第2話 支配から

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緑深い、山の中腹あたり

せり出ている崖に沿うように

粗末な、石造りの小屋がある。

地元の者たちは、ここの家主を

恐れて、特別な用事がなければ

近づきもしない。

部屋数は5。

どの部屋も、掃除を おこたって

いるらしく、総じてカビ臭い。


半円形に、石を組まれた窓がある

のが、リビングで 崖の下の景色が

一望できる。

その窓際に、イスと丸いテーブル

を置き、外を眺め イスに だらしなく

腰をおろし、ティーカップを片手に

物思いにふける男がいる。

顔は、均整がとれたうつくしい見た目

ではあるが、黒い髪はボサボサで

黒いローブは、ソデやスソは やぶれ

キレイな顔と不釣り合いだ。


その頃


モンスターは、鏡の前で立ち止まった

まま、必死の思いで考える。


「東京の自宅でも実家でもない

ましてホテルでも

悪い夢だ きっと

あたしはニューヨークに向かう

飛行機で寝ちゃってるんだ」


そう、自分に言い聞かせ

自ら、頬を つねろうと

しかけて手が止まる。


「なんて美しい少女なの」


髪は神々しい金色で、真っ白い肌。

目は透き通るような青。

唇は、塗ったような光沢の

あるピンク。

しかし、それだけに首から下が

醜すぎて 凝視できない。

ただ胸は、人間の頃よりある。

部屋にある、吸水力のなさそうな

ボロ布を体に巻き、廊下に出る。


「とにかく 誰かに見つからない

うちに ここを出よう」


左に出て、カドを左に行くと

突き当たりにトイレがあり

便座はなく、囲われた空間に

下に穴が、開いていて 中をのぞくと

落ちたら死ぬぐらいの断崖絶壁と

なっており、ここからの脱出は無理

と判断して、廊下の反対側へ向かう。

大きい部屋に出たが

イスに、誰か座っている。

幸い、眠っているようだ。

気付かれないよう

ゆっくりと・・・

神経が、張りつめる。


虚空を見つめる家主が、ふと部屋の

中へ目をやると、見なれた金髪の

少女が立ち、視線がぶつかる。


「フレイン !」


その男は、ムクッと立ちあがる。

モンスターは、ビクッとなり硬直する。


「あっ あの~」


「えっ どうしたフレイン」


「すいません おじゃましちゃって」


そそくさと、その場を離れようとすると


「おい お前 フレインじゃないな」


そう言うと、その男は テーブルの上に

おいてある本を、掴みあげ

棒で、地面に六芒星を描きだす。


モンスターは、イヤな予感を感じ

身が、よじれる。


「もうしわけございません !」


つい、職業病が出て 深く頭を

さげる。


「なんだ なにをしている」


一瞬、男の手が止まる。


「あたしは フレインさんじゃあ

ないです」


男の顔が、いっそう厳しくなる。


「じゃあ マーシュか??」


「あたし さやかって言います」


男の動きが、ピタッと止まる。


「オレは またやっちまったのか」


そう言うと、ヒザから崩れ落ちる。


「あの あたし悪い人間じゃあない

ので 名前だけでもおしえてくれま

せんか」


男は、少しキッと睨み付けたが


「モンスター風情に名乗る名など

持ち合わせてないが

トルーヴィルだ」


そう言うと、イスに座りなおし


「フレインは 召還した時から

イエスか ノーしか しゃべれな

かったから 君が違うことは

すぐに 判断がつく」


トルーヴィルは、深い ため息をつく。


「それで 君は何者なんだ」


その問に対し、モンスターは


「あたしの名は さやか」


と、今までの経緯を簡単に

トルーヴィルに伝え


「でも なんで目覚めたら こんな

事になってしまったのか

わからないんです」


と、トルーヴィルを見つめる。

そうすると、バツが悪そうに

語りはじめる。


