第1話

エターニア王国に住む若き魔法使いのアリアは先代の魔法使い、祖父のシルバから

伝説や予言の事を幼いころに聞いていた。

「これは古い賢者たちが書いた話でな、このエターニア王国には五つの柱石とそれらを守る力は宿してくれるという不思議なオーブがある。五つの柱石というのはおそらく王や国の中枢にしか知られていない国家機密じゃ。賢者たちは昔、ショアという魔人の国が、この国を滅ぼそうとする奴と戦って国を守ったのじゃ。それでのもう攻めてこれないように五つの柱石たてたのじゃよ。」

その話に興味深々だったアリアはシルバからその話をよく聞き出そうとしていたがシルバはある日忽然と消えてしまったのだ。


しばらく時がたち王国は平和そのものだったが。

アリアはずっとその話が自信を変える何かだと気になっていてシルバとその情報を探すために家をでた。

「よし、まずは聞き込みとか図書館に行ってみようかな。」

アリアは、情報を探すために一人で外に出ることに決めたが、心の中では緊張と興奮が入り混じっていた。彼女は、自分が王国の運命を変えるかもしれないという思いが胸を膨らませていた。


「でも、私にそれだけの力があるわけじゃない。それでも、少しでも貢献できるように、自分ができることをやらなきゃ」

とアリアは自分自身に言い聞かせた。


アリアは少し不安要素もあるが正義感が強く探求心が人一倍ある魔法使い。

ただ探求心が強すぎてしまうためぼろが出てしまうこともある。

周りからの印象は、誰にでも優しく接し、人々とのコミュニケーションを大切にしているて美しい金色のロングヘアを持ち、瞳は深いエメラルドグリーンの色をしている。


まず図書館に行ってみようと思ったアリアはつぶやく。

「この国って意外と広いからなぁ、まあ国土も広いし住みやすいんだけどね。」

と国の事を考えている。

しばらく歩いて図書館に向かっていると酒場あった。昼間なのにも関わらず繁盛していて中からは楽し気な声でにぎわっていた。

聞き込みをしようと思っていたアリアはそんな酒場を見て足を止めた。

酒場に入って聞き込みを開始すると酒場の端で窓の外を見ているおじいちゃんが気になった。

年寄りだからなんか知ってるだろうとアリアは思い話しかけた。

「あ、あの、聞きたいことがあるんですけど」

「どうしたのかなお嬢さん。ん、おやシルバの所の魔法使いさんかね?」

「はい、そうです。私の祖父の事を知ってるんですか?」

「ああ知っとるよ。失踪しているのも、どこにいるのかも。」

「ええ、どこにいるんですか?」

「なあに、心配せずとも帰ってくるよ。オーブを取りに行ってるだけだよ。」

「オーブ?あ、あれか!」

アリアは昔シルバに聞いた話を思い出した。

何か気づいた様子をおじいちゃんが察する。

「何か聞かされていたんだね。なぜシルバがオーブを取りに行ったのか考えてみるといいよ。」

「はい、考えてみます。」

「ああ、それと君が聞かされた話はほかでしない方がいいよ。」

「そういえば国家機密だった。」

「もう行きなさい。」

おじいちゃんは多くを語らない様子だった。

話を聞いたアリアは酒場を後にするのだった。


酒場出て王国の住宅街や商店街を歩くと大きな城が見えてきた。

この城が目的の場所で城の中に王宮図書館がある。

この国はとても寛容で誰でも図書館を利用することができる。

門をくぐり図書館に入る。

アリアはいつも来ているがやはり大きいなと思っていた。

「さてと、探しますか。」

アリアはとりあえず王国の古そうな本を探すことにした。

内部は広々としており、天井は高く、書棚には多くの貴重な書物が並んでいる。

そんな中アリアは図書館の隅っこでひときわ古そうな本を見つけた。

「賢者の予言」

探しているものとぴったりのものだった。

本は少しほこりをかぶっていたが特に状態に問題はなく読める状態で保管されていた。

アリアは本を一つ一つ文字を確認しながら丁寧に読み進めた。

中には国の情景を書かれている部分があり、こう書かれている。


