エピローグ

 花火が始まる。


 俺と愛莉はその場に座り上を見上げる。

 静かな空間に、花火の音が空気を震わす。


「きれい」


 愛莉の口から溢れる。

 横目で愛莉を見れば目を輝かせていた。


「愛莉」


「どうしたの?」


 言わなきゃいけない。


 愛莉が他の男に襲われていると思ったら、嫌だった。

 それどころか、怒りが湧いた。


 どうしてか。


 友達だから?幼なじみだから?

 それも、ある。


 でも、それだけじゃない。


 愛莉だったからだ。


 愛莉だったから、怒りが湧いた。

 俺の愛莉に手を出すなって。


「好きだ」


「……え?」


 愛莉が呆けた表情を見せる。


「好きだ」


 なので、俺は再度言う。


「……っ!!」


 今度は、大きく目を見開く。

 そして、俺に抱きつく。


 さっきまで汗臭いとか気にしてたのに。


「これって、そういうこと?」


「まあ、そうなるな」


「付き合ってくれ」


「うん!結婚前提に!」


「……結婚前提はちょっと重くない?」


「は?ゆうくん、浮気するの?別れようとしてる?もしかして、私とは身体の関係でいたいってこと?」


 え、こわ。

 急に包容を解かれて、目と目を合わせて言われる。その瞳からはハイライトは消えていた。

 ヤンデレじゃん。


「嘘です。結婚前提にお付き合いしましょう」


「はいっ!」


 怖くて思わず言ってしまった。

 まあ、でもいつかは結婚するわけだしいいか。


「ゆうくん、大好きっ」


「俺もだ」


 ……そっか。

 たぶん、俺はずっと愛莉のことが好きだったんだ。

 でも、その気持ちを自分で蓋をして、自分自身で忘れてしまっていたんだ。


 ……ばかだな。


 そんなことしなくても良かったのに。


 そんなことしなければ、愛莉がヤンデレになることもなかったかもしれない。

 今包容している時ですらスタンガンを携帯している、ヤンデレにはならなかったかもしれない。


 まあ、そんなところもお茶目で可愛いんだけどな。

 ……と思い続ければ、いつか本心になることを祈る。


 でも、例え愛莉がヤンデレであっても、なくても。スタンガンを携帯していても、してなくても。俺が好きだという事実には変わらない。


「愛莉」


「ゆうくん」


 花火の下で、俺たちは唇を重ねた。


 一生大切にする。

 そう、誓いながら。



「浮気はダメだよ?」



















―――――――――――――――――――――

完結です!!

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました!

途中からぐだっちゃってごめんなさい。

それと、感想返せなくなって申し訳ございません!

読んではいるんですけど、返す暇がなくて。少しずつ返していきますね。


最後に。感想、応援、星など、とても励みになりました!ぐだりながらも完結できたのは、皆さまのおかげです!

本当に本当にありがとうございました!!


最後の最後に。

ちょっと宣伝していいですか?しますね!


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読んでいただけると嬉しいです!!

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幼なじみから恋愛相談受けたのでヤンデレにしてみた。 猫丸 @nekomaru2

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