「数年前 この地域で紛争が 起き

その戦禍の中で 最愛の女を

なくし 魔術に よって蘇りを

しようとし まず大天使を

召還しようとしたら 最下級の

フレインが あらわれて」


「それで」


「ものすごいパワーを消費したオレは

フレインに介抱してもらいつつ

次のチャンスを うかがった」


「うん それから」


「もっとすごい頼り代が必要と

このラクロウの書に 見つけて

巨大な魔力を持つ者の召還に

挑むと」


「うん」


「また目的と違う マーシュという

魔王を召還してしまった」


さやかの顔が曇る。


「ガチャじゃん」


「それは どういう意味かな ??」


トルーヴィルは、バカにされたと

勘違いする。


「いえ 深い意味は ないの

続けて」


「ム・・・それで魔王は召還される

なり 手当たり次第 大あばれ

をはじめて オレとフレインで

やっとの思いで首を切りおとした

は イイが フレインの体が

ボロボロで再起不能になって

しまい 首を 落としてもピンピンな

魔王マーシュの体とフレインの」


「頭をくっつけたら こんな

モンスターが出来上がり

って事ね」


「そうだ」


ひとしきり話して、ホッとする

さやかに対し、トルーヴィルは


「ここで決めてくれ

一生奴隷として尽くすか

それとも この場で滅されるか」


トルーヴィルは、スクッと立ち

あがり、さやかに問いかける。


「ちょ 待ってよ」


トルーヴィルは、テーブルの上の

ラクロウの書のページを、開き

ながら、杖で六芒星を描きはじめる。


「わかった なんでもしますから」


「しますじゃねえ させていただき

ますだ」


「はい させていただきます」


まばゆいエフェクトは、スッと

消え、静寂が 戻る。


「お前は 元人間と言ったな」


「はい」


さやかは、弱々しく答える。


「ここの山を下った ふもとに

小さな集落が あって ゴブリンが

住んでいるが 奴らは通貨を

持たず 物々交換で生活をして

いる」


「ゴブリン・・・」


さやかは、あまり良いイメージを

持っていない。


「それで 山に はえている薬草

を とって肉と交換する

ヤツら腐ったものとか

喰うから しょっちゅう

薬草が必要なのさ」


「あの」


「なんだ」


「薬草の知識がないの

ですが」


「そこの本棚に 絵が描いてある

本が あるからテキトーに葉っぱ

を持って行けばイイんだよ」


「はい」


さやかは、植物図鑑を手にとり

ページをめくると

フレインの、能力が発動し


「なにこれ

ページがそのまま記憶に残ってく

こんなの受験生の頃に この

能力が欲しかったわ

そしたら機長に

イヤ 医者でも弁護士でも」


「おい 日が沈んじまうぞ」



ーーー3ーーーーーーーーーーーーーーーー


適度な、木漏れ日が 差し

ヒザぐらいの丈の草が、広がっている。

さやかは、薬草を猛烈な 勢いで

集めながら


「うおー わかる

頭の中の本が めくれてイクぅ」


と、テンションが上がる 一方

家を出る時の会話を思い出す。


「お前の名前は ここでは目立つ

そうでなくても 外見がモンスター

だからな」


トルーヴィルが、考えるような素振り

をみせるので すかさず


「あの 自分で考えます」


と、若干イヤな予感を察して言うと


「イヤ

オレの奴隷なんだからオレが つける」


やはり、という顔をするさやか


「そうさな

う~ん

ライナーなんて ありふれて

目立たない」


さやかの顔が曇る


「あの~ 恐れながら それは男性

に つける お名前では??」


そう言う さやかを不思議そうに

見つめるトルーヴィル


「だって お前 どこから見ても

男だぜ」


さやかは、よく確認してないが

たしかに、男のシンボルが

股間にある。

さやかは、あわててそれを握って

確認し、パッと手を離す。

