花のように

鈴ノ木 鈴ノ子

はなのように

花が咲き誇る。


出会いの場で、別れの場で、


柔らかな陽気を纏い、柔らかな陰気を纏い、


花々の色は様々で、形も様々で、


それでも一輪、澄んだように、澱んだように、花開く。


やがて、季節は巡り、花びらは記憶の底へと散ってゆく。


積もり積もった花びらは、時より記憶の彼方から風に舞っては脳裏へと映り込む。


花びらに想いを馳せて、反芻し、そして前に進んでゆく。


花のように自由な向きの前へ。


前後左右など関係ない。


向いた先が前である。


進む道は自由なのだ。


だが、道の途中で自らを枯らしてはならない。


枯らすくらいなら、別の前に向かうのが良い。


花の数ほどに道は沢山あるのだ。


あなたが花のように咲く道はあるのだから。

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花のように 鈴ノ木 鈴ノ子 @suzunokisuzunoki

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