歌って踊る、現代のいわゆる「アイドル」のファン行動は、偶像崇拝の発展形であるという考察を耳にしたことがありますが、この物語にはまさにそういう「アイドル」が登場します。笑顔で下界の人々を翻弄する双子のアイドル。二人が何故あのような選択肢を突き付けたのか、その理由は誰にも分かりません。ただ人々は翻弄され、派閥争いは宗教戦争のような様相を見せます。新宿終末戦争のシーンを読みながら、「サンバルテルミの虐殺」を描いた絵画のような阿鼻叫喚の騒ぎを思い浮かべました。