死の間際まで一緒にいたのに心は通わない
- ★★★ Excellent!!!
短編集なので他にも作品はありますが『ガラスの雨』についてレビューします
この作品は、孤独と荒廃した世界を描いています。物語の中心には、寝たきりの硝子とロボットの存在があり、避難所で生き延びているものの、食料が尽きているため絶望感に苛まれています。
大きな戦争があり、その結果として世界は汚染された。硝子が目の前に広がる真っ黒な空を見つめる場面は、硝子の心の中に広がる虚無感や希望のなさを表現しているのかもしれない。
硝子は空しか見るものがなく、他の生存者との接触や救いを求めていますが、それは長い間果たされることはありませんでした。
作中で登場するロボットは、かつては避難民を助けるために作られたものですが、時間の経過とともに劣化が進んでいます。それでもなお、ロボットは硝子のために食料を探しに行き、硝子を支えようとします。しかしそれは機械的な作業の一環で心があるわけではありません。
ロボットは硝子ノ好キナ桃ノ缶詰を持って来たけど死は理解できないみたいだった。ただガラスの雨がザリザリ音を立てて降ってるだけ。
作者様がどんな気持ちでこの短編を書いたのか自分には到底理解できていないかもしれませんが、文章を好きになるのに長短は関係ないのかなって思える作品でした