各話解説:31話から40話まで
第31話
魔物や災害がどのような扱いであるか、改めて語ることでラストへの伏線とする。ゴルドとギルドマスターの会話はお気に入り。死亡フラグめいたことを話しているが、実はこの時点では最終決戦でゴルドを死なせる案もあった。
第32話
冒険の準備でさらにもう一話を費やす。早くバトルが見たい読者にはじれったかったかも知れないが、こういうシーンは好きなのでなるべく書き込みたい。26話でも触れたが、魔術師にとっての腕輪が鎧並の防具というのは、『D&D』のブレイサー及びそれをもとにした『FF1』の腕輪系を意識したものである。
第33話
ようやく本格的な冒険開始。エレナが魔術師として、戦いだけではない魔法と、飛竜の血の神秘を見せる。イザのことを「先輩」と呼ぶシーンがやっと書けた。火吹き虫との戦いはコンビネーションだが、正直キャラが多すぎたと思った。ここまで書いたら引き返せないけれど。
第34話
ついに1話の舞台であるエルフの里に戻ってきた。改めて伝承について復習する。ここからはクライマックスに向けて一気に書き上げたシーンであり、読者に対しても一気に読んでほしいと思っている。
第35話
いよいよラストダンジョン。ゲームだと敵がうじゃうじゃいそうだが、理屈付けがしづらいのと書くのが大変なことを理由に、前座バトルが1回あるだけ。作中では唯一の対アンデッド戦なので、祈りによる退散(ディスペル)や回復魔法によるダメージ、聖水による清めなど、聖職者らしいシーンを多めに書いた。
第36話
ついに神様が降臨して最後の答え合わせをする。「あなた方に大地の恵みと祝福を!」というセリフ、ゲームだと味方が全回復しそうなので、そういう描写を入れようと思ったが陳腐なのでセリフだけにした。なお第4話で「三大神」に言及したのだが、結局出す機会がなかった。一応、鳥の姿の太陽神と、魚の姿の海洋神をイメージしていた。
第37話
いわゆる最終決戦。これについては「戦闘シーン解説」で語った通り。エレナの大呪文は詠唱のセリフを入れたほうが盛り上がったかも知れないのだが、これを書いていた時は考えるよりもとにかく物語を進めたかった。そのくらいの勢いを感じていただければ。最後のセリフは第1話の冒頭のリフレイン。
第38話
普通に脱出するだけではつまらないので一捻り加えようと思ったら急速に降ってきたというか、神がかり的な勢いで書き上げてしまったシーン。『ウィザードリィ』の呪文ロクトフェイトが元ネタだが、記憶喪失からの胎内回帰というのは普遍的なモチーフでもある。記憶の復活にはもう1話くらい費やしてもよかったかも知れないが、続きを書きたくて仕方なかったのである。
第39話
大団円。トムが仲間たちの名前をそれぞれ呼ぶことで、記憶が完全に戻ったことを印象づける。アランへのセリフはもちろん第1話を意識したもの。なおトムの《帰還》ではエルフの里などに直接戻ることも出来たが、すぐ近くに出たのは仲間を心配させまいと早く合流したかったのと、距離が長くなるほどリスクが高まることを恐れたため。仲間たちからトムへの気遣いもそうだが、お互いを尊重しあっているのである。
第40話
エピローグ。結婚式の参列者はカーテンコールでもある。エルフ達からの手紙は「祝電」のイメージ。旅立ちの前に聖印を返してもらうシーンは非常に気に入っているが偶然の産物というか、第8話で返上した時点では伏線のつもりでもなんでもなかった。トムは名実ともに聖騎士の立場を受け入れて、ライラとの日々は続いていく。
「トムとライラの道中記」打ち明け話 矢木羽研(やきうけん) @yakiuken
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