第237話 エピジェネティック・クトゥルフーモンスター

 後日っていまさ!

 ということで、先日先送りにした獲得形質が遺伝しているように見える話


 『第233話 ラマルキズム的生命体』

 https://kakuyomu.jp/works/16817330655235177535/episodes/16817330667194936540


 進化論系のお話の界隈では有名なのですが、エピジェネティクスというのがありまして。

 DNAそのものは変わっていないのに、そこにちょっと修飾がついたりつかなかったりで生物の性質としては大きく変化する、という事があるのですね。

 有名なところだと、バッタの移動相。

 白っぽくて羽は短め、そのかわりジャンプに使う後ろ足は大きいバッタが、過密な状態で育つと黒っぽくて羽が長く、後ろ足が小さい形に育つのです。

 そしてこのジャンプより飛行が得意な形態のバッタが大群となって移動して、ルート上のあらゆる植物を食い荒らすのが蝗害。日本ではほぼ無いですが、地域によっては飢饉を引き起こし、多くの人死にの原因になる事もある災害です。

 まあ、獲得形質が遺伝しているというよりは、状況に応じて複数の相を切り替えられる生物が選択されてきただけじゃないかという気もするのですが、それはさておき。


 創作的には、「これまで知られていた生物が、環境が変わった瞬間いきなり違う能力を持ち始める」というのが面白いのではないかと。

 人間を対象にしても良いのですが、ふと思いついたのがイカ・タコなどの頭足類。

 イカ・タコは脳も眼も発達しており、「宇宙から来た」なんて説も割と真面目な研究者から出てくるレベル。

 ならばそもそもイカ・タコは宇宙を移動できる生命体であり、我々が見ているのは一時的に地球に住むための地球生息形態なのではないかと。


 そして、タコと宇宙と言えば出てくるのがクトゥルフ神話の邪神クトゥルフ様。

 「死せるクトゥルフはルルイエの館にて、夢見るままに待ちいたり」

 という定番文句があるのですが、これも

 ・イカ・タコの宇宙移動形態であるクトゥルフは現状では存在しない=死んでいる。

 ・しかしその地球生息形態であるイカ・タコはいるので、環境変化で再び宇宙移動形態のイカ・タコが生まれるのを待っている

 と解釈することが可能。


 まあ、どういうお話にしていくかが問題ですが……

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