【24】軍人に絶対なりたくない先住民族が、軍隊で下剋上していくお話 作者(蜂蜜の里) 読みながら感想


【24】軍人に絶対なりたくない先住民族が、軍隊で下剋上していくお話

作者(蜂蜜の里)

https://kakuyomu.jp/works/16816927861851827000



二十四回目は、蜂蜜の里さんの「軍人に絶対なりたくない先住民族が、軍隊で下剋上していくお話」です。長い。


蜂蜜の里さんは、例によって企画登録時にアンケート回答をされておらず、あわや抹消になる寸前で気付かれたようです。

今回、一手間かかる参加方式にしたのは、投げっぱなしの無反応が大半だった前回の反省を踏まえてでしたが、そのおかげか今回は無反応はただ一人(返事を考えているのかも)だけです。

ろくに説明文を読まない人を未然に弾けるアイデアということで、来年もこの方針でいこうと思っております。


※追記

さて、今作の舞台は、南北戦争時代のアメリカです。

うーん、残念ながら、梶野はほぼ知識ゼロです。

昔見た西部劇と、修羅の刻(漫画)くらい?

高校に世界史がなかったので、欧米の歴史知識皆無なんですよね……

まあ、今回はド素人目線で感想書かせていただこうかと思います。

もちろん、調べる必要があれば、さらっとググるくらいはしますけど。※


作者である蜂蜜の里さんの返答はこちら。



はじめまして、「先住民族…」で参加した、【24】の蜂蜜の里と申します。

こちらのページを今発見し、慌ててコメントさせていただいております。


読んでいただき、(改善点だらけ、というもの含めて)感想をいただければ、それだけでとてもうれしいので、ご意見、ご感想、アドバイス等、どうかよろしくお願いします!



……うーん。改めて読むと、何も質問に答えていませんね。

ま、いつも通りの対応でいかせていただきましょうか。


ちなみに作品も総文字数13000近くで軽くオーバーしてる上、未完結の連載作というアレっぷりですが、まあ今回だけは見逃しましょう。

おかげで多少締め切りオーバーでしたが、そこはお許しあれ。


それではじっくり感想、開始します。



⬜️読みながら感想

二読後の感想を、読みながら書きます。



>合衆国の英雄


>南北戦争以来の英雄、先住民族出身のエナペーイ・トールチーフ将軍が欠かせないだろう。


ワタシの知らない人物かと思い調べましたが、どうも創作上の人物のようですね。先住民族出身の将軍というのも素人的には「ほんまかいな」と思われ、歴史上にモデルがいるのかとざっくり調べましたが検索で見つからず。


まあ私は知識がないので検証はできませんし、創作なのでどんな設定でも問題はありませんが、リアリティの観点から言うと首を傾げるのは事実です。荒唐無稽な作風ならいざしらず。この後、数奇な運命を経て先住民族から将軍になる話が展開するなら手のひらを返すんですが。


>差別を決して許さない公明正大な人柄、またその妻カミラ夫人とも非常に仲睦まじい家庭人だったことはあまりにも有名で。


この程度の話で、歴史に残る名大統領に並ぶ知名度が得られるとはちょっと思えません。


>戦争における英雄というだけでなく、

>人種のるつぼで平等主義を精神的支柱におく合衆国の良心でもあった。


具体的に何をした英雄なのか、知りたいところです。

一将軍、つまり軍人が国の良心と呼ばれることは普通はないでしょうから。


>次の章はパーティシーンなので、登場人物がたくさん出ますが、主人公のカミラとアニー、チャールストン大佐、そしてカミラとアニーの父親だけ覚えていただければ大丈夫です!

