2023年4月20日(木)『喉の痛みから社会を考える』

 永遠……ではなく30代も半ばを過ぎてしまうと、ちょっとした不調でも悪くすれば深刻な事態になってしまうのでは、という不安がよぎります。


 先日から壮絶な喉の痛みと発熱に襲われ、喉の方は寝ている間に痛過ぎてつばを飲み込めないらしく夜中に目が覚めると口いっぱいに唾液が…(汚くてすみません)


 ググってみると「急性喉頭蓋炎だと最悪窒息死する」なんて話も出てきて少しヒヤヒヤしました。今は症状は普通の風邪での喉の痛みくらいまで落ち着いています。扁桃腺には白い斑点が出ているけども…。


 これだけ多くの菌やウイルスやその他の悪い物質に囲まれて生きている中で、人体の運営全般のバランスを取りつつ免疫機能で体も守るということを自動で行う、生物の奇跡みたいなものを再認識します。AIが世の中的に話題になることで、逆説的に生物の奇跡を改めて実感するというか。


 ただ大きな仕組みとしては生物もAIも変わらないんじゃないかという気もしていて、生物が自身の体を自動的に運営する機能のアルゴリズムも、太古の昔から無数のトライアンドエラーを繰り返すことで精度を上げてきたシステムなのだと思います。山のような失敗作のアルゴリズムのうえに我々は立っているのだろうなと。


 これは人間社会のしくみも同じようなもので、ぼくらの思う「古い制度」は、近代的な倫理観というよりはただ集団の存続のためにトライアンドエラーの中で作り出されてきたものなのでしょう。集団の存続だけを目的にすればある意味で野生的かつ合理的なあり方。


 いま、世の中に起きているのは、それに近代的倫理観や政治的な正しさを後乗せ的に組み込む取り組みであり、無数の屍を生み出しながら鍛え上げられてきた歴史的システムと、あるべき姿からトップダウン的に設計された近代的システムの衝突なのだと思います。


 人体と同じように、部分は部分でありながら他の部分と有機的に繋がる全体でもあり、一は全、全は一なのでしょう。それを社会の仕組みに敷衍するなら、部分を変えるときには全体への影響を常に俯瞰しなければなりません。


 これは大きな挑戦ではあると思いますが、人間が「あるように」進んできた歴史から「あるべく」進むことができるか、という大きな転換点でもあります。


 そんな時代に生まれ合わせたことを感謝しながら、今は何より喉が全体と調和し回復することを心から心から心から祈っています。助けて。

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明日に向かって不貞寝 綾繁 忍 @Ayashige_X

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