真っ白い頬が、みるみるうちに

紅潮する。


「なんで こんな大きいのに

気付かなかったんだろ」


「なっ 男だろ」


男に、生まれかわりたいとは

言った。


「でも こんなのあんまりだ~」


ふと、我に かえり

薬草採集を、再開しようとすると

妖精が立って、こちらを見ている。

いきなり目の前に150センチの子供が

音もなく、あらわれたと感じ

さやか、もといライナーは

ビックリする。


「わっ あなたは誰ですかっ」


少し、上ずった声でライナーが問うと


「わたしはこの森のエルフの

メイナ あなたは??」


と、少し頬を赤らめながら答える

メイナ


「俺の名は さや・・・じゃなく

ライナーだっ」


少し、手間取ってしまったが

ちゃんと答える。

そうすると、メイナがジリジリと

近寄って


「まぁ ライナー様と おっしゃる

のね 素晴らしい名前っ

その薬草を素早く的確に集めて

いらっしゃる姿に ほれぼれ

いたしましたわ」


メイナは、体を密着させライナーに

好意を向ける。


「いっ イヤそれほどでも」


ライナーも、ほめられて まんざらでも

ない気分になる。


「おい なにやってる」


茂みの奥から、声がする。


「なんだよ イイとこだったのによ」


ライナーは、悪態をつく。


「ぼくの女に 手を出したな」


声は、怒りに満ちているが

いかんせん顔に、迫力が感じられない。


「ちょっとレガリス

あなたとは終わったのよ」


「イヤ 終わってない」


一瞬、美人局にでも あったかと

思ったが、そうではないみたい。

メイナはライナーの背中に

身を 隠す。


「ったく痴話喧嘩に巻きこまれる

なんざ めんどくせえな」


ライナーは、さらに悪態をつく。


「なんだと」


レガリスは、思い切り左の拳を

ライナーに向け突き出す。

しかし、ライナーは腕一本で

それを受けながす。


「おいおい エルフが素手で

笑わすなよ」


ライナーは、不適な笑みをうかべる。


「うるさい」


レガリスは、これでもかと ラッシュを

かけるが、ライナーのボディには1発も

ヒットしない。


「なんだ 蚊でもとまったような

パンチだなおい」


ライナーが、レガリスに腹パン1発で

ノックアウトしようと思った刹那


「うおおおおおおお」


レガリスが、雄叫びを あげ

ライナーの、胸ぐらを掴んだまま

空へと舞い上がる。

ものすごい速さで、上空まであがると

トルーヴィルの家が、まるでゴマつぶ

みたいに見える。


「さすがにここからじゃあ

助からないだろ

ぼくの勝ちだ」


レガリスが、そう言うと

勝ちほこったような笑みを

うかべながら、手を離す。

ライナーは、股間が冷えるような

感覚を、おぼえつつ


「うわぁーーー

あーッ

あーあ

なんてな」


腹を、空に向けた状態で

ジタバタして見せたが

落下は、していない。


「なん だと」


レガリスの顔が、サッと青ざめる。


「お前さ いつ俺が飛べないと

錯覚した」


そう言うと、ライナーはレガリスの

腕を掴み、勢いよく地面に

投げつける。

岩に、ぶつかり激しくバウンドする

レガリス

とどめと言わんか如くライナーの

右手から、ファイアボールが放たれ

レガリスに命中する。

地面が、へこむほどの衝撃と爆発音。


「やべ

思ったより激しいな」


地上に、降り立ちレガリスの様子を

見るが すごいスピードで回復して

いく。

そこに、メイナも近寄る。


「負けたよ ボクの負けだ

メイナは君にあげる

好きにしてイイよ

串さしにして喰っても」


「いや 喰うかよ」


ライナーは、真顔で つっこむ。


メイナは、ライナーに ピタッと

くっつき

2人で森の中へと、消えてゆく。

レガリスは、その様子を

ヒザをかかえた姿勢で

しばらく見て

メイナの笑い声や、甘い響きに