>他は(たぶん)この章のみの登場人物です。


この注釈を見た時点で読むのを止めた読者もいたはず。

というか、私ならここで読むのやめます。

「私は下手くそです」と公言してるようなものなので。


覚える必要のないキャラなら、出さなければいいだけです。

序盤でキャラを絞るのは基本中の基本。

会話相手の名前を出さずモブ扱いにするとか、パーティの場面から始めないとか、やり方はいくらでもあるはずです。

「覚えなくていい」なんて書く前に手を尽くしましょう。


>また、文章内では便宜上「南部」と呼びますが、より正確には「南部連合(Confederate State of America)」です。


プロローグがしっかり書けてるなら、この説明も本格派なのかなと期待できるのですが……すでに嫌な予感しかありません。


>彼氏作るために、パーティに来ました!!

いきなりラノベになった感。


>アニー・ウェブスターは、自己中心的とまではいかないが、かなり自分中心に物事を考える女の子だ。


こんな微妙な説明はいりません。ない方がマシ。

自己中心的な性格は会話や行動で示すべきです。


>世界は私のために回ってる、

>別にそんなことを思ってるわけじゃないけど、

>でも実際、なんだかんだうまくいくんじゃね?


読点で改行する意味がわかりません。句点にしない理由は?


内容も適当で、冒頭からキャラへの興味を失くさせます。まだしも「世界は私のために回っている」と断言したほうがキャラが立つというものです。


>アニーは赤髪をゆらして、

>パーティ会場を見まわした。

いちいち突っ込みませんが、文頭1マス下げはするのかしないのか、徹底してください。


>銀やガラスの燭台がキラキラと輝き、会場はまるで昼間のように輝いてる。


描写が少なすぎます。せめて会場の広さや客の多さなど、出来れば当時の文化を踏襲したセッティングが欲しいところ。


>彼氏欲しい。

前後の行を開けすぎです。

そこまで強調すべきネタでもありません。


>アニーは、

>自己認識ほどはモテないのか(というか、14歳では当たり前なのだがそのことにアニーは気づかない)、

>今まで誰かに愛を打ち明けられたことがなかった。


カッコを使って説明を書くのは、文章表現の放棄に等しいです。上手くなりたいなら、絶対にカッコは使わないくらいの気持ちで工夫してください。砕けた一人称ならまだしも、三人称の小説ではまず見ませんので。


>(物語のミスター・ダーシーみたいな人がどこかにいるはず!!)


誰?


>カミラの緩やかなウェーブのかかった、星々の輝く闇夜のような黒髪と、対照的な真白のドレスが、お辞儀とともにふわりと揺れた。


まず年頃を書いてください。話はそれからです。


>キラキラと輝く黄金色の髪に、青い瞳。

>マリンブルーの軍服に背の高いその身をつつみ、微笑む、その姿。


なんというか、判で押したような描写。


>(なお、アニーの心の中には、

>ウェディングマーチがすでに流れていることを、付け加えておく)


ギャグならこういう表現もありだと思いますが、ここだけですよね?


>まるで、幼児が大人っぽい話し方をするのをほめる大人みたいに聞こえるのは気に食わないが、


ここから


> でもチャールストン少佐、私を好きそう!

>まずは第一関門はクリア、といったところか。


と結論する精神構造が理解できません。

「子供扱いを後悔させてやるわ」とかならまだしも。


>「初めまして、ケイド・チャールストン少佐と申します。ウェブスター将軍配下におります」


普通は自己紹介に階級はつけません。他称ならわかりますが。


「初めまして、ケイド・チャールストンと申します。階級は少佐。ウェブスター将軍配下であります」くらいで。


>「どうかしらね。母は、南北の現在の対立関係は、母の祖国で内戦が起こる前の雰囲気に似ていると言っているわ」


読者にわからない状況を、読者にわからないだろう例えで説明してるんですから、伝わるわけがないです。


>カミラとアニーは異母姉妹で、カミラのお母さまは南アジアのクルージャ出身だった。


地の文で「お母さま」て。


>「こわいわね。でも、戦争はそりゃ避けたいけど、メリーランド州やバージニア州が、まだ北部に残っているのは、正直に言って不思議だわ。リンカーン大統領の言うような、奴隷解放に必ずしも賛成できないし。うちの奴隷たちの扱いを、『アンクル・トムの小屋※』のようなものだと思われては困るわ。たぶん、どこのおうちもそうだと思うし、『アンクル・トム』はあまりに悪意があると思うの」


