読み終わってみれば、物語の最初から最後まで美しくバランスの取れた小説。
連載ものとして書かれたのではなく、ひとつの長編としてきちんと書き終えたものを分割して投稿されたような無駄のない印象。
物語の終結も、読者がその先に思いを巡らせて想像を楽しむ余地を残した読後感。
この読後感、紙本の良作ではしばしば味わえますが、連載で味わえるのはそうそう覚えがありません。
また、余情なく語り尽くしてしまうことが多いWeb小説に慣れた方は物足りなく思われることもあるかも知れませんが、私には、この終結は絶妙で、この作品の価値を下げず印象を後に残すものであるように思えます。
絶妙です。