ささやかな幸せ

冒頭のひらがなだらけの情景描写がまろやかで綺麗ですね。体言止めを多用してるのが特徴的。こういう表現って扱いが難しいですが、この文字数だと、柔らかい言葉選びも相まって一文一文が詩のような味わいと余韻を出すのに一役買っており、全体を情感的に仕上げていると感じました。

食べてる語り手はやけにしょっぱく感じてましたが、個人的には味付けひかえめでサラリと食べられるプレーンおにぎりみたいな、のど越しの良さ、読後感の良さを感じる作品でした。ほんのりと胸をくすぐるイメージかな。

個人的に、「まんまるい後ろ頭」と印象的な皺の表現から、仲の良い老夫婦を想像しました。