アンクル・トムくらいは知ってますが、北部の状況とか以前に主人公たちはメリーランドとかバージニアがどことか、どこまで北部なのかとか全然わかりません。

そもそも主人公たちはどこの州の人間で、南北どちら側なんですかね?


前提の説明をすっ飛ばしてるので、まるで耳に残りません。


>なんか、難しすぎてわかんないけど。

読者の代弁者としては、アニーの無知設定は悪くないと思います。

ちゃんと機能してくれれば、ですが。



>実は、星条旗好きなんだよね(なんとなくテンションあがる)


>産業革命が進んで、しかも移民の多い北部には、奴隷の人たちの低賃金の労働力がさらに必要で、だからこその権力争いの面がある


この説明だとよくわからないので、軽く調べました。

奴隷解放することで、自由になった奴隷が北部で働くことを期待した、みたいな話ですね。まあそうはならなかったようですが。


>カミラって、勉強もできるんだよね。

何に対しての「も」なんでしょう?

とくに説明はなかったことにはずですが。


>そんなアニーとは裏腹に、少し怒った様子になったが、マーガレットはすぐ気を取り直したように笑顔になった。


悪文。

「そんなアニーとは裏腹に、少し怒った様子だったマーガレットはすぐ気を取り直した。」


>いや、専門の軍人たちは

「専門の軍人」とは?

軍人は専門職だと思いますが。


>「私もカミラも、だいぶ突っ込んだ話をしていたと思うけど、あなたには負けますわね。そんな真正直では、軍人さんとして生きづらいのではなくて?」


当時の世論の説明がないので、突っ込んだ話と言われても「へー」くらいの感じです。


>「わかりますか?そうなんですよ。だが、こういう自分は変えられない」


単に軍人に向いてないだけでは……


>(もちろん、マーガレットには、アニーがチャールストン少佐ねらいだということはすぐにバレてしまったが、まあそれはいい)


説明すると余計に陳腐になります。


>マーガレットと二人でしばらく話していた、

>そのしばらく後に。

>トランペットの音が大きく鳴った。

>わ、びっくりした。


小学生の作文ですか?


>その声を聞いた、

>アニーと、そしてアニーから少し離れた場所にいたカミラは、縁台の方へと歩み寄った。


不要な描写。


>リンカーン大統領は、自身の妻メアリーとウェブスター家が縁台に立ったことを確認し、口を開く。


「縁台」って野外の腰掛けですよね。

「演台」だと思うんですが、それにしても何故、家族が演台に??


>大切な家の半分※

脚注いらないです、ここ。


>私たちやマーガレットが住んでるメリーランド州も、南部って言ってもいいけどね。

>だから、南部か北部かって、すごい微妙だよね。


まず最初にこの情報を出すべきでしょう。


>誰よりも聡明、かつ慈悲深く素晴らしいクリスチャン精神を持つ、我らが最高司令官


普通はまず強さを称えませんかね。軍人なんですから。


>あれ、なんか、おかしいな。

>傷だらけの合衆国の国旗を見てたら、胸がドキドキ高鳴ってきた


全然、共感できません。

恋人探しにパーティに来たキャラですよね?


