短歌が流行っている……らしい

篠川翠

noteより転載

 巷で、東日本大震災以降「短歌が流行っているらしい」というのを、耳にしたことがあります。

 昔からある表現技法ですし、「流行りもへったくれもないでしょうよ」と半ば疑っていました。

 ええ、普段は流行に疎いのです。


 ですが、Twitter上で、noteの「みん俳(みんなの俳句)」でよくお世話になっている方から回ってきたツイートを拝見したところ、どうも「NHKスペシャル」で短歌を取り上げるとのこと。

 どうやら、「短歌が流行っている」というのは、本当のようです。


 そんなわけで、noteでの「ライラック杯」提出の作品を、こちらにも転載しました。


 花冷はなびえのあしたに寝起くつごもりに

 背平そびら伸ばさむ新しききぬ


 noteでもちらっと触れましたが、実は松山市の「俳句ポスト」に提出しそびれた未完成句からの転用です。

 前回の兼題(指定される季語)が、「花冷え」だったので、この表現。

 もうすぐ月末ということで、「つごもり」。あしたは「あした」のこと。(わざと平仮名にしてあります)

 年度替わりで、背筋が伸びる人もいらっしゃるかなあ?なんて、感じているところから、誕生した歌です。


 佐保姫さほひめの吐息撫でをる我がうなじ

 しのぶもちずり目覚めさせむと


 ここでいう「佐保姫」は、春の女神様の代名詞です。

 春→佐保さほ

 夏→筒姫

 秋→竜田たつた

 冬→宇津田うつた


 これらは、俳句の世界では「季語扱い」。

 また、「しのぶもちずり」は、伊勢物語などで登場する言葉で、

「ひそかに人を恋い慕う心の乱れの意」の意味です。

 春は恋の季節ですものね。少なくとも、動物の世界では(笑)。

 取り上げられたかどうか、もしくは取り上げられるのかは分かりませんが、NHKスペシャルへの応募作でもあります。


 奥多摩おくたま吉野よしのさとに梅かほ

 君となずらふいにしへの日々


 これは、拙作「御岳山のお犬さま」からのワンシーンです。

 https://kakuyomu.jp/my/works/16817330649728026921


 最終選考に残った記念も兼ねて、二人が結ばれるシーンを「短歌」にしてみました。


 時には小説、時には短歌や俳句。

 うーん、肩書をどうしよう?とも思うのですが、一言で言えば「物書き●●●」もしくは、「クリエイター」なのでしょうね(笑)。


©k.maru027.2023

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