第6話 最後の記憶
死について考えた。でも答えは出ない。
死の形はそれぞれですべてが違う形で。
なら答えなんかでるはずもない。
誰が死ぬか、どう死ぬか。
それが重要なんだろう。
記憶に残るのは自分にとって鮮明な人間の死だけ。
あとの誰が死んでもきっと気にもとめない。
だって記憶に残らないのだから。
僕は記憶を残したくない。
魔法が使えるのなら僕が死んだ瞬間に僕の記憶を世界中から消し去りたい。
少し寂しいけれど僕はそうしたい。
重たくしたくない。
みんなそんなに弱くはないんだろうけど、それでも少しだけ重たく感じてしまうんだろう。
ふとした瞬間に思い出し、その重さを感じてしまうんだろう。
僕は記憶を残されたくない。
これから先更新されないままの君がいつも隣にいる。
我儘なんだ。
記憶を残したくないし、残されたくない。
身勝手で叶うことのないこの想いは何処へも吐き出せない。
記憶とはこの世で最も重たいものなんだろうな。
記憶の巡る物語 神木駿 @kamikishun05
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