第29話
白蓮には、
「白蓮、あの子にはやはり神格があるようだ」
秋麗は修練に励んでいる涼悠を見て言った。
「そうです。それだけに心配です。その力を今の涼悠には使いこなせない」
それならば、
生まれ変わった
修行を終えた頃には、涼悠は見違えるほど立派に成長した、と白蓮が思ったのは、親が我子を溺愛するような
「秋麗様、ありがとうございます」
と白蓮が心を込めてお礼を言うと、
「まるで父親のようだな」
秋麗は笑いながら言った。
そしてまた、白蓮が下界へ降りた。それは、涼悠と出会ったあの日。
死霊の群れが都を襲っていることを知り、白蓮は真夜中の
白蓮は、これまで天界で彼を見守り、時折、下界へ降りて来ては見守っていたが、こうして彼を目の前にして真っ直ぐ見るのは初めてだった。そして、彼もまた白蓮を真っ直ぐ見つめる。その顔が月明かりに照らされると、白蓮ははっと息を呑んだ。正に
次の日には宮殿で再び涼悠と会い、その後二人で民への奉仕へ行くこととなった。徐々に涼悠の善良さが分かると、やはり
一緒にいられる時間はあっという間に過ぎて、白蓮はまた天界へ帰らなければならない。別れが辛く、身が引き千切られるような思いだったが、
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