第25話 暁蕾、妹になる
「お前は冗談というものが通じないな。そんなことでは……」
「そんなことでは?」
「いや、何でもない」
「ゴホン、それでお前の考えでは劉家に関する噂は真実ではないということだな?」
「証拠はありません。でも
「だとすれば、その噂は
「そうですよね。
「
関わりたくなかった宦官たちに続き、皇太后と皇后の派閥争い、今やそちらにも片足を突っ込んでいる。そのことを考えて
「仕方ないので私は私のやりたいことをすることにしました。
「俺に何ができるってんだよ?」
「安慶の都で販売会が出来そうな場所の確保と販売会実施の許可申請、人員の確保、その他もろもろです!」
「雑用じゃねえか!」
ブツクサと文句を言う
「あれ、あれあれー、
紫の
「
(奇遇も何も、この間会ったのもここだったじゃない)
「そりゃあちょうどいいやー。俺もね、あいつに用事があって来たんだ。一緒に行こうよ」
緊張感のない笑顔と話し方に、
「
「
「声ならかけただろー、それよりもうれしくないのかー? 屁理屈姫も一緒だぞ」
(何なの? 屁理屈姫って)
「なんでお前たちが一緒にいるんだ?」
「そりゃあねー、
(は?ちょっと、そんな言い方したら勘違いされちゃうでしょ)
「ふーん、初めて会った男と簡単に仲良くなるんだな、お前は」
その言葉は
(なんか、嫌な言い方だな)
「
「そうか、まあどちらでもかまわん。それで用件はなんだ?」
(なによ!人を尻軽女みたいに言ったくせに)
「まあまあ、まずは座ろうよ。さあ、暁蕾ちゃん、どうぞ」
そういいながら暁蕾の椅子を引こうとする
「お止め下さい、
暁蕾はあわてて
「身分かー、そりゃそうだよね。目の前にふんぞり返った目つきの悪い男がいるんだもんね」
「ふんぞり返ってなぞいない。俺や
それから
「こういうのはどうだ。この俺の部屋にいる間は、
「おっ、それいいじゃん!」
「そんなこと出来るはずが……」
「息苦しくてかなわぬのだ」
「わかりました。出来るかどうかわかりませんが、なるべくそう思うようにします」
前回と同じように机を挟んで3人で座り、
「知ってるとは思いますけど、私は
ひとりっ子の
「ああ、うまくいったな」
「大変だったよねー、根回しがさー」
やはり
「それで、劉家による他国への武器売買の噂なんですけど、真実ではないと思います。
「そうか、お前の直感が正しいなら噂は誰かが意図的に流したと言うことになるな」
「はい、それで、
「お願い?」
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