第12話 暁蕾、再会する
「えっ、いいの?」
暁蕾は慌てて聞き返した。
「私、暁蕾のおかげで仕事だいぶ慣れてきた。そろそろ役に立ちたい」
「でも危険な目に合うかもしれないんだよ」
「大丈夫、ふたりでやればきっとなんとかなる」
暁蕾を見つめる
「わかった、いっしょにやろ!」
暁蕾も意を決したように明るく答えた。
(さて、やると決まれば早速行動ね)
まずは
「私が皇城に発注書を持っていくわ。その間、ここでの仕事をまかせるわね」
せっかくふたりで力を合わせて仕事をすると決めたのだから、皇城にもいっしょに行きたいところだったが、作業部屋を留守にするわけにはいかないし、通常の仕事もおろそかにできない。
ここはやはり分担作業だ。
目の前に誰かが立っている。とても背の高い男。
――
「出たっ! 屁理屈女」
「お久しぶりです。
口ごたえなど畏れ多いのかもしれないが、まあいいだろう。
「相変わらずだな、お前は、もう立っていいぞ」
「失礼します」
すっくと立ち上がると覗き込んでいた
(うわっ! それ反則だよ)
琥珀色の瞳に思わず吸い込まれそうになり、口を開けたまま固まってしまう。暁蕾は自分が異性に対してそんな反応をしてしまうなど思ってもみなかった。
自分の気持ちをよく理解できないことなどないと思っていた。たが今は……自分の感情を表現する言葉が見つからなかった。
――ときめき
なのだろうか?
「どうした? 何を突っ立っている?」
「いえ、なんでもございません」
「そうだ、ちょうど良い。お前に尋ねたいことがあったのだ。少しの間よいか?」
思い出したように
「お前、
胸の鼓動が急速に速まる。なぜ
驚いて言葉を失っている暁蕾の様子に気が付いたのか、
「口外するなと言われたか? ならよい、ここからは俺の独り言だ」
「
「あの、恐れながら御史大夫様のおっしゃりたいことがよくわかりません」
「御史大夫の――、いや、俺の仕事はこの溏帝国のまつりごとを正すことだ。もし国の進んでいる道が間違った方向へ向かっているなら正しい道へ戻さねばならん。董艶殿の真意は俺の預かり知るところではないが、今のところ俺と董艶殿の利害は一致しているようだ」
「それは……いったい……どういうことですか?」
「お前が命じられたことは俺の仕事にも無関係ではないということだ」
そう言うと
「これは
呆然としている暁蕾の横をすり抜けた
暁蕾の手には、小さな魚符と
皇城にある
「
暁蕾が声をかけると
「おう、暁蕾か。今日は筆が進むのでな、ちょっと待ってろ」
「また、上奏文を書かれていたのですか?」
「またとはなんだ、またとは。ちゃんと備品管理の仕事もしておるぞ」
何度もこの部屋に通ううちに、
「あのー、
「ならん、ならんぞ。それ以上聞きたくない」
慌てる様子の
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