【23】明日、隕石が降ればいいのにと俺は言った(バルバルさん) 読みながら感想
【23】明日、隕石が降ればいいのにと俺は言った(バルバルさん)
https://kakuyomu.jp/works/16818093086171301192
二十三人目の参加者はバルバルさん。
作品は「明日、隕石が降ればいいのにと俺は言った」です。
バルバルさんも前回参加者です。
数えたらこれで八人目。三分の一くらいが再参加ということになります。ちょうどいいくらいの数字ですね。ありがたい反面、常連しか参加しない企画になるのもどうかと思うので。
ちなみにバルバルさんの去年の作品はこちら。
「猫の恩返し」という、昔話のオマージュ的なお話でした。
https://kakuyomu.jp/works/16817330654869504941/episodes/16817330661856183393
しっかり書けているがオリジナリティに欠ける……みたいな評価をしています。短編メインで多様なジャンルを書く辺り、気が合いそうだとも。
そんなバルバルさんの参加時コメントはこちら。
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こんばんは。今回はこの作品を読んでいただきたく思い応募します。
・作品名
明日、隕石が降ればいいのにと俺は言った
・特に意見が聞きたい部分。
ヒロインはもっと深堀した方がいいか?
終末感をもっと出した方がいいか?
(ヒロインを謎な存在にしたかったのと、終末感を出し過ぎないように書いたつもりなのですが)
・「梶野ならこう書く」具体的なアドバイスが欲しいか。
正直、思考が硬直してしまっているので欲しいです。
・学生(中高生以下)かどうか。オブラート増量します。
学生ではありません
では、よろしくお願いいたします。
こんにちは、そういえば私の今回の「明日、隕石〜」作品への思い入れを書いてなかったなと思いまして、後になりましたが書かせていただきます。
この作品は、「隕石」というテーマから書いた作品です。
隕石による世界の終わり。その中で超能力者を自称する人と普通の人とが恋愛して、そして…みたいに。
テーマはいいと思いますし、自分の中では他人に読んでいただく自身があります。ただ、そう思う故に思考が硬直してさらに良くできない…と思い、こうして投稿させていただきました。
では、涼しくなってきた気もしますが、まだ過ごしにくい気候ですので、お気をつけて。
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ふむふむ、なるほど。
自分の中で評価が高い程、再考しづらいのはわかります。下手に直すと良さが消える可能性もありますしね。読者の方がそこら辺考えなしなので、気軽に問題を指摘できるのもあるあるです。岡目八目という奴ですね。
「隕石」がテーマということですが、ここはあえて深く考えずに読んでみましょうか。この手の考察は今考えても仕方ないですし。ディストピアものならなおのこと。
あ、お気遣いありがとうございます。涼しいというか、今日は寒いです。
企画進行中の気温は上下激しかったですが、ようやく冬の入口に到達したようで。
ストーブを出す前に企画を終わらせられるか、いい勝負になりそう。
それでは、「じっくり感想」を始めます。
⬜️読みながら感想
二読後の感想を、読みながら書きます。(話まで)
>そして俺は第一志望を落とす
受験の話っぽい。
>夕方に向かう寒空に向かって
ありそうでない表現で地味によい。
>ならばいっそのこと、隕石でも降ってきて全部無しにしてもらいたい。なんて悲観するほどに手ごたえを感じないのだ。
「手ごたえを感じない」は、試験を受けた後に使う表現のような。
ここは「期待が持てないのだ」の方が近いかと。
模試の結果とかならわかりますが。
隕石を望むのは受験が終わって失敗した後でもいい気がしますが、当事者はストレス重すぎて「全て終わってしまえ」となる気持ちもわかります。
>その二日後に入試のある第二志望校はそこそこ手ごたえがあるのに、この差は何なのだろう。
「その二日後に受ける第二志望は」の方が。
上記と同じ理由で、「手ごたえ」は「落ちる気がしないのに」など。
読者としては「第二志望がいけそうなら、そこまで悲観しなくても」とは感じます。
なので、「第二志望は合格圏内だがそこまで行きたいわけじゃない」的な説明があった方が、現実逃避の理由が明確になる気がします。
>とは言っても、天にぼやいても隕石なんて降ってくるはずがない。
微妙に言葉遣いが被ってるのが気になります。私なら、
[とは言っても、天にぼやいて隕石が降ってくるはずがない。]
>去年の暮にはアイスランド沖で鯨のような怪獣が出現したし、その3カ月ほど前にはエスレルド星系人類なる宇宙人の犯罪者がアメリカで地球防衛軍と戦ったという。
>ここ日本でだって、年に一体くらいの頻度で怪獣が現れる。なら、隕石でなくとも入試が中止になる可能性はある。
いきなり特撮な世界観になった!
