あの男の子は笑顔が素敵でした。

怜花。

第1話 朝

 晴れている日の早朝。

 窓を開けて朝日を眺めていると決まってあの人は現れる。

 わんちゃんと散歩している、同い年くらいの男の子。

 その子が楽しそうに歩いているのを見て、こっちまで暖かい気持ちになる。


 今日は私も愛犬の「まめ」とお散歩をしようと思った。

 ちなみに、犬種はマルチーズ。

 いつも男の子が通る道を歩こうかな。

 新しいコースはまめも嬉しいと思うし。


「まめー?行くよー?」


 私がそう言うと、まめはキャンキャンと鳴きながら外に飛び出した。


「あ!ちょっと待って!!」


 止めようとしたけど、勢いでリートを離してしまった。


「ちょっと!まめ!!」


 まめは私の声を聞かずに、一目散に走って行った。


「やっばい…」


 私は遠くに見えるまめを走って追いかけた。



「はぁ…はぁ…はぁ…どこ行っちゃったの…」


 周りを見渡していると、スマホが震えた。

 母からラインが来たのだ。

  ”どこ行ったの?早く帰って来なさい”

無理だよ…。

 私は「まめを見つけたら帰る。遅くても7:30前には帰るから!」と送り、

 引き続きまめを探した。


「あ、まめ!」


 キャンキャン!

 まめは元気な声で鳴き、私の元に寄って来た。

 まめのいた場所には、見たことのある男の子。


「まめって言うんですね。そっかそっか〜笑」


 まめはその男の子にとても懐いてる。

なんか見たことあるんだよね〜...


「えっと...ありがとうございます...!

 まめを助けていただき...」

「大丈夫ですよ笑」


 笑顔が、素敵。


「あの...、もしかして毎朝〇〇のとこの道歩いてますか...?」


 〇〇とは、私の家の前の道。


「あぁ。歩いてますよ。」


やっぱり!いつもの男の子だっ!


「そこにある家、私の家なんですよ。」

「え、そうなんですか?!」

「はい笑」

「...よかったら晴れた日、一緒に散歩しません?」

「いいんですか...?」

「ぜひ。お願いします、笑」


 そのあと軽く話しをして、別れた。

 男の子が飼っている犬は「ぷりん」っていう名前なんだって。

 ぷりんとのほっこりエピソードも聞けた。

 とても楽しかった。


 明日が楽しみだなーっ...笑

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あの男の子は笑顔が素敵でした。 怜花。 @Reika__

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