第233話 ラマルキズム的生命体ーストーリー
20世代1500匹以上もネズミの尻尾を切り続けた科学者がいます。
ここだけ取り出すと、すごくマッドサイエンティストっぽいですよね。
やったのはアウグスト・ヴァイスマンというドイツの生物学者です。
彼は別にマッドサイエンティストだったわけではなく、獲得形質が遺伝するというラマルキズムへの反証として理性的に実験を行ったのです。
ラマルキズムとは、獲得形質が遺伝するという考え方。
例えば、キリンの首を例にとると、
キリンの先祖は首が短かったけれど、高い所の葉を食べようとしていつも首を伸ばしていた結果、首が鍛えられた。
それがその子供にも伝わり、子供もまた首を伸ばして鍛えられ、さらにその子供が……と繰り返した結果、現在のキリンは長い首を持つように進化したのだという説です。
ヴァイスマンはこれへの反証として、何世代もネズミの尻尾を切りつづけても、子供の尻尾は短くならない事を実験で示したわけです。
まあ、ラマルキズム的には生物自身の意思が大事とされているのでヴァイスマンの実験で完全に反証できたわけではないのですけどね。
獲得形質が子供に遺伝するかどうかは、基本的に現在では否定されています。ちょっと近いものはなくも無いのですけど、それはまた後日のネタに。
一人目の子供を作る→鍛えてマッチョになる→二人目の子供を作るとした場合に、一人目がひょろくて二人目がマッチョになるかと考えると、必ずしもそうではないんでないかと。
現実には否定されてるからこそネタになるわけで。ラマルキズム的生命体、つまり経験や鍛えた結果が子供に遺伝する生命体を育てて行く話とかどうだろうと。
例えば馬のようにしようとするなら、人が乗って走らせる事を何度も繰り返してから子供を作らせると、人を乗せて走ることが得意な子供が生まれると。
乗るのに失敗した状態で子供を作ると、人間を振り落とすのが得意な子供が出来てしまったり、とか。
太歳のようにただ増えるだけの肉塊にして食料問題の解決を図ったり、飛べるようにしてみたり。
小説よりは、そういう育成ゲーム向きな気がしますね。
あるいは既に管理下を離れてしまった危険個体がいて、倒せないまでもせめて大きな手傷を与えて次世代の脅威度を下げることを続けて少しずつ弱らせて根絶するような話も出来るか……いや、弱らせたらそのまま倒す方が普通か。
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