ぐっと引き込まれました。いいタイミングだと思います。
それにしても、日本はちっこい島国なのに怪獣出過ぎ。
>空から視線を道へと落とし
ここはいまいち。
私なら、[空から現実に目を戻し]。
>ため息を吐き出しながら、
「白いため息」にすれば季節の説明と主人公の気持ちの暗喩になり、後のヒロインの奇行の印象も強まります。
>コンビ二から自宅への道を行く。
「コンビニ」ですね。
「ニ」が「二」(漢数字)になっています。
ここは「コンビニ」の出し方が不自然です。
これを書くなら冒頭の空を見上げるシーンで「コンビニ帰り」にするか、ここで「コンビニを出た」とすべきですが、空を診させたいんですよね。
なら、場所は書かず、後の文の「おにぎりやパンの数点入った袋」を「コンビニ袋」にするか。道を強調したいのはわかりますが、別に後からでもフォロー効くので。
>その道の途中、空き地に大の字に転がっている女性がいた。
「女性」より「女」の方が自然かなあ。
地べたに直接寝ているのか、何か敷いているのか。
あと、私の中ではまったくの更地のイメージですが、本当にそうなのか気になります。
>「そこの高校生」
普通、女子高生が高校生に「高校生」とは呼ばないと思いますが、まあおかしな人なのでそこはスルー。
>「そこのコンビニの袋を下げた高校生だよ。君以外にいないだろ」
ここははっきりとおかしい。
「そこのコンビニの袋を下げた君だよ。」のはず。
>そう、寝転がっている女性の声が俺にかかる。
>よくよく見れば、その女性は別の街にある高校の制服を着ている。
うーん、こなれない文章。
[そう、寝転がっている女性が話しかけてくる。
よくよく見れば制服を着ている。別の街にある高校のものだ。]
>そう言いながら、彼女は上半身を起こし。短めの髪に着いた土などを払っている。
あ、地面に直みたいですね。
髪もいいですが、まずはここで容姿を説明すべきかと。
高校生が異性を見たら、まずそこでしょうし、しゃべり方が独特なので私の脳内では宇宙人で再生されています。具体的にはジョジョ四部のミキタカ。
>何で? というのが正直なところだ。
仮に超美人でも納得できる反応。
>「もちろんお礼はするさ。家に連れ込んで、あんなことや、こんな事をしてもらっても……」
アクセル全開かよ!
>「ちなみに、それ、俺以外にも言うつもり?」
>「もちろん」
>……まあ、おにぎりもパンも、お腹が空くことを警戒し少し多めに買った。
>なら、1個や2個分けてやっても構わないだろう。
ここら辺、主人公のお人よしな性格が伺えて好感が持てます。
>「無い」
状況にもよりますが、「無い」は「ない」と開く方が読みやすく、小説では一般的
です。特に台詞では。
>俺の言った4種類すべてが搔っ攫われた。
このくらいの文章なら「かっさらわれた」と開いた方が読みやすく適切かと。
>◇◇◇
>入試が終わった。結果は……まだわからない。
記号の後、行を開けるべき。
>正直、予想通り第一志望校で受けた試験の出来は微妙だが、
もっさり。
[予想通り、第一志望の試験は微妙だったが、]
>そう思いながら、コンビ二から自宅へと向かう。
ここも「二」になってますが……何かの伏線なのか?
