第67話 俺が選んだ小悪魔は………

日曜日の23時!?


それってシルさんが指定してきた時間と同じだ。


奇しくも未知とシルさんのどちらかを選ぶ時間が重なった。


ほんとうにどちらかしか選べない2択を突きつけられた。


もちろんどちらかを選ぶつもりはあるのだが

まさかの状況に困惑してしまう。


「わかった。もう未知につらい思いをさせないためにも真剣に考える」


「うん。期待しないで待ってる」

未知らしい答えだ。

強がるけど本当は俺のことをずっと考えてくれているにちがいない。


「その日まで部活やすんでいい?真剣に考えたいんだ」


「いいよ。みんなには私から言っておくから」


そして部活を切り上げて自宅に帰った。

その日から自宅と学校の往復だけだった。


未知は俺が体調が戻らないという理由で部活に来ないようにと言ったとみんなに伝えたそうだ。


くるみや杏子先生からは声を掛けられた。

あかねちゃんは休み時間ごとに俺の様子を見に教室をのぞきに来る。

あかねちゃんは小説家だけあって粘り強いのか、はたまた粘着気質なのか。

ストーカーの才能がありそうなレベルだ。

あかねちゃんからは毎日電話がかかってくるが

逆にそれが良い息抜きになって頭がリセットされた。


そしてついに日曜日当日、俺は覚悟を決めていた。


もう片方とは今後関係を絶つことになる。

それは仕方ない。俺の気持ちと相手の気持ちを考えたらはっきりさせた方が良い。


日曜日、22時30分、俺は自宅を出る。

そして向かう先は……


歩いているともうどちらかに決めたはずなのに

走馬灯のようにシルさんとの出会い、未知との思い出が駆け巡る。


そしてくるみ、杏子先生、ももさん、あかねちゃんとの出来事も同時に思い出す。


激しい数ヶ月だった。

覚悟を決めるとそれも楽しい思い出だったと思えてしまう。


今日は夜風が涼しい。

雲が無く、月明かりがきれいにこの町を照らしている。


俺は晴れ晴れとした表情で月を眺めているに違いない。颯爽と歩き続ける。



・・・・・・・・・・・





・・・・・・・・・・・





・・・・・・・・・・・





・・・・・・・・・・・




そして着いた………









「ピンポーン」


ガチャ、


そこには未知が立っていた。


未知の目は涙であふれていた。


「未知...」


「じょうくん...」


未知が俺に抱きついた。


「すき、すき、すき!じょうくん」


未知は感情があふれ出していた。


「俺も好きだよ。未知」


俺が選んだのは未知だった。


俺は部屋に入った。

そして未知にキスをする。


未知もそれに答える。


よほどうれしかったのだろう、未知は何度も俺の顔をみてキスをする。


こんなに感情をあらわにする未知はかわいい。


おれはいますぐ未知を抱きたくなった。

未知の洋服を脱がそうとする。


「待って、じょうくん。久しぶりにお話ししたい。だって最近お話ししてなかったでしょ。

 今夜はお姉ちゃん帰ってこないから、ね?」


「もちろんいいよ。おれも未知と話したい。

 あっ!俺ゴム持ってきてない。ごめん」


「じゃあ、お姉ちゃん持ってるからそれもらっちゃう」


「いいの?ばれない?」


「ばれてもいいの。お姉ちゃん優しいから

 逆に喜んでくれるかも。ちょっと待ってて、取りに行ってくるね」


「うん」


未知が不思議そうな顔をして戻ってくる。


「いつもお姉ちゃんの棚にゴムあったんだけど

なくなってた」


「お姉ちゃんが持って行ったんじゃない?