王国は美しい自然に囲まれた広大な土地を持つ、中世風の王国である。その中心には、古き良き時代の面影を残した城塞都市がある。城壁に囲まれた町並みは、石畳が敷かれ、たくさんの小さな家々や商店が立ち並んでいる。その中でも一際目を引くのが、城塞都市の中央にそびえ立つ大きな城である。城は高い塔や堅牢な壁で囲まれ、外からの攻撃に対しても守りが固いように見える。城内には、王族の住む大広間や宝物庫、兵器庫などがあり、多くの騎士たちが常駐している。また、城の周りには、美しい庭園が広がり、王族たちが散策したり、憩いの場として利用することができる。

王国の周辺には、美しい森や草原、川や湖が広がっており、自然の豊かさに恵まれている。森の中には、狩猟を楽しむ貴族たちのための狩場があり、草原には、馬術大会が開催されることもある。川や湖では、漁業が盛んで、新鮮な魚介類が供給されている。また、各地には、古城や修道院、温泉などの観光地があり、多くの観光客が訪れる。

エターニア王国は、自然と文化が融合した美しい国であり、多くの人々が暮らし、訪れる場所として愛されていて国力もとても高い国である。


かなり詳細に国の事が書かれている。アリアはそっと椅子を座り直しまたパラパラとページめくりだす。

すると興味深い文章が書いてあった。


考えたくもないがワシらが奮闘し倒した魔人たちはまだ生きてるように感じる。奴らはとどめを刺した後不敵な笑みを浮かべ霧のようになり空へと消えていった。普通は奴らも肉体があるのだから死体が残るはずで漂うように消えるはおかしい。はじめはワシも彼らの死に方があのようなものなのかと思っていたが魔法の天翔ける霊魂(ソーリング・ソウル)を使い生物の死の時に出る霊魂を追って確かめた。そして驚くべきことが分かった。ソーリング・ソウルは降霊術で空に漂っている霊魂を物体に注いで霊魂の元の人格を映すものだが霊魂は降りてこず逆にショアに向かっているのを見た。あれはおそらく国に霊魂だけ帰っているのだろうと思う。肉体を再構築できるかは不明だが生きているかもしれない。それからエターニア王国は西の地にありショアは東の地に存在するのだがワシらはまだ目撃したことがない。ただ途中、村や町を蹂躙しながら進軍してきたものを倒したのだがこの不安要素がある。

さて、結論から言うとショアはつぶれてはいないし魔人も生きてるかもわからない未来でまた攻めてくるかもしれないというのが現実だ。

なのでこちらも攻撃手段を用意した。属性付与をしたオーブを作って対応しようと思う。全部で4つ、風、炎、水、大地のオーブを用意し神殿に置いておいた。神殿はオーブの力を溜める魔法を仕掛けてある。オーブそれぞれに霊魂を散らばらせる魔法も付与しておいたので属性ダメージと蘇生不可効果のような攻撃ができるはずだ。それと神殿には罠や試練、ワシが作った守護する者を配置しておいた。以上になるがそれぞれ対応してほしい。もしこれを見ている者がいたらそしたら王国を守って賢者にでも英雄にでもなってほしい。五つの柱石の一本も壊してはならんぞ国が大変な事になるぞ。国家機密になってるかもしれんが王様やワシらの子孫ぐらいは知ってるだろう。いい方向に向かうことを切実に思う。王国歴1300年


「ん!王国歴1300年!200年前じゃん!」


意外と昔ではなかったためかアリアは驚いたが本を置き少し立ち上がりまた座り直し考える様子でいた。この本によるとまた魔人が攻めてくる今後どうしようかと。

しばらく耽ったあとシルバの事もこの本の内容と直結すると考えオーブ集めをしようかという気持ちになる。考えがまとまって色々と整理し終わったときに一人の近衛兵に呼ばれた。


「そこの魔法使い、王がお呼びである。」

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五つの柱と不思議なオーブ @machida2131

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