第3メシマズ (スタバのフラペチーノ)

南北新聞社にて


けった「・・・生まれてきたことを後悔させてやる」


後輩「けったさん!ネット広告の見過ぎですよ!復讐されますよ!?」


けった「ヒマだなー」


後輩「(ホントにやる気ないな・・・大丈夫なんだろうか?)」


上司「おい、けった」


けった「はい」


上司「メシマズだが、創造者が思いつかなくなった。今度はうまい飯で都帝新聞と勝負する事になった」


後輩「それだとまるっきり美味しんぼですけど、大丈夫ですか??」


上司「バレないようにやってくれ。今回のテーマは、『スタバのフラペチーノ』だ」


後輩「『スタバのフラペチーノ』で、どちらが美味いかを競うんですね?」


上司「そうだ。相手は同じく貝原雄山。審査員は東極億太郎さんだ」


後輩「それは前回、前々回と同じなんですね」


上司「うむ。やってくれるか、けった」


けった「・・・条件があります」


上司「なんだ?」


けった「後輩と福岡へ行かせてください」


後輩「???なんで福岡なんですか?」


上司「引き受けてくれるならお安い御用だ。よろしく頼んだ」


なぜか二人で福岡へ行くことになったけったと後輩。

果たしてけったと貝原雄山、どちらが美味いスタバのフラペチーノを作ることができるのか?


つづく


前回のあらすじ


三たび相まみえる事になったけったと貝原雄山。

今回のテーマは『スタバのフラペチーノ』。

対決前に二人はなぜか福岡へ。この先どーなる!?


東京駅にて


後輩「けったさん、どうして福岡に行くんですか?」


けった「・・・」


後輩「教えてくださいよ!あとなんで新幹線なんですか?」


けった「・・・」


後輩「あーもう!なんで何も教えてくれないんですか?」


けった「・・・迷わず行けよ・・・行けば分かるさっ!」


後輩「アントニオ猪木やっても若い子ついていけないですよ!」


けった「元気ですかっ!」


車内にて


後輩「(結局何も分からないまま福岡へ・・・。一体福岡に何があるんだろう?)」


けった「・・・元気があれば何でもできるっ!」


後輩「もうアントニオ猪木はいいですって!」


けった「・・・」


後輩「あーもう・・・。お腹すきました。おねえさんすいません、駅弁一つください」


けった「・・・アントキの猪木、これからどうするんだろう・・・」


後輩「駅弁うめぇー!」



福岡、到着



後輩「福岡着きましたけど、これからどうするんですか?」


けった「まず、観光だ」


後輩「観光ですか?観光でいいんですか?」


けった「いいよ。会社持ちだし」


後輩「分かりました。どこに行きます?」


けった「その前に荷物をホテルへ預けよう」


後輩「そうですね。どこに宿を取ってるんですか?」


けった「リッツカールトン福岡だけど」


後輩「リッツカールトン福岡!?い、いくらかかるんですか?」


けった「一泊15万だから、二人で30万だな」


後輩「か、会社は持ってくれるんですか!?僕お金ないですよ!?」


けった「勝てば大丈夫っしょ」


後輩「・・・勝ちましょう」


この後、二人はいろいろ観光して、夜は河太郎へ・・・


後輩「玄界灘でとれたイカはうまいですね!」


けった「まぁまぁ飲んで飲んで。今日は無礼講だよ」


後輩「ありがとうございます!」


2時間後


後輩「ホントにあのバカ上司が・・・腹立つな!」


けった「そうねぇ、分かる分かる」


後輩「世の中バカばっかりですよ!頭にくる!」


けった「そうねぇ、分かる分かる」


後輩「飲みすぎたかなぁ・・・でぇ・・・けったさん・・・

どうして・・・福岡へぇ・・・来たんですかぁ・・・?」


けった「・・・」


後輩「教えてぇ・・・くださいよぉ・・・」


けった「・・・」


後輩「・・・ZZZ」


翌日


後輩「・・・ハッ!頭痛い・・・今何時?9時か・・・」


後輩「けったさんと河太郎で飲んだ事までは覚えてるんだけど・・・」


けった「おい」


後輩「あ、けったさん。なんでスーツなんですか?」


けった「お前の分も持ってきてるから早く着替えて。向かうぞ」


後輩「向かうって・・・何処にですか?」


けった「・・・東極億太郎さんの実家だよ」


つづく


前回のあらすじ


福岡を堪能した後輩とけったであったが、本丸の目的は東極億太郎の実家だった。

東極の実家に一体何があるというのか!?


けった「ごめんください」


東極億太郎のお母さん「はい、あら、あなたが・・・」


けった「けったです。こちらが後輩です」


後輩「はじめまして。後輩です」


東極億太郎のお母さん「わざわざ東京からどうも・・・上がってください」


二人「ありがとうございます」


居間にて


けった「時間がないので、単刀直入にお尋ねします。

億太郎さんはチョコが好きと聞いたことがあるのですが、それは事実ですか?」


後輩「(そんなの初耳ですよ・・・リサーチしてたのか)」


お母さん「はい、あの子は昔からチョコが好きです」


お母さん「なんにでもチョコをかけて食べて・・・」


けった「分かりました。ありがとうございます。それでは失礼します」


後輩「し、失礼しますっ」


お母さん「お気をつけて」


福岡空港


けった「時間がない、急ぐぞ」


後輩「帰りは飛行機なんですね。福岡は東極さんの実家が目的だったんですね」


けった「ああ」


後輩「チョコが好き、って事はそれ系のフラペチーノにすればいいんですね?」


けった「基本的にはそうだ・・・が」


後輩「が?」


けった「もう一工夫必要だな」


つづく


前回までのあらすじ


福岡の東極億太郎の実家にて

東極がチョコが大好きという裏付けが取れた

けったと後輩。いよいよ貝原雄山とどちらがうまい

『スタバのフラペチーノ』を作れるか、いざ勝負!