>5日経ってるんだぞ。
繰り返しギャグはナイス。
>「……まさか、毎日そうしてる?」
「あれからずっといるのか?」の方がらしいかも。
>君の質問には肯定しておこう。
[君の質問に答えておこう。]の方が。
>毎日ここにこうしている」
[毎日ここでこうしている」]
>「ずっとではないよ、10時間くらいかな?」
真冬のはずですが、主人公が何も突っ込まないのが不思議。
>二つ目の関わらないでおこうメーターも降り切れるのを感じつつ。
どっちでもいいですが、私なら、
[関わらないでおこうメーターが再び降り切れるのを感じつつ。]かなあ。
>「少し違うね、宇宙から降ってくるあれだよ」
> 何を言ってるんだコイツは。
まあこれは一理あるかなw
>「なら。今晩のニュースを見ているんだな。私は後1時間こうしているよ」
どの段階でニュースが取り上げるもんですかね、この話題。
少なくとも「今夜」と確約するのは難しそう。
なので私なら、ニュースには触れませんかね。
[「別に信じなくてもいいさ。私は後1時間こうしているよ」]
>「おや」
>「寒いだろ。寝てるなら布団にして、帰るならとっとと帰れ」
行為はよいとして、「5日×10時間こうしてる」点の突っ込みが先でしょう。
「超能力があれば寒くない」とか言われそうですが、それでも上着を与えるのもこの主人公らしいですし。
>「ぶっ……っ!」
この台詞はない方が文章が締まります。
>◇◇◇
> その次の日、俺は目的をもって空き地に来ていた。
行開けが必要。
>「そう、そうとも。やっと成功したよ!」
隕石を呼ぶのに成功した、という話だと思いますが。
無から隕石を作れるとしたら対応が間に合うわけがないので、どっかから呼び寄せたのだと考えられます。だとすれば遠方から地球に引き寄せ続けたものが、ついに防衛軍に察知され対応に動いたと見るべきで、それだと「やっと成功した」という言葉の意味がわからなくなります。細かい話ですが。
私なら「地球まであと少しだ」とかにします。
>「君は、あの隕石と私の関りを聞きに来たのだろう?」
「関わり」が一般的。
「関り」は平成22年から誤りになったとのことです。
https://bigwestern.hatenablog.com/entry/2020/01/18/151530
>来易かったろう!
何故、その言葉を使うのか……「来やすかった」で。
>「隕石をアステロイドから引っ張ってきたんだ、今の私には超能力の余力は無いのさ」
超能力暖房説が崩れた。
>聞いておいて何だが、限りなく時間的に損はした。
[聞いておいてなんだが、限りなく時間を損した。]
>彼女にとって、この世界は滅んでほしい物なのだろう。
>そう思うと、なんだか少しだけ、彼女に興味がわいてきた。
事実ならえらいことですが、まあ興味はわきますね。
>◇◇◇
>「よお」
ここも。
>テレビは隕石の事一色だった。
これも「隕石一色」の方がキレがよく、意味も通じます。
>なので、地球防衛軍は総力を挙げて地球の三か所に防衛用の砲台を作っているという。
>難しいことはわからないが、そこから粒子砲を宇宙に向かって発射し、隕石を吹き飛ばす……らしい。
これくらいの説明がバランスいいと思います。
一般人に難しいことわかりませんし、読者もこだわる部分でなし。
>というか、世界は何事もないかのように回っている。コンビニも普通にやっているし、学校も、遊園地や水族館だって同じようにやっている。
>恐らく、隕石なんて一般人には何もできない。なら地球防衛軍の作戦が成功して、助かった時に困らないように皆、今を普通に生きているのだろう。
世界滅亡レベルだと暴れる人とかいそうですが、確かに特撮番組の世界だと日常生活が続きますよねー。案外、現実もそんなもんかも。少なくとも日本人は。
>「あ、ああ。超能力を使うまでも無いよ」
これも「ない」ですね。
>「な。なんだい? ナンパかい? 仕方がないな、やっぱり私は……」
