第16話 暁蕾、噂を検証する
「なぜそんなに
ここで、女官はいっそう小声になった。
「実家の劉家が商売で大儲けしたらしいのよ」
「へ、へー。そうなんだ」
女官は、やや棒読みで相づちを打つ
「他国に武器を売ってるんだって」
(えっ! 武器? それって……)
暁蕾の話によると
暁蕾は今日、皇城の書庫に行って武器横流しについて調べている。
「あの、その他国とはどこなのでしょう?」
「それは知らないわ」
女官の返答はそっけなかった。そんなことには興味がないという感じだった。
「ねえ、知ってる。武器っていうのはね、勝手に他国には売ってはダメなの。確か皇帝陛下の許可がいるんじゃなかったかしら。もし皇帝陛下が劉家に武器を売ることをお許しになったのなら、それだけ劉家の力がすごいということなの。その劉家出身の
ここで女官は言葉を切ってニヤリと笑った。
「どうすればいいかもうわかるでしょ」
「あ、いけない!お使いを頼まれていたのだったわ」
女官はわざとらしく言うと、気が済んだのかスッキリとした表情で去っていった。
今聞いた話を暁蕾にも伝えよう。暁蕾ならきっと役立ててくれるはずだ。そう思いながら
※※※※※
「あーっ、何にもわかんなかったー。結構がんばったのにー」
書庫から戻った暁蕾は大きく背伸びをする。そこにちょうど
「お帰りなさい」と声をかけると、
(きっと
「ただいま、
「うん、けど手がかりは見つからなかったんだ」
「そっかー、私も手紙を侍女に渡したらそれで終わり」
暁蕾と
「ハハハハッ、まだ始まったばかりだから仕方ないよね」
と暁蕾が言うと
「フフフ、私、まだ手紙持って行っただけ」
と
「私、新しい噂仕入れた」
ひとしきり笑ったあと
「そうなんだ。
「役に立ちそう……かな?」
話終わった
・後宮では皇太后派と皇后派が権力争いをしている
・
・
・他国に武器を売るには皇帝陛下の許可が必要
暁蕾は特技の記憶検索を実行して、
(他国へ武器を売るのに皇帝陛下の許可が必要というのは本当ね。律令にも武器の輸出については皇帝陛下のみが決定できると書かれているわ。でも本当に許可したのかしら?)
(それに劉家って幅広く商売をしてるみたいだけど、武器を取り扱っていたかしら?これは情報がないわね)
「ありがとう、
暁蕾の言葉を聞いた
「よ、よかった。私もっと噂集めてみる」
思ったことをずばずばと言ってしまう暁蕾とは違い、
(やっぱり紙や書物だけじゃなくて、人から直に聞く情報も重要ね。
それから数日の間、暁蕾は天三閣へ通って文書を読み続けた。一方、
『今回の仕事で困ったことになったら
(よし、行ってみよう!)
とうとう決心して暁蕾は
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