司会「さあ始まりました!

最低のメニューvs論外のメニュー!

今回のテーマは『スタバのフラペチーノ』!

まずは先攻、後攻を決めます。」


けった「前回こっちが先に決めたから、

今度は貝原雄山、お前が決めてくれ」


貝原雄山「…フン、どちらでも構わん」


けった「ならこちらで決めていいのか?」


貝原雄山「構わん」


けった「ならば先攻で行かせてもらう」


司会「先攻は最低のメニューチームです!

審査員はおなじみ、東極億太郎さんです」


東極「ワシはマズいもんも好きだが、

うまいもんも分かる。楽しみや」


けった「それではこれをどうぞ!」


デデーン!


東極「これは真っ白な…」


けった「バニラクリームフラペチーノのベンティです」


後輩「(けったさん!チョコはどうなったんですか!?)」


東極「どれ、飲んでみるか…」


けった「ちょっと待ってください」


けった「このフラペチーノにチョコの

カスタマイズを何度でもかけられます。

『雪山に無限チョコフラペチーノ』です!」


東極「うほっ、ワシがチョコが好きなの知ってたんやな!好きなだけチョコをかけられるなんて幸せや!」


東極「うまい!うまいでぇ、けったさん!」


後輩「(なるほど、無限チョコか…考えたなけったさん)」


東極「ふぅ…幸せな気持ちでいっぱいや…

ありがとうけったさん」


後輩「(感謝された…これは勝ったな…

リサーチも完璧だったし、言う事なし)」


司会「最低のメニューの実食完了しました!

続いて後攻の論外のメニューです!」


貝原雄山「こちらはこれだ」


コトッ


貝原雄山「スタバのブレンドコーヒー、

ホットのショートだ」


一同「!?」


前回のあらすじ


三度先攻で繰り出したけったの

『雪山無限チョコフラペチーノ』。

チョコ好きの東極億太郎に大ヒットで一歩リード?

しかし後攻の貝原雄山が出したのは

フラペチーノではなく、ホットのブレンドコーヒーで…?


後輩「貝原雄山!どういうつもりなんですか!?

スタバのフラペチーノがテーマのはず!

反則じゃないんですか!」


貝原雄山「まあ待て。審査員の様子を見てみろ」


東極億太郎「こ、これ…飲んでもええか?」


司会「けったさん、

東極さんに飲んでもらってもよろしいのでしょうか?」


けった「…構いません」


司会「では論外のメニュー、実食開始!」


東極億太郎「このうまそうなコーヒーの香り…

ゴクッ…一口飲むと伝わってくる旨味…

甘ったるい口を清めてくれる味…ちょうどいい量…

まるで天国や…」


司会「実食終了!それでは審査に移り…」


後輩「ちょっと待ってください!

貝原雄山はルール違反で失格じゃないんですか!

フラペチーノじゃなかったじゃないですか!」


貝原雄山「確かに」


貝原雄山「だが考えてもみろ。

1日に2杯、立て続けにフラペチーノを

飲む輩がどこにいる?それを強いるのが正しいのか?」


貝原雄山「そしてけったよ、なぜ自分のサイズを

ベンティにした…?飲む者の事を考えたのか?

まさか先攻で腹一杯にしたら勝てると

思ったのではないのか?」


けった「…」


貝原雄山「だとしたら結局お前は

相手の気持ちを考えてない…

私利私欲に走ったと言われても何も言えない」


けった「…」


貝原雄山「加えて言うならスタバで

一番うまいのはブレンドコーヒーだ。

フラペチーノは邪道。

相手の好きなものを出すのは二流。

本当にうまいものを出すのが真っ当だ」


後輩「どんなに言い訳しても反則は反則ですよ!」


貝原雄山「それは審査員に任せるしかない…」


東極億太郎「もうええ。結論は出とる」


東極億太郎「けったさんのフラペチーノ、

本当にうまかった。だが、貝原さんのホットコーヒー、

食後に最高やった…」


東極億太郎「貝原さんの方が上や。

だがルールは守らんとな。よって、けったさんの勝ちや」


司会「今回は最低のメニューの勝利です!」


後輩「や、やった!初めて貝原雄山に勝ちましたよ!

けったさん!」


けった「…」


司会「それでは今回は以上となります」


帰り道


後輩「けったさん、勝ったのに

浮かない顔をしてますね…

ちょっと後味悪い勝ち方ではありましたけど…」


けった「…」


後輩「まぁでも次あるなら圧勝しましょう!」


けった「…ロンギヌスの槍って1本だったら折れるけど、

3本あったら折れないのかな?」


後輩「(あ…全然違う事考えてる…)」


けったは、真の意味で貝原雄山を超える事ができるのか?


つづくかも



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不美味(まず)しんぼ ~最低のメニューvs論外のメニュー~ けった @ketta1111

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