男女の愛は、「砂上の楼閣」みたいなもの。

然れど、西さんが作品で描くさくらの世界は、自然美や人生の哀歓を伝えてくれ、日本人が愛でる「心の美学」

「また、今年もここに来られた。来年も来られたらいい。夫といっしょに。
一瞬いっしゅんをこころに留めて、幻を抱きながら生きていこう」

この言葉に、『しまこワールドの愛』は年代を超えて満開となり、儚き美しさを言い尽くしているのかもしれません。
公園に続く坂道に散りゆくさくらの舞、水にただよう花筏と共に、ふたりで生きれる喜びを感じてしまう。わずか1,073文字でこんな世界を描けるのは、感無量となります。ありがとうございました。