>「そうだよ」
「ナンパかい?」の返事なのはわかりますが、「やっぱり」の意味がわかりません。
>「あ、あ……茜。美空茜……だよ……」
あれ、普通に人間なのかと思った。
>「計画は昨晩立ててきたから、ほら、ボケっとしてないで、行くぞ」
こういう砕けた口調だと、「昨晩」という固い言い回しがそぐいません。
「昨日」とかでしょう。
あと、この展開自体は意表を突いていていいのですが、ぶっちゃけ茜の外見描写が「髪が短い」くらいしかないので、驚きの後の「追い共感」がありません。
例えば茜の登場時に「わりと可愛い」と一言書くだけでも違ってくると思います。男なんてそんなものなので。
それがないと私のように「制服を着て偽装した宇宙人」くらいに思ってる読者もいるので、デート対象とか思えないわけです。主人公が途中までスルー対象だったように。
>こういう相手は、相手の調子に乗らせないことが重要だ。
「相手」が被っています。
[こういう相手は、調子に乗らせないことが重要だ。]
>先ずは王道で水族館
ここも「まずは」。
>到着すると、びっくりするほどに目を輝かせて、ガラスの向こうの魚群に興奮し始めた。
ここは主語が欲しいところ。
>自分に比べれば小柄。だが、制服姿でこの時間帯に暇をしてるという事は、同じ年齢くらいかな?
ここは意味不明です。
制服から違う学校の制服とわかっていますし、暇してるのが受験生とはなりません。
そもそも真冬に上着もなく毎日十時間広場にいる時点で、人間かどうかをまず疑うべきです。
この場面で容姿について触れるのも定番ですが、作風的に無理に容姿がどうとか書く必要はないかと。簡単な説明はより早くあるべきですけど。
>ただ言えることは、意外に隣にいて楽しいし、悔しいがとても可愛らしいという事だ。
これは無理やりデートに誘われた側の台詞で、誘った側の言うことじゃないですね。
>食事処での食事
食事処てw
レストランとかカフェとか、普通の言葉でいいかと。
>その間、様々な物事に、目を輝かせはしゃぐ彼女が、なんだか眩しかった。
>ただただ眩しかったとしか言えないが……あまり内心でとはいえ褒めるのも悔しいので、気のせいだと思う事にした。
ここら辺の主役の心境も共感できません。
いやいやデートしてるならともかく。
そもそも何故いきなりデートに誘ったのかがわからないので。
>そして日も暮れてきて、水族館から空き地に戻って来た。
>彼女の手には、水族館で買ったぬいぐるみなどが入った紙袋。
この説明は会話の前に入れるべき。
空き地に戻る必要はないというか、儀式?は放置してよかったんですかね。
>「家、行くぞ」
>「え。え」
>「お前のな」
ヤクザナンパみたいになってきた。
>その戸のチャイムを鳴らすと、小さい音と共に、戸が開く。
「その戸の」は不要。
長屋などのこだわりがなければ、戸より扉の方がよいかと。
>多分、茜の母親は、俺を怪訝な目で見る。
「茜の母親が」
>それに、俺の後ろからひょこりと顔を出した茜を見て。
「しかし、」
>何やらもごもごという茜を無視し。
「もごもごいう」
>「彼女とお付き合いさせていただきます。藤堂善真と申します」
本人がいるのに「彼女」はどうかと。
私なら「娘さん」か「茜さん」を選びますかね。
>少し、一緒に水族館へ行かせていただきまして、
「少し」の意味が分かりませんし、「行かせていただく」も変です。
[一緒に水族館に行ってました。]
>喜色をにじませた表情をして
ところどころ、高校生らしからぬ表現が混じるのはマイナスですねえ。
>一番驚いたのは、彼女が俺の一個下だという事だ。という事は二年生か。
むしろそこに驚いたことに驚きです。
>「彼女、超能力がどうのって言ってなかった?」
母親は普通、娘を「彼女」とは呼びません。
>「やっぱり母親ですもの。彼女がいうなら、そうなんでしょうって、受け入れる。でも……」
家族なら実際に見たことがあると思うんですが、どうでしょう?