>「我々は、正義を前に、嘘はつけない!真のアメリカ人として、国をふたたび一つにすることを、今ここで神に誓おうではないか!!」


大統領に皮肉を言うとか、気骨ある老人かと思いましたが、全然そんなことはなかった。


>その熱気のまま、軍服姿の若い男たちがウェブスター将軍を取り囲み、そのままウェブスター将軍は若者たちに胴上げをされた。


アホみたいな展開ですが、アメリカ人ならやりそうだから困る。


>なお、この闘いでの死者は北部側1名のみであった

調べたら戦闘での死者はゼロですね。

戦闘後の礼砲が暴発して死んだそうで。



>こいつ初対面だけど、好きになれない


>「もう一回、いや、4回くらい、パーティ開かないかな?」


漢数字か英数字か、統一してください。


>ペンシルベニア州のゲティスバーグ郊外にある父方の祖母の家に、休暇がてら向かう予定だった。


ゲティスバーグはおろか、ペンシルバニア州の位置も、何ならワシントンD.C.の位置も知らないので、まったくイメージが湧きません。


>「戦争は、あらゆる力の総決戦であることは古代から変わらないし、その生産能力については、北部は南部を圧倒しているわ」


パーティで戦争反対的なことを言ってたはずですが、開戦に何の感慨もない辺りが、人間らしさを感じさせません。


>「ええ。不安要素といえば、ここ、メリーランド州やデラウェア州、ケンタッキー州、そしてバージニア州を始めとした、奴隷制度容認の立場につく、北部側の地域かしら。

>これらの地域が最終的にどう動くかで、戦局は変わるわね」


南北戦争の基本をすっ飛ばして、考察から入るのやめてもらえませんか?


>外から、馬がいななく声と足音が聞こえ、来客かと二人で窓に寄った。


家の中のシーンだったんですね。

描写が皆無なので、まるでわかりませんでした。


>「Lieutenant MacGuire, working under General Websters’ headquarters! (マグワイア中尉、ウェブスター将軍司令部に所属しております)」


何故に突然、英語表記?


>うわ、うさんくさ。

> 目が死んでる。

なんか速攻で見抜いてますけど、根拠何かあるんですか?

目が死んでるとかでなくて。


>初対面で人を判断する性格を、カミラにいつもたしなめられてはいるが。

> この人、なんか好きじゃない。


別に直感でもいいんですけど、もう少しこう、説明を……


>ウェブスター将軍に直訴するため、こちらに立てこもる恐れがございます。


「直訴に来る」ならまだわかりますが、何故に「立てこもる」必要が? 飛躍が過ぎるとしか。


>少し考え込んだカミラは、そっと微笑んだ。

>その瞬間アニーは、今までの人生で一番、カミラを美しいと思った。


人生で一番なら、それに相応しい表現を。


>「お父さまの、signature(サイン)ですね」

だから何故英語……?


>ネイサン、ご令嬢たちに付き添うように」

この家には、姉妹しかいないんですかね?

使用人なり私兵なりいそうなもんですが。軍人の家ならなおさら。

なんで怪しい来客を放置してるのか、意味不明です。


>「アニー、おそらくあの男たちはお父さまの敵だわ。時間との勝負なの。馬で、ポトマック川まで向かって、ワシントンD.C.に船で向かいましょう」


この家に姉妹二人しかいないなら、そういう選択も仕方ないかなと思いますが。他の人間は何をやってるんですかね。

軍人なら武器の備えとか、当然のようにありそうなものですが。


>ポトマック川の船渡しに向かってひたすら走って、走っても、到着まで、まるで永遠のようだ。


地理の説明がないので、そう言われてもちんぷんかんぷんです。

せめて距離とか、何時間かかるのかくらいお願いします。


>返事した男が、のんびりとした眼差しを、のろのろとこちらに向けたが、動こうとはしない様子に。


敵に買収されてるのかと思いましたが、単に怠けてるだけですか。

というか、地元じゃ有名じゃないんですかね。将軍の令嬢って。


>「すまないが、急いで出立してくれないか。レディたちは何か事情がありそうだ」


こう書くと二人を置いて出立しろ!に聞こえます。

まだチケット売ってる段階でしょ。

というか、こういう船って定期便じゃないんです?