耳をふさぎ、視線を落とす。

ライナーは、ゆっくりとメイナを

堪能したのち

しばらくして満足げに森から

出てきて、傍らにメイナが

腕をからめ、恍惚の表情だ。

しかし、レガリスの姿は

もう、そこにない。


「俺は これからゴブリンの

集落まで薬草を持って行く

けど 道中が不案内なものだから

途中まででイイので

ついて来てくれないか」


ライナーが、そう言うなり


「もちろん どこまででも ご一緒

いたしますわ」


そう聞いてライナーは、いたずらっこ

のように、ニャッとする。


「それじゃあ行こう」


「はいっ」


光の、あまり届かない森の

獣道を、メイナのガイドで

進んでゆくと、徐々に広い

道となり、直進と左に分岐して

いる。


「ここを左に行けばゴブリンの

集落で 真っ直ぐ行くとポルムの

町よ」


メイナは、丁寧に案内をする。


「そう ありがとう」


ライナーに、礼を言われてメイナは

うれしそう。


「ここまででイイよ

一人で帰れるかな」


そう聞いて、メイナは不服そうに


「一緒に集落まで行きますよ」


と、言うが ライナーは まだゴブリン

を、生で見た事がないから


「メイナに なにか危険が

あるとイケない」


と、断る。


「そうですか」


メイナは、少し さみしそうに

納得する。


「なーに生きてたら また会えるさ」



ーーー4ーーーーーーーーーーーーーーーー


みなさん、ご覧の通り

『さやか』もとい『ライナー』が参考と

している男像は、元カレがベース

に、なっており

ライナーは、ろくでもない男を

呼び寄せる性質がある。

一番、まともだった元カレは

異世界ファンタジー好きな

男で、ライナーによくコスプレを

させていた。

次に、まともだったのは

とにかく、オレつええと言っていた

ケンカっ早い奴。

その他は、アウトロー と言えば

聞こえはイイ・・・

という面々だ。


「きっとゴブリンの集落でトラブル

が起きる」


ライナーは、身構えつつ早歩きで

進むと

粗末な、バラックづくりの集落が

見える。

放し飼いのニワトリが、異様な

気配を察知して騒ぎだす。


「おーーどーしたん」


ゴブリンの少年が、ニワトリに

向けている目を、ライナーに

向けなおす。

あまりにも、まがまがしき気配に

少年は、尻もちをつく。


「やッ やッ ヤッベーぞ」


ほうほうの体で、誰かを呼びに

ゆく。


「なんだ仲間を呼ぶって

あきらかに敵と見てるよな」


集落の入り口で、一旦 あゆみを

止め、様子をうかがうが


「まぁ 入んないと話も出来んよな」


と、腹を くくり 肩で風を切るように

ズカズカと、奥へ進入すると

ゴブリンたちが、大勢 集まってくる。

さらに、身構えるライナー


「ようこそ このような辺境の地へ

魔王さま」


と、老人のゴブリンが クチを開くと

ゴブリンたちが 一斉に頭を下げる。

やたらと、手慣れている雰囲気だ。


「まっ 魔王って俺が」


ライナーが、そう言うと

老人が


「なにをおっしゃいます

これでも この集落の長を

つとめる わしの目に

狂いはないと」


なにやら、とりこし苦労と

思い、ライナーはホッと安堵する。


「して この集落に何用で

おこしかな」


ライナーは、少し気分が良くなり

頭に、ステーキの絵が 浮かぶ。


「うん 新鮮な生肉を求めて」


「なんと生肉ですと・・・

すぐにでも用意させます

ささ早うせんか」


長の指示で、だいぶ ザワつく。


「まぁ 冷蔵庫とか なさげだし

しばらく待つか」


怒号や喧騒が、3分ほど続き

急に、ピタリと止む。


「こちらへ お越しくだされ」


長に、導かれるまま しっかりと

壁で、覆われた ワラ屋根の

建物に入る。

昼間なのに、薄暗い。


「そこのラグへ」


ライナーは、言われるまま座る。


「では これへ」


