザベト様の命令と あれば

さあ ライナー様 ひとおもいに

ズバッと」


「待て待て この女にも

旦那とか彼氏が いるだろ」


エリザベトの為に なんでも

するという姿勢は 立派だが

そこまで なのか


「彼氏なんぞ そんな者は

おりませぬ さぁ エリザベト様

は 行為が見たいと おっしゃって

いるのだ 早くせぬか」


クネクネと 尻をふるマヌエス


「うお

めんどくせ」


しかし これで毎日来る

恋文が来なくなるかもと

思いなおす


小一時間


「うむ なかなかよい

ものを みれたぞよ」


エリザベトは かなり

満足した様子でニコニコ

している

マヌエスは ついさきほどまで

大声を 出していたが

汗だくで グッタりしている


「もう 俺は帰るぞ」


立ち去ろうとするライナーに


「待って 壁を壊して

マヌエスを 出して欲しいの」


懇願するエリザベト


「クチが悪くて 傲慢な

女だからキライだけど

頼りにはなるの」


ひどい言われようだが

そこまでなら 助ける事に

するライナー


「ただ 壁を壊すと

首がモゲる可能性が高い

どうしたものか・・・

あっ あれだ」


閃いたライナーは 早速

ためしてみる事にする


「瞬間移動魔法で」


ライナーと エリザベトの

目の前が パッと明るくなり

マヌエスの姿が消える


「なにが おきたの」


大きな目を 丸くする

エリザベト


「どこに行ったの」


「上空さ

おっと 落ちて来る」


ライナーは あわてて 空へ舞い上がる


「ここ どこよ

ギャアーーー」


マヌエスは 空を落ちている事に

気付き 大きな悲鳴を あげる

そこへライナーが 飛んでゆく


「よし

ナイスキャッチ」


ライナーが お姫様抱っこをすると

首もとに しがみつくマヌエス


「もう大丈夫だ

そんなに しめるなよ」


「ハァー 助かった~」


安堵の 表情をするマヌエス


「ライナー様

あの~」


「なんだ」


お礼でも 言ってくると

思いきや


「わたくしたち

シたという事は

つまり そういう関係と

いう事ですわよね」


マヌエスが不穏な事を

口走り はじめるので


「ああ」


1回シただけだろと思いつつ


「ただし エリザベトの前だけの

恋人だ」


と突き放すが なにを

勘違いしたのか


「恋人・・・

ヒヒヒ」


よくわからないが

納得した様子だ


「とりあえず

丸く おさまったな」


安心しつつ 地面に降り立つ

ライナーとマヌエス


「ライナー 次は あたしの

番よ」


エリザベトが 両手を ひろげ

ライナーに せまる


「それって 空を飛ぶ事かな??

それとも 別の方??」


「もちろん 別の方よ」


ライナーは 苦笑いしながら


「だよね~」


その頃


ニパは モルグンの もとへ

訪れている


「あたい いつまでもNo2じゃあ

イヤなんです

そこで No3のモルグンに

協力して ほしいの」


ニパの 真剣な眼差しに

一瞬たじろぐモルグン


「わたしはー

3番手でも 全然オッケー

だけど あなたに協力する

のも やぶさかでもないのよ」


色好い返事を 聞けて うれしく

なるニパ


「魔法で あたいを

鍛えてください!」


そこから ニパの特訓が

はじまる


メイナは それを知るよしも

なく ライナーに いたっては

エリザベトと イチャつく

始末だ


夕闇が せまり ポルムの町では

豪華な馬車の前で 別れを

おしむ エリザベトと

見送るライナーの姿がある


「また 近いうちに

逢いに来るから」


エリザベトの言葉に


「いや 来なくてイイよ」


素っ気なく答えるライナー


「また 手紙書くから」


「それはマジでい」


「書くから」


「・・・」


その時 騎士団長の グリエルが

割って入る


「エリザベト様

そろそろ」


「わかってるわよ

うっさいわね!

ライナーまたね

元気でね

無茶したらダメよ」


「はいはい」


ガチャリ


馬車のドアは 締められ

係の者が 馬にムチを入れると


ヒヒーン


一目散に 馬車は走りぬけてゆく


「嵐のようだな

あの子は・・・」


その将来に 一抹の不安を

感じつつ見送る


「では我々も」


グリエルは 一礼すると

走り去る

マヌエスは 馬上から飛び降り

ると ライナーに抱きつき


「また 逢いましょう」


と 完全に乙女に なっている


「うん いつかね」


ライナーの言葉を聞き

少しムッと なるマヌエス


「役職を とかれたなら

ずーっと 一緒に 居られるのに」


唇を かみしめるマヌエス


(あーこの娘

そういうタイプの女かぁ

1人で盛り上がっちゃった

厄介だな)


苦笑いを するライナー

ニッコリするマヌエス


「早く 行った方が

イイんじゃないか」


「ええ・・・

それでは アデュー」


馬に飛び乗り 駆け抜けてゆく姿に


「厄介事が 増えちまったな」


そんな事を つぶやいて

いると


「あの人たち 誰なん??」


ライナーの背後から 声がして

ふりかえると ニパがいる


「えっ あっ

どこから」


ライナーの 問に


「ライナーと ドレス着た

人が めちゃくちゃキスして

その子が 馬車に乗って

向こうに行く らへんから」


ライナーは 青ざめる

見られては いけない人に

バッチリ目撃されている事に


「でも 黙っておいてあげる

あたいは ライナーが何人愛人を

つくっても平気

あたいが 正妻だと

認めてくれるなら」


「それより ニパ

顔が キズだらけだけど

なにか あったかな??」


ニパは 全身に かすりキズを

負っており 多少しんどそうだ


「大丈夫だよ

ちょっと 転んだだけ・・・」


エへへと 頭を掻くニパ


「うん 大丈夫ならイイけれど」

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