>さすがの船員も目を見張り、若者からお金を受け取って、せかせかと動き始めた、


何故、この若者が金を出す必要が?


>「サッシュの銃をお借りします」

>そう言って、カミラの腰につけていた銃をさっと奪った。


ただの泥棒では?

自前の銃はないんですかね。アメリカなのに。


>「戻らなければ、お前たちの家の人間を、皆殺しだ!!絶対に、許さないぞ!!」


あ、家の人いたんですね……何やってたです?


>生まれて初めて、出会った理不尽な悪意で。

>思わず体の向きを男たちの方に向けたアニーを、

十四歳のお嬢様が理不尽な悪意に初めて触れたら、怒りより恐怖が先に立ちそうなものですが。


>「早く安全な場所に!

>お家の方々の、身の安全のためにも!」


完全にただの気休めですね。

人質に取られてるようなもんでしょ。


>その言葉を聞いたカミラが、アニーを足速に船内へ連れて、強く抱きしめられた。


途中で主語が変わってます。


>そうされるうちに、胸の内に広がっていた殺意と怒り、そして恐怖が、だんだんと収まってくる。


こういう場面は、殺意と怒りと恐怖を描写してからにしてください。


>そうして出立した、小型の蒸気船は、

>いったん海に出てしまえば、あとは速いスピードで進む船に任せられる。


文章の繋ぎが無茶苦茶です。


>「こちら、お返しいたします」

何のために借りたの?


>「本当に、何てお礼を申し上げれば良いのでしょう。私たちを守ってくださって、ありがとうございました」


いや、特に守ってはいないでしょ。

船員を急かしたくらいで。せめて銃撃戦くらいしてほしい。


>歳を取った方の船員が、コーヒーを差し出してくれる。


船員二人の船で、コーヒーのサービスが!?


>コーヒーを持つ自分の手が、震えている。

>船に乗っているから、その振動のせいかと思ったが、身体の内側から来る震えのようで、船に乗るまではまるで夢の中にいるみたいだったのに、やっと実感が湧いてきたようだった。


なんでここのアニーの心情だけ三人称なんですかね。

ずっと一人称で内心をぶちまけて来たのに。


>「これから、合衆国はどうなるのかしらね」


合衆国の前に自分たちの心配をすべきかと。

あと置いてきた家の人間とか。


>メキシコ戦争帰りだが、腹は壊すし、いいことなしだったしなあ


戦争に行って「腹を壊す」が一番の記憶というのも凄い。


>「じいさんの戦争話はうんざりだ。俺はうんと金持ちになって、両親や妹たちに楽をさせてやるんです」


こういう若者の感覚はありそうな気がします。

現代だと噴飯ものですが。


>「13と12です。かわいくて、もう」

>「わかるわ」

でもこの会話の流れで、カミラが若者を諭さないのは謎。

優しくて頭がいい設定ならなおさら。


>家の皆のことは、司令部の皆さんにお任せするのがいいと思うわ


自分の家に警備も置かない時点で、将軍の才覚にケチがつく感じ。

私なら最低限警備は置いて、それでも抗えないほどの人数や武装でやって来てるとかにしますかね。


>「到着ゲートからワシントン砦まではどのくらいかしら」


まず、目的地までの時間を教えてください。


>ポトマック川の景色を眺めているようだ。

「いったん海に出たら」とあったので、もう海かと思ってました。

おどろくほど描写がないですね、この小説。


>さっきのあの助け方は、本当にかっこよかった。

どれ?


撫で付けられた短い黒髪に、深い藍色のスリーピーススーツの立ち姿。


> 太陽の光にキラっと耳元が光り、目を凝らすと、ターコイズと銀の小さなイヤリングが両耳についている。


なんで若者の描写を二度に分ける必要が?


