【23】雌雄無色(冬場蚕) その後のやりとり


【23】雌雄無色(冬場蚕)

https://kakuyomu.jp/works/16817330659348681604



□冬場蚕さん:

梶野様


返信が遅くなり申し訳ありません。連勤を終わらせてきました。

作品への丁寧な感想ありがとうございました。自身の小説の癖を客観的に顧みることができました。


こういった感想への返信も初めてですので、ところどころおかしな点や、解釈が間違っていることもあるかもしれませんが、ご容赦下さい。


① タイトルについて

>意味がわかるような、わからんような感じ。

加えて字面が地味で印象薄く、タイトルとしては褒められません。

何より、このタイトルには真の結末は示唆されていません。あとから見て「なるほど」と腑に落ちるようなタイトルがいいのでは。


梶野様のご指摘通り、このタイトルにはさしたる意味がありません。

この小説はカクヨムの百合コンテストに投稿するために作成しました。

私はコンテストの審査員である斜線堂有紀先生のファンで、先生の作品タイトルをオマージュしたためです。


まず先生の作品タイトルをすべて書き出し、それらをオマージュしたタイトルを考え、その後に、書き上げた作品をくっつけたので、作品とタイトルが乖離しているように見えるのは当然のことです。

書くときに頭にあったのは、先生に作品を読んでいただきたいということだけだったので、あまりタイトルには拘りませんでした。

(恐らく最終選考に残ったものだけ読まれると思うので、あまり意味はないのでしょうが。自己満足です)。


双葉社から刊行された『斬新THEどんでん返し』というアンソロジーに、斜線堂先生は「雌雄七色」という短編で参加しており、今回の作品はこのタイトルをもじったものになります。

(他にもコンテストに投稿した作品が三タイトルありますが、それらもまた先生の作品タイトルをオマージュしています。)


感想内でも何度かご指摘いただいた、どんでん返しに執着しすぎではないかという点も、ここに通じています。

「雌雄七色」がどんでん返しものだったので、私もとことんどんでん返しを突き詰めました。もともと叙述トリックが好きというのもありますが。


② 内容について

>言葉を飾らず率直に言わせてもらえれば、今作を読み終えて最初に出た感想は「胸糞が悪い」でした。

>ただ、この胸糞悪さこそが、作者の狙いだとしたら、それは成功してると言えるでしょう。


この点に関しては、喜び半分、悲しみ半分でした。

私は作品を読み終わったとき、読者にどう感じてほしいかを考えながら小説を書いています。その中に、「胸糞悪くなってほしい」という願いも少なからずあったので、そう感じていただけたのなら、それは私にとって嬉しいことですし、感情を揺さぶるという点では成功したのかなと思っています。



>そうではなく、もし何かしらのテーマやエンタメ性があり、それを伝えることに失敗しているという前提であれば、私なりにアドバイスも出来るかと思います。


半分の悲しみに関してはここに凝縮されています。

この作品には自分なりに明確なテーマ(というよりはコンセプト)があったので、そこが伝わらなかったのは不本意ですし、悔しいです。



>この物語の感想が空疎なのは、「作者が何を伝えたいのか」が不明瞭なことです。

>この話の山は「恋人が女性ではなく犬だったこと」で、ラストも詩織に八つ当たりするだけでした。


私にとって話の山は、「恋人が実は犬だったこと」ではなく、それを知った読者もまた、詩織と同じ「善意の差別者」に過ぎないことを自覚してもらうことでした。


まず、主人公の恋人が犬であると判明するまで、読者は同性愛者を差別する人間を軽蔑する位置にいると想定して書きました。もちろん読み方によって変わりますが、感情移入をしやすい読者ほどその意識は強くなるのではないかと思います。


次に、詩織の再登場には恐らく悪感情を抱くでしょうし、手のひら返しには辟易するでしょう。加えて、脅して主人公との恋愛関係を迫る女ですから、その悪感情は大きくなる想定でした。