 聞くところによるとお姉ちゃんモテそうだしね」


「モテるのは間違いない!ファンクラブまであるしね」


「お姉ちゃんどれだけすごいの!?ファンクラブって。そんなかわいいなら早くあってみたいな」


「こら~!」

未知が俺の両ほおをつねる。

それがまたかわいい。


「ごめんごめん。俺が好きなのは未知だから」


「よろしい。じゃあ、一緒にゴム買いにいこっ?」


「いいの?」


「だって私だってじょうくんとしたいし...」


(かわいい!もじもじして恥ずかしそうに言うその様がそそる)


「ちゅっ」

未知のおでこにキスをした。


「じゃあ、一緒に行こっか」


夜道を2人で歩くのもまた新鮮でいい。

夜散歩はこんなにもウキウキするなんて知らなかった。


手をつないで、たわいも無い話をして歩く。

これがしあわせってやつかと肌身に染み渡る。


家に帰ったらもう24時前だった。


「だいぶ外で話しちゃったね。涼しくてもちょっと汗かいちゃった」

未知は手で自分の顔を扇いでいる。


「うん、すごく楽しかったよ。もうちょっと話す?」


「ううん。シャワー浴びてきていい?」


ごくっ、シャワーという言葉にその先を想像してしまう。


「俺も浴びた方が良い?」


「ううん。どっちでもいいよ。私が浴びたいだけだから。だってじょうくんにたくさん触って欲しいから」


なんてかわいいんだ、未知は。

早く抱きたい、そう思わせられた。


「じゃあ、未知が上がった後、浴びるね」


未知はお風呂場へ入っていった。


もちろんおれはドキドキが止まらない。

ついに童貞を捨てるときが来た。

それも未知とだ。


シルさんのことは頭に浮かぶが考えないようにしていた。

それでも携帯に着信が入ってないかは見てしまう。

入ってなかった。なぜか安堵する。


ガチャ、お風呂の扉が開く音がする。


未知がバスタオルにくるまれて出てくる。

髪の毛が濡れていてすごくかわいい姿だ。

未知のきれいな肌白い足がふとももまで見えている。

鎖骨もきれいだ。


「じょうくん、終わったよ。浴びてきて良いよ」


「未知、キスしていい?」


「どうしたの?急に」


「お風呂上がりの未知がかわいすぎて...」


「いいよ。おいで」


・・・・・・


「んっ。うっん。」

未知が声を漏らす。


バスタオルの下は裸。未知のお尻に手が当たる。

バスタオル越しに触るお尻はまた違う感触だ。

未知の胸も俺に当たっている。

俺の手は未知のお尻や背中を触り続けた。


「あっ、ん、」

未知の声も少しずつ大きくなる。


「じょうくん...... 抱いて...」


「うん」

シャワーを浴びる余裕なんて無い。

目の前の未知を抱きたい。


「未知、バスタオル取るよ」


「うん...」


パサッ、バスタオルが床に落ちる。


未知の透き通ったような透明な肌が現れる。


白い素肌にツンと張った胸。

乳首も鮮やかなピンクでツンと立っている。

下の毛は薄めだ。白い肌の方が目立つ。


「そんなに見ないで...恥ずかしいから」

未知が恥ずかしそうに俺に抱きついて見せないようにする。


「じょうくん、お布団、いこっ」


その時だった。


ガチャン!

後ろの方から扉の開く音がする。


俺の後ろの玄関からだ。

未知が急に俺を強く抱きしめて離さない。

身動きがとれない。


「あっ!ごめん。未知」

後ろから声が聞こえてくる。


「お姉ちゃん、今日お泊まりだっていってたじゃん」


「ごめんごめん、彼氏が来てたのね。お姉ちゃん外で泊まってくるね。

 彼氏さんもごめんなさい。

 あっ、未知。ゴムある?わたし持って行っちゃったから」


「もういいからお姉ちゃん、出てって」


(えっ!この声......)

俺は見ちゃいけないと思いつつも振り返ってしまう。




「えっ!? じょうくん………」


「えっ!? シルさん!」


………………


「ええっ!お姉ちゃん??シルさん??」




そしてここから奇妙な三角関係が始まる......




-------------------------第1章・完------------------------





……………………………


1章までお読みいただき、

本当にありがとうございました♪


感謝しかありません☆


続きは改めて投稿する予定ですが

まずは新作の『まりさんとぼく』(略)をこれから投稿させていただきます。


よろしければ新作を貼り付けておきますのでご覧ください。

エロは少なめのコメディ強目のラブコメです!


https://kakuyomu.jp/works/16817330657062922934/episodes/16817330658134394808


僕の小悪魔をご愛読いただきありがとうございました♪


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俺が好きになったのは1人の素敵な小悪魔なのに、俺のことを好きになるのは大胆な小悪魔たちばかりだった Rui ji 6 @Analogy6ofIQ114

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