第18話 暁蕾、報告を行う
「
美しく均整の取れた体。長い手足。怪しい光を放つ肌色。見た目が美しい貴妃なら溏帝国にはたくさんいる。だが、美しさの質が違う。見たものの心をざわつかせる美しさとでも言うのだろうか。もちろん見た目だけではない。腹の底に響く
彼女は本当にこの世の人間なのだろうか?
「どうした? ぼーっとして」
「申し訳ありません。
「ああ、あの方を我が国のことわりで推しはかることはできないだろう。ただ、彼女はあくまでも
そのことについては、暁蕾も疑問に思っていた。友好国から贈られた姫であれば皇族の妃となってもおかしくない。決して身分が高いとは言えない
「先を続けろ」
「次の
公主とは皇帝の娘のことである。要するに国同士の政略結婚の申し出であったが、対等な関係での政略結婚というよりは、親戚関係になることによって溏帝国から守ってもらおうという意図があるのであった。
「皇帝陛下には御子がいらっしゃらないからな。対応に困っておいでのようだ」
「皇族の姫を贈るとの話もあるようですね」
「ああ、そうだ苦肉の策ってやつだな」
皇族の娘で
「次に
「
「
「
それまで黙って話を聞いていた
「
「それがねー、なんでも神の生まれ変わりと言われているらしいよ。10代で部族長になってから次々に他の部族を打ち負かしてあれよあれよという間に国を統一しちゃったんだからすごいよねー」
暁蕾の問いに
「感心してる場合じゃないだろ。我が国は略奪の被害を受けているんだぞ」
「
「我が国の領土で起こっている
「数年前から北部の州を大寒波が、南部の州は洪水と干ばつが襲って農作物の収穫が十分にできず、多数の餓死者が出ているのでございますね」
情報を元に暁蕾が答えると
「そうだ、そしてこれは我が国だけの問題ではないのだ。
(なるほど、
「やはり、
「そうだな。他に話はあるか?」
暁蕾はためらった。
「これはあくまでも噂話なのですが、そのことをご理解いただいた上でお聞きください」
暁蕾の前置きに
「
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