長が、合図を送ると

頭の右に、大きな白い花を

つけた女が、目の前に正座する。

すると、ロウソクが焚かれ

はっきりとまでいかないが

見えるようになる。

顔は、ゴブリンに全く見えない

ほど美形で、おまけにすごい

巨乳だ。

ライナーは、ゴクリと 息を 飲む。


「はい この娘を さしあげます

お気に めしましたでしょうか」


ライナーは、不思議そうな顔をし


「いや 欲しいのは生の肉で」


「はい どうぞお召し上がり

ください」


やっと、ライナーは 気付いたが

この娘は、生け贄として

差し出されたのだ。

通りで、悲しげな顔を見せている。


「いや そうじゃない」


「人数が たりませぬか」


「ゴブリンの肉を喰いに

来たんじゃねぇ」


その声に、驚きとも喜びとも

複雑な表情をする娘。


「君の 名はなんだい??」


その問に対し、娘は戸惑うように

長に視線を送る。


「答えなさい」


やや強い言い方をする長


「あたい ニパだよ」


ニパは、満面の笑みで答える。

ライナーは、少し心を 掴まれた

感覚になる。


「それじゃニパ

おうちにお帰り」


ライナーが、そう言うと


「ちょっと待った !」


長が、多少ピリつく声を

あげる。


「一度 さし出した娘だ

必ず引き取ってもらうぞ」


長は、なにかスイッチが入った

ように怒りだす。


「いや ニパも いきなり

じゃ そんな気分に

なれないだろ」


しかし、ニパは


「どうぞ よろしくお願い

しましゅゅ」


と、完全に その気だ。


「どうか 配下の末席にでも

加えてくだされ

もしくはガブリと」


「いや 喰わねえよ

こんなに かわいくて

スタイルも最高なのに」


それを聞いて、頬を赤くするニパ

二人の様子を、しげしげ見つめる長


「わたくしめも長く生きて

おりますゆえ 魔王さまが

おっしゃられる事も

わかりますぞ」


そう言うと、家を出ようとする長


「では 後は ごゆっくりと」


スーッと、ドアを閉め

広い、1部屋に 二人きりとなる。


「あっ と

まいったねハハ・・・」


「あたいの事 お嫌いですか」


「いや 好きも嫌いも今日

会ったばっかだし

顔は すごいタイプって

いうか

なに言ってんだ俺は」


ガバッと、ニパが ライナーを

押し倒し、無理やりキスをする。


「うるさいです」


ニパは、そう言うと また舌を

からめてくる。


しかし、その後 うるさいような

声を張り上げたのは、ニパの方に

・・・


小一時間ほどたち

ニパは、汗だくになり

肩で、息をしている。


「なんで こうなっちまった

んだろうな」


ライナーは、元気な股間を

見つめ、自身の元カレの顔ぶれが

浮かぶ。


「なんか 悪い所まで

マネちまってねえか」


そう、悲しみの表情になる。


「あたいは よかったよ

彼氏のより ゴツゴツで

気持ちよかった」


「ちょっと待て

彼氏いるんだ・・・」


なんで、確認しなかったと自分を

責めるライナー


「うん いたけど生け贄に

なる時 別れたから

気にすんな」


「いや 気まずいわ」


もう、シてしまった事だと

腹をくくる。


「元カレが聞いたら

大笑いだろうな」


ライナーが、つぶやく。


「えっ」


「ああ こっちの話だ」


ライナーとニパが家を出ると

外に 居た、ゴブリンたちが

一斉に拍手をして 祝福する。

ライナーは、若干の気持ち

悪さを感じたが、ニパは

満面の笑みでライナーの

腕に、しがみつく。


「えへへー」


ニッコニコのニパの顔を

かわいいと思いつつ

周囲を見渡す。

この中に、ニパの元カレが

いて、たぶん弱い方

つまりニパに、危害が

およぶかもしれない。

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