第32話 暁蕾、秘密を漏らす
「
「はい、麻薬の取引が行われるという情報で空き家を見張っていらっしゃったそうですが、踏みこまれた時には宦官の死体が転がっており売人を捕縛できなかったそうです」
「宦官の死体はどうなったのじゃ、御史太夫が調べたんじゃろ?何も
「
董艶妃が愉快そうな笑い声を漏らした。
「やれやれ、何とも詰の甘い男じゃの。せっかく情報を流してやったというのに」
なるほど、麻薬取引の情報自体、董艶妃が流したものだったのか。いったいこの貴妃の情報網はどれほどであるのか
部屋の中にいるのは董艶妃と
「次はどういたしましょう?」
余計な口は聞かない方がいい。そう判断した
「備品係の小娘は使えそうか?」
「備品係? ああ、
「そうかそうか。面白いのお。わらわの命じた仕事そっちのけでそんなことをやっておるとは」
「そのことですが、一つご報告があります」
そう言って
董艶妃はしばらく無言だったが、やがて口を開いた。
「わらわは
「はっ、かしこまりました」
※※※※※※
「
いつも通り気の抜けた感じの挨拶をしながら
「おい、お前いったい何をしたんだ?」
「何です?ぶしつけに」
「来たんだよ。宦官が」
「どうしたんです? ここは皇城なんですから宦官ぐらい来るでしょう」
宦官という言葉に内心は動揺した
「普通の宦官じゃねえんだよ。
「でもそれって私を探しているわけじゃないですよね? 販売会が成功したんで気になったんじゃないですか?」
骸骨男の正体が宦官であると告げると、
「それがな、皇城や
(やば、それって私のことだよね)
動揺が顔に出てしまったのか、
「図星ってわけか……」
「出入りって言うか……行ったことあるっていうか……何と言いますか」
「お前なあ。俺はお前に言ったぞ宦官には関わるなって。それなのに次々と厄介ごとを持ち込みやがって。その上俺に隠し事か?そんなに俺のことが信用できねえのか?」
あいまいな返事をする
どちらも引き受けた
「えっとー、
「ちょっと待て! 誰と知り合いだって?」
「だから、
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