第10話 なろう転生 あるピーマンな忍者さん その10

いつもの仕事をこなし、いつもの時間に無事帰宅。


配信用のPCを立ち上げながら、ピーマンでの異世界での体験について、触れるべきかどうかを悩んでいる。


ピーマンのスキル等の会議?に参加してたのは、ウチの配信にはほぼ確実に来てくれている、四人の常連リスナーさん達。

今日これからの配信にも多分、来てくれると思う。

得難い体験をさせて貰ってるし、その切っ掛けになった四人のリスナーさん達には、当然にお話をしたい。

でも、それ以外のリスナーさん達に聞かせるには、ただの痛い子認定されることは確定だし。


どうすべきか考えながら、起動していくPCの画面を見ていたら、画面中央に他のアイコンより一回りデカイファイルのアイコンが。


え?ウイルス?!ってビックリしながらポインターを合わせると「異世界転生関係アイテム」っと表示が出た。


は?ウイルスで無くて、「異世界」の管理者ってか神?からの何かのメッセージ?


クリックしてみると、中には更に幾つかのフォルダーに分かれている様で、「最初にお読みください」ってフォルダーが先頭にあった。


「この度は「異世界転生」のテストケースにご協力頂き感謝致します。

被験者ピーマン様並びに、スキル等の事前会議に出席頂いた方々に、この「異世界転生」での活動経過報告等に使えるアプリをご用意しました。それぞれのフォルダー内に使い方をご案内していますので、詳しくはそれぞれのアプリのドキュメントをお読みください。

これからもご協力の程、宜しくお願いいたします。」


結構親切だな、あの神様?直接会ったことはないし、どう呼称すべきか悩むけど、とりあえずは「神(仮)」ってことにして、用意してくれたアプリとやらを見てみよう。


「異世界転生 グループミーティング」

「異世界転生 ピーマンの活動ダイジェスト」

「異世界転生 今後の意見箱」


この三つが入っているらしい。

まぁ名称だけでどういった物かは想像は付く。


「グループミーティング」のドキュメントを読んでみると、


「招集権限者 ピーマン がアプリを起動すると、会議の参加者に自動で通知され、それぞれの参加者が任意でルームに参加し、ボイス及びチャットにて交流可能なルーム。招集権限者がアプリを使用していない時は、他の参加者はアプリ起動不可」


ウチが声かけない限り、開けない「チャットルーム」か。

これなら痛い人扱いされずに、あの四人にだけ異世界の話が出来るので助かる。


「ピーマンの活動ダイジェスト」のドキュメントには、


「ピーマンの現地での活動ダイジェストを動画でお届け。ピーマン本人だけでなく、会議に参加された方々が、各々好きに再生可能。ただし、本人や参加者以外の視聴は不可で、コピーや外部漏洩等も出来ません。」


動画のファイルが11個あったので、一日を一つの動画にしてるみたい。

動画の尺は初日のみ1時間くらいで、あとは10分前後で編集されてる。

ダルマの遭遇・戦闘した日のだけ15分と長い。

今は配信開始が迫ってるので、あとで観ることにしよっと。


「今後の意見箱」には、


「今後ピーマンの活動に対する要望や意見。追加で付けたいスキルなどを、ピーマン本人・会議参加者どちらからでも、好きに書き込み頂けます。採用・実装されるかは保証いたしません」


まぁこれもそのネーミングのまんまだね。

ウチからの要望ねぇ・・・。

ちゃんと楽しんでるし、生活水準はどうにも出来ないし。こうして自由に行き来させてくれるし、今んとこ不満・要望は特にないかな。



っと、そろそろ配信開始の時間だ。

異世界のことは一旦置いておいて、ウチとしてはホント久しぶりの配信だし、気合入れてやってきましょう!


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なろう転生 あるVさんの転生 @ci5

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