>「私たち、ペンシルベニア州のゲティスバーグ郊外にある祖母の家に避難する予定ですの」


私が敵なら、ここまでの出来事は全て、この男を将軍の娘と懇意にするための策略ですね。将軍の傍に近づけるように。


>(というか、そもそも開戦はしているのだろうか。あまりにもいつも通りすぎて、新聞記者の騒ぎ過ぎのようにも思える)


二人の生活や環境の説明が一切ないので、アニーの見方が正しいのか間違ってるのか、まるでわかりません。


>「リー大佐※をはじめとした、優れた多くの軍人の出身地。このアメリカ合衆国の、象徴とも言うべき州。この州を心の支えとする者は、あまりにも多い」


ここの説明はまだしもわかりやすいですが、地理的状況がわからないので、相変わらずふわっふわです。


>「僕たち先住民族への弾圧といい、おろかなことだ」


どういう気分でこれを言ってるのか謎ですが、いずれ出自とか出て来たら納得できるんでしょうかね。



>パパ、なんか隠してる?


>父、ウェブスター将軍の司令部は

一人称でも三人称でもおかしい表記。

一人称なら、アニーは「パパ」呼びですし、三人称なら「アニーの父」と書くべきところです。


>飾り気のないと言うのを通り越して、薄暗く、古びた気味の悪い部屋だった。


部屋より前に、司令部がどんな場所にあるとか、全体の説明が欲しいところ。


>優しく勇敢だったあの学生

学生なんて情報、出てきました?


>ワシントン砦の一室にあるウェブスター将軍司令部は、無骨で飾り気のない、日当たりの悪い部屋にあって。


何故、同じ描写を繰り返すのか。


>パパ、なんか影が薄い。

「影が薄い」には、確かに「生気がない」意味もありますが、よく使われるのは「存在感に乏しい」方で、この書き方だと悪口のように読めます。

私なら誤読を避けるため、別の表現を選びます。


>パパの心身を蝕んでいるのだとしても。

アニーが「蝕む」なんて難しい漢字を使うとは思えません。


>娘たちが心配だからというのなら、彼の性格ならばむしろ無事な姿を見て安心するところだと思うのだが、それがウェブスター将軍の親心というものか。


真っ青になるのが親心……意味が分かりません。


>「……私への交渉材料の一つだろうね。前時代的なことだ」


その前時代的な手を、まるで警戒しない時点でどうかと思います。


>「私は軍人には向いていないわ。臆病なんですもの」


ここの会話は悪くないです。

ただ、読者がそう思えるような描写がここまで一切ないので、そこまでの思い入れに至れないという大問題がありますが。


>「ああ、だめだだめだ。もしマグワイアがお前たちをまた襲ってきたらどうするつもりかね。


というか、逃走兵って普通に重罪のはずですよね。

家族を狙うような裏切者を国内に放置してていいんです?


>ペンシルベニアへの道はむろん、北部のあらゆるルートを歩む術を持っておりません。


地理がわからないんで謎ですが、検問的な意味で?

あのクソ広いアメリカでです?


>本当は母上もここに連れて来たいところだが、母上は家を離れるのを嫌がっているし、公私混同にもほどがあるからね」


娘を住ませる時点で十分に公私混同だと思いますが。


>さっきはマグワイアのことを心配して

心配なんかしましたっけ?


>「言い換えるわ。お父さまはなぜ、マグワイアが私たち姉妹に、お父さまに執着してると思っていらっしゃるの?」


ここまでの会話と、この質問が繋がっているように読めません。

父親の言い分がおかしいのはわかりますが、この質問とは別の問題としか思えませんが。


>「軍人は、いかなる機密事項も外部には漏らしてはならぬ。……復唱せよ!」


さっき、部下がペラペラ国内事情をしゃべってたような……


>「いいわ、お父さまがそう仰るならば、ここに残ります。アニー、それでいいわね?」


この後の展開は、そう悪くないです。

父親の主張もカミラの疑念も、筋が通っているので。

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