第228話 珍問・奇問ーストーリー

 以前、歴史のテストで「ヒエログリフで自分の名前を書きなさい」という問題を出した先生がいたことを書きました。


『第218話 他人の経験』

 https://kakuyomu.jp/works/16817330655235177535/episodes/16817330666307713400


 色々思い返すと、中高一貫校時代のテストは色々変わったものが多く。

 数学教師は、方程式の文章題に出てくる人物に本人や生徒のイニシャルを使ってみたり。

 どうしてバイクで山籠もりに行き、なおかつそのまま降りてくるんですか……


 生物教師にいたってはポケモンを出しました。

 しかし、悲しい事に当時ポケモン未プレイだった私。

 有名ポケモンの外見と名前ぐらいはいくつか分かるものもありましたが、「おつきみやまで入手できる2種類のポケモンのうち~~」なんて記述問題には手も足も出ず。

 流石に保護者から抗議を受けて謝罪してましたが、生徒の方はポケモンを生物学的に考えるという視点が結構ウケていました。

 この教師、入試を作った時には「アゲハチョウの羽の模様をかけ」という問題を出した人でもあり。

 『生物という科目は教科書や参考書を丸暗記するのではダメだ。目の前のものをしっかり観察し、考えないと』という信念は正しいと思うのです。

 流行っていたとはいえ全員がやっているわけでもないポケモンを出すことの是非はさておき。


 試験というのは、試験作成側が求めている能力を受験者が身につけているかを知るために行われるもの。一見珍問・奇問でも『その問題でなければ、欲しい能力を受験者が身につけているかを評価できない』という理屈があるなら実は良問だと思うのです。

 逆に言えば、受験者は単に知識を吐き出すのではなく、『試験作成者が何を求めているか』を推測しそれに答えるのが大事。これは仕事での顧客対応でも応用が利きます。


 創作だと、特殊な学校、例えば魔法学校だとかがよく出てくるわけです。

 そういう特殊な学校を舞台にしたとき、試験というイベントを入れるなら、こうした珍問・奇問をいれて、その奥にある『試験作成側の思想』を見せていくのも良いのかなと思います。

 商業作品だと、『HUNTER×HUNTER』のハンター試験編的な感じか。

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