第5話 クエストと配信事情
「……うーん。『私の考えたファンタジーっぽい冒険者ギルド』って感じですね」
・つまりテンプレ・・・って、こと!?
・言いたいことは分かる
冒険者ギルドの中は、配信コメントにもあるように、よくあるファンタジー系の物語に出てくるような、間取りだった。
室内の三分の二がフリースペースになっていて、そこにテーブルやイスが、雑に置かれている。席には会話したり食事したりする、モブNPCもちらほらいた。試しに話しかけてみれば、「受付はあっちだぞ」とか「おう、新入りかい?」とか、簡単かつ決まったセリフが返ってくるね。
私以外、プレイヤーの姿はない。どうもβテストのとき、かなり混雑して大変だったらしい。そういった苦情を反映させて、パーティーごとに分けられる仕様になったっぽいね。
逆に、野良パーティーを組みたいときは、
「ちょっと、NPCに総当たりで話しかけるの、やりたい気もしますが……実は時間が押してるんですよね……。仕方ないので、それはまた別の機会にしときます」
・RPGものあるあるだ
・近くにいるモブに片っ端から話しかけるの、やるよね
・そういやもう昼か
・待て、ソレはmmo実況でやることか?
「『そういやもう昼』……そうなんですよ。何だかんだ、チュートリアルで時間を食っちゃったんで、割と配信枠ぎりぎりなんですよね。で、今回は事前告知した通り、お昼前には一度、配信を切り上げます。私もご飯を食べないといけませんし、VRMMOはあんまり長時間ログインし続けると、警告が飛んで来ちゃうんで」
・おk
・リアル大事。ごはん大事
・VRゲーはこれがネックだよな、メシやトイレで中断できない
そうなんだよね。VRMMOはその特性から、ブラウザゲームみたいに途中退席をはさんだ、ロング生配信ができない。そこらへんも、ライバーが参入しにくい要因になっているのかも。
「ご理解感謝ですー。今回はいくつかクエストを受けたら、いったん配信を区切っておきます。今日はまた十五時~十八時に、ゲームの続きを実況していきますが、今後は十九時~二十二時までの、三時間くらいの定期配信をしていく予定です。詳しくはまた、SNSとコミュニティでお知らせを流しますので、チャンネル登録とアカウントフォロー、よろしくお願いしまーす」
・りょ
・恐ろしく流れるような宣伝とチャンネル登録への誘導・・・おれじゃなきゃ見逃しちゃうね
・はい
よし、宣伝ノルマも達成したし、あとは適当なクエストを漁っていこっと。
「ギルドランク1だと、クエストは五個までしか、受けられないみたいです。ここは今までの、冒証シリーズと同じですね」
あ、選ぶのは町のマッピングとか、町長への挨拶とか、NPCのお店へのお使いとか、そういう地味なやつにするよ。
討伐? 採取? ……スタートダッシュを決めたい、血気盛んな輩がうろつくフィールドに、突っ込んでいく気はありません。
「はーい。名残惜しいですが、今回はここまでです。続きは本日の午後十五時から、やっていきたいと思います。それでは皆さん、お付き合いいただき、ありがとうございました! エリートぼっち
:
愛華パーティー
種族:ヒューマンLV1 職業:
所属
冒険者ギルド:ランク1、使役者ギルド:ランク1
ステータス
体力11 筋力12 走力10 器用15 知力11 精神10
HP46 MP42
職業スキル
使役LV2 命名LV2 識別LV1 料理LV2 採取LV1
個人スキル
杖術LV2 基礎魔法LV2 土魔法LV2 鑑定LV1 錬金術LV2
装備
冒険者のシャツ、冒険者のズボン、冒険者の靴、雑木の杖
持ち物
携帯食料×10、水筒(井戸水×10)、初心者用料理キット、初心者用錬金術キット、従魔のエサ×10
種族:駄馬 LV1
ステータス
体力20 筋力15 走力18 器用8 知力6 精神6
HP70 MP24
スキル
騎獣 体当たり ダッシュ 踏みつけ 運搬
装備
なし
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