しかし、最後に実は恋人が犬であったと判明したとき、読者は少なからず驚き、当惑し、感情移入をしていた読者ほど、拒否感を抱くだろうと思います。

そのとき、ほんの数千字前まで軽蔑していた人間と同じ位置にいることに気づいて、考えを改めようとします。でも、その行為もまた、ほんの数百字前の詩織と同じだということに気がついて自身の差別意識の根深さを再認識します。


これはすべて想定読者の理解力を最大限に見積もったときの話なので、極端にはなりますが、この作品のコンセプトはこういったことでした。

(念のため補足ですが、私は動物性愛者に対して差別意識はありません。ただ、世間から賛同を得づらく、かつ、同性愛者としても機能するマイノリティな性愛を選んだとき、動物性愛が適切だっただけです。正直、誰が誰を好きでもどうでもいいと思っています。)

(加えての補足ですが、自分に差別意識が全くないとも思っていません。他人の性愛に関して差別意識は薄いと思いますが、それでも無自覚なだけでおそらく日々の生活でいろいろな人を差別区別しながら生きていると思います。生きづらいです。)



>百合小説だと思って読んできた読者にすれば裏切られたようなものであり、私のように何かしらのテーマを期待していた者にも、「確かに意外だけど、それ意味ある?」という受け取り方でした。


これもまた半分は嬉しく、半分は悲しいです。

百合小説だと思って楽しみに読んでいた人間はとつぜん自身の差別意識を顧みる羽目になるのですから、感情はすごく揺さぶられますし、心に残ると思います。

ただその意図が、そもそもどの読者にも伝わらないのなら意味がないので。



>もしこれが、「犬が好き」という事実によって、別の側面、別のテーマが立ち現れて、ここまでの彼女の主張が一気に別の色を帯びて輝き始める……という感じならいいんです。むしろ絶賛ものです。


絶賛されたかった……



>彼女の主張はいわゆる差別などの表層的な意見に過ぎず、詩織にしても単なる俗物


コンセプトに気を取られすぎて、キャラクター造形がおろそかであったと思います。

私は小説を、

〈ジャンル・テーマ・コンセプト立て→ストーリー構成→キャラクター造形……→執筆完了→タイトル〉

の順で作っています。

コンセプトやストーリーに沿った人間を作るから、自分のキャラクターは時々おかしな行動をするのだろうなと薄々思っていましたが(今作だと、周囲にばれたくないのに大学のカフェでキスをする、進学しなければいいのに進学したがるなど)、今回ではっきりしました。ありがとうございます。



>まずは「何を伝えたいのか」を見直してみては如何でしょうか。

もし私が見落としていたと思われたなら、「こういう意図で書いた」とおっしゃってください。もう一度、その認識で読み直しますから。

その上で、「ここがこうだからそう感じられなかった」くらいは書けるかと思います。


何を伝えたいのかは上記の通りです。なぜそのように感じてもらえなかったのか、ご教授いただけると幸いです。それとも掌編小説に求めすぎでしょうか。



③ 文章について

>安定感があり、書き慣れておられる印象です。

指摘が必要な個所はほぼありませんでした。誤字脱字のチェックも行き届いています。

会話や文章の繋ぎにもおかしな点は見られず、安心して読めました。

少なくともこういった作風で書く限り、文章面でアドバイスすることは私からはないと思います。


とても嬉しかったです。ありがとうございます。



④ 読みながら感想について

>噂になるとすれば主人公が自分から漏らすことくらいですが、だとすれば何故「女性が好き」という誤解を解かなかったのかという話になります。この部分は上手い説明が必要でしょう。例えば「私は噂に抗おうとしたが、何を言っても笑われる空気なので諦めた」とか。


これも前述の通り、ストーリー進行を優先しすぎたキャラクターの異常行動です。(今作はそう言った点が多いので、以下は「キャラクターの異常行動」と表記します。もう少しキャラクターを練ってから直します)