もちろん口から出まかせでなければですが、この感じだと、母親は見たことないんですかね。主人公から訊ねて、その辺も聞き出してもいいかもしれません。
>「世の中は、そこまで温かい言葉では包まれてませんよね」
>「……ええ。やっぱり、超能力抜きにしても、あの子は変わってるから。色んな言葉で、行動で……傷ついてるの」
何だか、わかりそうでわからない説明。
単純に「友達がいない」とか「ひどいイジメから引きこもり」とかでよいかと。
>彼女が切り付けられた言葉の刃、その痛さは……俺にはわからない。
>でも、きっとそれは。
>この星を、隕石で滅ぼそうと決めるほどには痛かったのだろう。
>そうとだけ思った。
ただの友達としてならこの感想も理解できるのですが、突然彼氏面とかしてるので、「どういうスタンスで考えてるんだ?」と疑問は感じますかね。
あと、母親と茜の関係は良好に思えるので、その親ごと殺すことになることについては何も考えてないのかな? と。
>「ちょっと、善真!」
> そして、真っ赤になりながら俺に突っかかっている。
疑いもしないのはチョロインなんでしょうが、経歴とか考えると、もっと疑り深い方が「らしい」という気はします。
例えばここで名前呼びを止めていて、主人公に注意されて「善真」と言い直すとか。
>「もしかして、私にそう願わせるために、あんな彼氏の真似事したの?」
>そういう彼女の表情は、なんといえばいいのだろうか。
>絶望も、嫌悪も、軽蔑も侮蔑も混じった、そんな顔。
そうそう。これくらい疑うのが普通というか、まず信じないのが普通。
>「そんなことするほど暇じゃねぇよ」
受験終わった受験生ほどヒマな人間もいない、というのはともかく。
ぶっちゃけ、ここら辺の主人公の心境は共感しがたいので何とも。
早送りダイジェストで恋愛進行してるのは「世界が滅ぶから」でまあ許せるのですが、「何故好きになったのか」の説明がないので、真意が見えず共感できないのです。語り手なのに何も説明しないのが問題かと。
私なら理由付け含めて明確にしますね。ここら辺は総評にて。
>「滅ぼしたいなら滅ぼせばいい。お前がそう願って、そうなるなら……この星は、お前ひとりの価値しか無い星なのさ」
ここら辺はクールを気取ってるのかと思いましたが、後に理由付けがあってなかなかよかったです。
>「俺は、死にたくない」
あれ、そうなの?
別に死んでもいい派かと思ってた。
>その願いの次に強い願叶えとこうかなって」
脱字。「願い叶えとこう」。
>「俺、彼女が欲しかったんだよね。ずっと勉強ばかりしてたから」
これ自体はまっとうな感覚ですし、緊急事態なのでいきなりデートとかもわからなくはないんですが、その相手が茜である必要とか、好きになった動機とかの説明が一切抜け落ちているのが問題かと。茜がちょろいから話が進んでるだけで。
>「そういうのは、もっと、ふさわしい場所があるだろう!」
うーむ、チョロい。すぐ騙されそう。
生い立ちから考えるとどうかと思いますが、可愛いからまあ……
>「君の、家とか?」
指輪を自宅で渡すシチュはあまりないような。
そういう意味で、ちょっと強引な展開。
私ならどうでしょう。
「私は君のこと全然知らない」「じゃあうち来る?」的な流れにしますかね。
>「そ、怪獣災害の仮設住宅」
これは予想外で驚きました。
特撮世界なら、こういう話があってもおかしくないですものね。
>俺の家で告白を受けたい。
告白というか求婚ですね。
>「茜の家は別の街だから知らないか。一昨年な、怪獣がここら辺一帯を焼き払ったんだ。で。俺は学校にいて無事だったんだけど、みんな、みーんな灰になった」
これは疑問。
隣り町くらいの距離でニュースにならないはずがないですし。
現実的な落としどころとしては、
・茜はずっと引きこもっていて、世間のニュースを見ていない
・怪獣が暴れたのは遠い大都市だったが、この町まで火の粉が飛んで来た。
それでも数件の家が灰になり、その一つが主人公の家だった。
或いは二つの合わせ技とか。
>「だから、正直な話……世界が滅んでも、良いんだ」
>「え、でも、でも!」
>「ああ、滅びたくない、生きたいさ。でも、滅びも、死も……それが仕方がないなら受け入れるよ」
ここら辺はすごく納得。
>そこで茜が吐き出しそうになっているのに気が付き、慌て背をさする。
吐き出すって嘔吐ってことですか?
