ある人の人生は幸か不幸か

@akasakayuki

第1話 僕の人生は勉強の中にある



何気ない日常とは平穏。

朝はギリギリまで寝て一日のたいていの時間を学校に費やし家に帰ったらひたすら勉強をするそれが僕、松岡光輝だ。


14歳で中学受験、今は私立の大公学園に通っている。

そんな僕の人生をこれから見てもらう。


「ピピピピピ」

アラームの音と共に僕の一日が始まる。

今日の朝ごはんはじっくり熱したパンにたっぷりとはちみつを塗った最近はまっている朝食だ。

はちみつの甘い香りが僕の鼻を刺激する。

「いただきます」

甘すぎて頬が落ちそうになった。

時刻は午前6時火曜日

学校は家から距離があるため電車で行かなければならない。

「はぁー」

朝はこの不満をよくため息と一緒に吐いた。

「いってきます」

「いってらっしゃい」

僕にとって何の意味があるかよくわからない言葉を母と交わして今日もドアを閉じる。


電車に入ると同級生の浅田卓也に会う。

「お前テストの準備してる?」

「当たり前だろ」

僕は周りより賢い、だが勉強に対してはきっと同級生のなかで誰よりも勉強に疑問を持っていると思う。

だが、この国は学歴社会、将来どこの会社にいっても面接のときは名前よりもどこの大学で何部に入っているのかを聞かれる。

でもなぜか僕は、勉強という名のとりかごの中で生きている。

そんな風に思ってしまうんだ。


「ガタンゴトン」

電車に揺られ本を持って時が過ぎるのを待つ。

本を読んでいたらふと卓也が話しかけてきた。

「そういえば、久美先輩の出てたドラマ見た?」

「いや、見てない」

「なんだ、つまんねえの せっかく先輩が出てんだから見ろよ」

久美先輩とは部活でつながっている。

先輩は中学三年生で芸能の世界で役者をやっている。

そして、彼女の影響もあって役者という職業に魅力を感じていた。


「よぉ 光輝おはよう」

うちのクラスは一クラス28人。

少子化の影響と私立なのが重なり公立に比べると少し少なめだ。

「あっ 久美先輩だ」

卓也の声を聴いて、目を先輩のほうにむける。

「卓也くん、おはよう」

「おはようございます 先輩。」

「先輩、昨日のドラマ凄かったですね」

「ありがとう」

昨日、放送された「春風の行方」では久美先輩はヒロイン役を見事に演じていた。

久美先輩は女優になるのが将来の夢で... 

いや、もう予定といってもいいかもしれない。

彼女は仕事も勉強もこなしていて優等生としかいうほかない。

僕は、そんな彼女に強い憧れを抱いていた。


そのまま特になにもなく授業が始まった。

「授業をはじめるぞー」 

先生の声が頭に響く、だがそのまま特になにもなく頭の中に伝わってくるものは何もなく

気づいたときにはボーッとしながら歩いていた。

だが、ただボーっとするのではなく考え事をしていた。


芸能界で成功したい。


僕には一つの夢があるそれは僕の知名度をあげること

もっと言えばぼくの名前のブランド力をあげることだ。


「ただいま」

なにかを強く決心し僕はドアを強く閉じた。


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