エルフの吟遊詩人は正体がバレる



ディアナはローブを深く被りまた北へ北へと進んでいった。

次の街にディアナがつくとそこには勇者の帰還で賑わい真ん中には勇者とその仲間らしき人物が歩いている。

ディアナは近くの椅子に座ってローブからハープを取り出しまた歌を歌った。



賑わう人々

美しい町並み

どんなに美しくても全てが造嘘で出来ている

でも全てが造嘘だと言っても輝きは薄れていない

その輝きで私がどんなに救われたことか

貴方は知らないだろうけど

安心して

私が今度は証明するから

貴方がいなくなった後には

世界は乱れているけども

安心して

決して壊れたなどいないから

まだ希望はあるから

貴方はこの光景を見て嘆くかもしれないけども

安心して

この世界はまだ終わってないから




ディアナが歌を歌い終わると勇者一行も足を止めディアナに注目が集まった

ディアナがいつも通り礼をすると拍手が喝采しディアナは薄くほほえみを浮かべた

ローブを被ったディアナを見て勇者の仲間の一人のエルフの少女が驚いてディアナに声をかけた



「も、もしかして貴方は長老様ですか!?」



いきなり叫び始めた少女に周りは不思議そうに少女を見ている

一方ディアナは女神のように笑っているだけ



「長老様、どこ行っていたんですか!?里の皆が貴方のことをずっと探していましたよ!?」



少女の叫びにディアナはローブを取り素顔を見せた



「ふふ、バレたかしら?貴方も大きくなったわね、ビジョップ」



ディアナはプラチナブロンドの長い髪を風になびかせエメラルドグリーンの瞳を少女に向け愛想笑いを浮かべた

少女と同じくディアナは耳が尖っておりその整った顔立ちをしている



「そんなことより里へ帰りましょう!皆が心配しております!」



そんなディアナと少女を見て等々勇者が間に入った



「ねぇビジョップ、いきなりどうしたんだい?」



「どうしたんだい?じゃありません!この方は私達ハイエルフの里の長老、ディアナ様なんですよ!?まさか知らないのですか?歴史書にも散々載っていらっしゃるのに!?」



少女の怒りに勇者一行はドン引きした。

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エルフの吟遊詩人は今日も歌う ちーずけーき @04110411

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