何故そこまで? 彼女が殺したならいざ知らず。
>親の、唯一の遺品を。
ここも「遺品」が違和感。
私なら、[ただ一つの、親の形見を。]
>「うん……世界が、こういう温かいだけの世界だったら、私……」
「世界」が被ってます。
いや、早い早い早い。
チョロいを通り越して、読者がついていけない展開速度です。
もうちょっと助走つけてください。
>そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないが。
>それを否定するのは、酷な気がした。
こういうことを言うと、本気度が疑わしくなります。
本気でないとしたら最悪ですからね、この展開。
>「良いさあ、だけど、し明後日以降は無理かも」
なんか口調が変なんですが、誤字?
[「いいけど、し明後日以降は無理かも」]
>やはり、彼女がいるというのは気分がいい。まあ、こいつは変わり者だが、それを差し引いても、やはりいい子だというのは、痛いほどわかった。
うーん。ここから「茜が好き」を感じ取るのは難しいですね。
死への恐怖がないとはいえ、一応生きたいと思ってる主人公にすれば、「彼女がいる人生」となれば「死にたくない」に転じるのが自然のはず。
「茜の意思を尊重」するのはわかりますが、ぶっちゃけこれだけチョロい相手なら、口八丁で隕石止められそうです。
>皆が、明日で終わる世界で、明日終わってくれるなと思いながら、恐怖を胸にしまい、普通に生活をしている。
ここら辺はまあ、政府への信頼度の問題な気がします。
日本はそこそこ普段通りでしょうが、海外は人足早い世紀末に突入しそう。
ヒャッハー!!
>いきなりだな。
お前が言うのか。
>ああ、神様。どうか、もう一度、明日キスしたい。
というか、今でしょ。
やれ──ッ! ヤれ──ッ!!
>そう笑い、彼女を抱き寄せる。
>その表情は見えない。でも、温かい。
ここら辺は雰囲気あっていいと思います。
>その光は、真っ直ぐ北へと向かう。
>そういえば、ニュースでやっていた。
>隕石を破壊するための、粒子砲!
ここと、次の枠の説明文は、映画のワンシーンのようで素晴らしいですね。
>そうなれば嬉しい。また明日、茜とキスできる、ずっと一緒にいられる!
