人助けという名の運命

「もう1年終わるのか」


時期は1年生最終日であり、春休みに入っていく日、

つまり終業式だ。

 回りを見渡せば皆春休みの計画やこれから遊びにいく約束など、結構テンションが上がっている、

まぁ、俺もなんだけど!それに人助けもしていきたいし積極的に外に出よう。


「おーいこれから皆でカラオケ行くけど来るよな?」


早速クラスの友達からお誘いが来た。


「おう、いくいく~」


「じゃあ駅前のとこでいいよな?」


「おっけー」


それから終業式で校長先生からの長いありがたいお言葉をいただき、それからホームルームで成績表などを貰い、早速友達とカラオケへ向かった。


「最近どうなんだよ?」


海斗が話しかけてくる。


「人助けは順調だぜ、それに人助け始めたおかげで健康を意識できるようになったしな」


「なんだそれ笑」


あれからもちょくちょく人助けをしているがこれといった成果はなし。

 もう最近は単純に人助けがしたくてしてるまであるほとだ。

 人助けした後は気分が良くなるっていうけど本当にその通りだと思う。


「おい、あれなんかトラブってね?」


海斗が何かに気付きそんなことを言ってくる。

 確かにそちらの方向を見るとなにやら女の子を男が数人で囲んでるようだ。

 俗に言うナンパという類いのもののようだ。


(俺あぁいう系統のやつは苦手なんだよな~)


心の中ではそう思っていてらいつまでも経っても彼女なんてできっこない。


「いくしかないか~、なんかあったら通報頼んだ」


「任しとけ!頑張れよ!!」


意を決してそちらの方向に歩き出す。


「なにか揉め事ですかね?」


「あ?なにお前?今この子と話してんだから邪魔すんなよ」


(この人達めっちゃ圧力かけてくる、すっげぇ怖いんだが?)


だがここまできて引くわけにもいかず話を続ける。


「でも彼女困ってるようだしあんまりぐいぐい来られても怖いと思うんですよねぇ」


「お前に関係ねぇだろ引っ込んでや」

 

「いや、そういうわけにもいかないでしょ、その人明らか困ってるし、このまま続けるなら後ろの友達が通報しますけどそれでもいいなら続けてください。」


少し後ろの方にいる海斗がスマホをひらひらと相手に見せる。


「ちっ、しらけたわ。もういこうぜ。」


ふぅ、一応追い払えたみたいだ。さすがに今回は怖かったな。海斗が一緒じゃなきゃ無理だったし、それより今は女の子の心配か


「大丈夫だった?」


そういって言葉をかけた拓也は固まった。

 女の子に目をやると少し小柄ながらもスラットした体型、相当手入れされているであろう長く艶々とした髪の毛、とても大きな目。


(すげぇ可愛いな、こりゃナンパにも会うはずだわ)


そんなことを思っている間も女の子のからの返答はなくただこちらを上目遣いで見つめてくる。

 可愛い女の子の上目遣いほど破壊力のあるものはないんじゃないだろうか。

 

「とりあえずなにもされてないようでよかった!じゃあ俺はこの後予定あるから気をつけて帰ってね!」


そういって拓也はその場を去ろうとする。


「あ、あの!」


その場から去ろうとする拓也を女の子が呼び止める。


「今回もまた助けていただいて、本当にありがとうございました!」


そういって女の子はこちらに頭を下げてくる。


「ん?また助けた?」


必死に記憶を探ってみるが全くもって心当たりがない。人間違いなのだろうか。


「受験の時に筆記用具を貸していただいたんですけど、覚えてないですか?」


「え、、あっ!あぁ!あの時の!」


まさかあの時の子だったとは、、、全く分からないほどに見違えっている。いわゆる高校デビューというやつだろうか。

 

「なんというか、見た目がだいぶ変わったね」


「そうなんです!実は最近好きな人ができて、でもその人とは前までの私だと釣り合わないと思って、少しでもその人の隣に立っててもいいっていう自信が欲しくて、そのために慣れないお洒落も頑張ってるんです」


「そんなに一途に思ってくれる人がいるなんて、その人は幸せだなぁ」


「そう言って貰えて嬉しいです、、あのっ!私って可愛く見えてますか、?」


「そりゃもちろん!可愛いと思うよ!」


唐突に聞かれたものだから不器用な褒め方になってしまう。


「そっか、可愛いって思ってくれてるんだ、、

えへへ、よかった~」


そう言って彼女は頬を染めながら喜んでくれる。


「好きな人と結ばれたらいいね!それじゃ俺はこれくらいで、気をつけて帰ってね」


「はい!頑張ります!あっそうだ名前まだ言ってなかったですね、私は関川愛娘っていいます。」


「俺は井上拓也。それじゃまた機会があったら

会おうね!」


「はい!それじゃまた!」


それから愛娘と分かれ当初の予定だったカラオケに向かう。

 それにしてもあんな可愛くてひたむきに努力できる子にすかれる男とか、人生勝ち組やんか。

 あー俺にもなんか巡り合いがないかなぁ~


「神様~僕は必死に努力してますよ~ちょっとはいい出会いくれてもいいんじゃないですか?」


「なにいってんのお前、こわ。」


「ごめんつい心の声が漏れちまった」

神様。本当にお願いします。





あとがき


更新がとても遅れてしまいすいませんでした。

 色々と予定が重なってしまいなかなか執筆活動出来ませんでした。

 これからはなるべく早いペースで更新出来ればと思っています。

 今後とも楽しく読んでいただけたらと思います。

 それではまたお会いしましょう



 





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日々彼女が欲しいと嘆いている俺が下心で人助けをした結果ヤンデレな彼女ができた件 板チョコ @kotaika

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