第45話 暁蕾、過去を知る
「董艶様が別室で待っているので、俺とお前で一緒に来いと仰せだ」
「わかりました、参りましょう。約束は守ってくださいね、
「なかなかいい芝居だったぞ、小娘。そうだお前のことを嘘つき女と呼ぶことにしよう。ぴったりだな」
ヒヒヒと
(屁理屈女の次は嘘つき女か、いろいろ呼んでくれるわね)
迎えの侍女に連れられて
廊下の突き当たりに扉があった。扉には植物の茎や葉が渦のように描かれており
「
「入れ」
侍女とともに部屋へ入る。部屋の壁は真っ白だった。真っ白な壁に鮮やかな色とりどりの幾何学的な紋様が描かれている。床には珍しい毛織物の絨毯が敷かれており赤い長椅子に
「待っておったぞ。さあ入るがよい」
暁蕾と
「お前は下がってよいぞ」
「ラーシア マッファザーイ イラ」
董艶妃が理解不能の言葉を発した。
「ははーっ」
(えっ! 今の言葉理解できたの?)
「
「後ろに机と椅子を用意してある。そちらへ移動するがよい。わらわも同席してやるぞ」
長方形の机を挟んで暁蕾と
「
「
「よいか小娘、今から話すことを聞いたらお前はもうただの
宦官と同類になる覚悟など全くなかったが、暁蕾はうなずいた。
「全てを説明するには時を
暁蕾の脳内に保管されている
「はい、承知しています」
暁蕾が答えるのを確認してから
「やがて新しい皇后である
「さて、ここまではよくある権力争いの話だ。問題は亡くなった
暁蕾は記憶を検索する。確かに
同じく
「冥水様は――我が溏帝国にとって最も危険な存在となった」
(えっ! どういうこと?)
暁蕾は声こそ出さなかったものの、目を見開いた。
「
「そんな情報はどこにも書かれていません!」
とうとう暁蕾は、声を出してしまった。それほど信じがたい話だったからだ。
「当然だ、追放した公主が生きていて他国を支配しているなど不都合極まりないからな。このことは極秘となっている。それに無明道は決して政治のおもて舞台には出てこないのだ。
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