問題の根本解決にはなってませんが、喜ぶのも無理はないかな。
茜が変わらない限り、また隕石呼べるわけだし、自殺する可能性もありますよね。
>嬉しすぎて、逆に感情を整理するために混乱するほどだ。
逆にここまで喜んでいるのが驚きではあります。
もっと「死んでも別にいい」なキャラだとばかり。
だからこそ茜を積極的に止めなかったわけだし。
>だから、彼女の異変に気付くのに遅れた。気がつけば、俺の胸元は真っ赤だった。>彼女の吐血で。
>「……っ。君は気にしなくて、いい。ただ、隕石を引っ張るのは……私もノーリスクじゃ、無かったのさ」
初読時はまったく想定外で、衝撃大きかったです。
確かに、超能力を使って逆にダメージを受ける描写とかありますからね。
この展開は想像していませんでした。絶賛。
欲を言うなら、隕石が確認された時点で、超能力はどういう扱いになっているのかの言及が水族館前後であれば理想的でしたかね。
あの時点で「もう広場に十時間いなくていいの?」と疑問に思っていたので、呼び寄せた後は超能力は関係ないと考える読者もいそうです。
そこら辺を含めて、例えば、「今はもう隕石と超能力は一体化していて、私があの場所で念じなくても勝手に地球に向かってくる」とか言わせれば、デートができる説明付けと見せかけた伏線が敷けるかと。
>「ふ、ふ。この世界は、私一人以上の、価値があった……それだけだ、よ」
この台詞もいいですね。伏線回収。
少なくとも主人公分は増えたわけですし。
>――――――大好きだよ
ダッシュ(──)は二つが文章ルールですが、ここくらいは許しましょうか。
>それとも。実は彼女が隕石落としを止めて破壊してくれたのか。
これを書くなら、茜に「自分ではない」という台詞を言わせない方が。
どちらかと言えば、謎のままにした方が私は好みですね。
>あの後、彼女の鞄から薬が見つかったらしい。詳しくは教えられなかったが、多分、自殺用の。
>それに、俺の名前を当てたのだって、俺の上着に書かれた名前から当てたのかもしれないし、隕石だって、虚言だった可能性の方が高い。
実はただの変人だったのかも、という推察が可能なのは奥が深くていい……と言いたいところですが、毎日十時間、上着もなく冬の空き地で寝続けるのは常人には不可能なので、どちらとも読めるようにしたいなら、そこの理屈付けはしておくべきです。
口で言ってただけで十時間いたのも嘘かもしれない、とか。寒がってる描写が全然なかったので、そこら辺も。
>だけど、茜のお母さんの言葉じゃないが……きっと、茜は自分の世界に絶望した超能力者だったんだ。
>そして、自分の人生という世界を、自分で壊してしまった……
ここら辺の表現も抜群によいですね。
まあ、「世界巻き込まずに自殺すべき」とは思いますし、実際そうなったわけですが。
>ったく、茜……これじゃあ俺、お前以外、好きになれないじゃないか……
>死後も、俺に迷惑をかけやがって……俺も、大好きだよ。
後追い自殺とかは考えないんですかね。
生きてることに執着なさそうだし。
こういうところは普通の感覚なんだなと、ちょっと不思議。
>彼女の死が、俺の大きな傷跡になりながらも、痛みに気付かないふりができるようになってからしばらくして。
>入試の結果が届いた。
>第一志望は落ちていた。
立ち直り早すぎるだろ、と思いましたが、まあインスタントな恋愛だし、傷はそこまで深くなかったのかもですね。家族との死別も経験してるし。
>――――――あーあ、明日隕石でも降ってくりゃいいのに。
>なんて、空に呟こうとして、やめた。
>霊になった彼女が叶えてきたらシャレにならない……なんてな。
ここの「──」は長すぎ。
ボーナスタイム終了。
>――――――そうとも!
>――――――君が願えば、なんだって叶えるよ!
>――――――隕石だってもう一度降らせるし、彼女は……無理だけど……
>――――――だから善真。私が呪った世界で、私の呪いを胸に、いっぱい生きてね。
>―――いっぱい……
>いっぱい……
>……
前の終わりからの繋ぎは綺麗で良し。
わりと理不尽度高めで死んだので、ここでフォローしたのは正解かと。
おかげで胸糞な気分はかなり払拭されて、悪くない読後感です。
ふううむ。色々考えさせられますね……
ただ、この段差をつける表現は、もっとやりようがありそう。
私ならどうするか、ちょっといじってみました。
[
――そうとも!
――君が願えば、なんだって叶えるよ!
――隕石だってもう一度降らせるし。
──彼女は……無理だけど……
――だから善真、私が呪った世界で
──私の呪いを胸にいっぱい生きてね
――いっぱい……
いっぱい……
…………
]
どうでしょうかね。
スマホ対応させるのに苦労しました。
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