>今どき、性趣味が理由でここまで大規模ないじめになるとはちょっと思えませんが、まあそういう地域もあるかもしれません。


私が通っていた中学では、結構ありました。「あいつホモらしいよ」みたいなことでいじめ……恐らく加害者側の認識は恐らくいじり(多分中にはいじめようとしていた人もいたと思いますが)……が発生すること。



>なかなか辛辣でいいと思います。


ありがとうございます。こういった、正反対の言葉によって作られた一文が好きです。



>そこまでして登校に固執する理由がいまいちわかりかねますが、まあ誇り高い性格なんでしょうね。


その通りです。私もいじめられたとき、不登校になったら負けだと思っていたので、なぜか登校し続けていました。今思えばしっかり休むべきでしたね。



>「好きなところはいくらでも言えるが、どれだけ並べても足りない気がした。無口なところも、歯並びがいいところも、鈴子という名前も愛していた。」


無口であること、歯並びがいいことは本人の特徴で、名前は外因なので明確に分けて、かつ、名前までも愛している=その人のすべてを愛している、の意図で書きました。

「鈴子という名前も愛していた」だと、他と同列になってしまうので、「鈴子という名前すら(まで)愛していた」はどうですか。悪文ですか。



>「違うベクトルで同じくらい鈴子のことを好きな」の方が読みやすいはず。


その通りです。ありがとうございます。



>流石にこの感覚は理解できません。学校と鈴子は全く無関係では?


学校を休む=いじめっ子への敗北=いじめっ子の言うことは正しい=鈴子との関係は笑われて然るべきもの

と主人公は考えている意図で書きました。

実際、自分がいじめられているときもこんな感覚でした。言い返さないのは同意と同じだと。そんなはずはないんですけど、でもそういう考えの人結構いますよね。



>「あえて」の意味がわかりません。


ありがとうございます。ここは、別にそんな必要もないのに、くらいの意図で書きました。



>皮肉が効いていて、いい感じ


ありがとうございます。この文は自分でも結構好きです。



>進学しなければいいのでは?

鈴子のそばにいる以外、他にやりたいことがあるようにも見えませんし。


キャラクターの異常行動です



>どちらの意味から見ても、常軌を逸した発想です。

まあ主人公が壊れかけている描写としてなら、一応納得はできます。

>どっちの意味でもそりゃそうだとしか。

私が母親なら合鍵渡したのを後悔するレベル。


主人公がなりふり構っていられなくっている描写のつもりでしたが、あまり納得感はないですか。もう少し考えます。



>ただ、主人公がこの発言を完全にスルーしてるのはおかしいです。進学で別れる以前の大問題のはずですが。話の帳尻を合わせるなら、削るべき発言でしょう。


主人公は鈴子が長くないことは知っているので、ここはスルーで問題ありませんでした。ただ読者にそのことが伝わっていないのは問題でした。それ以前の、薬の量が増えた、睡眠時間が増えたあたりで、ある程度予測は立つはずなので。



>ここも一読目は共感できたんですが、噂が誤解だとわかると腑に落ちません。作られた怒りのように思えます。


鈴子との関係を笑われていたことや、いじめられたことは事実ですし、この主人公はプライドが高いので、怒りを覚えるのは当然かと思ったのですが、どうでしょうか。



>それはどうでしょう。

ぶっちゃけ母親の配慮にも一理あるので、あくまで母親個人の感覚の問題なだけと思えます。

相手が男性だったとしても連絡をためらいそう。急死ならなおのことです。合鍵を渡してることから見ても、二人は家族同然のつきあいなんですから。


これは梶野様と私の感覚の違いかもしれません。

私は家族同然の付き合いの人(あるいはそこで飼われているペット)が死んだとき、連絡をもらえなかったら嫌な気になりますし、怒りを覚えます。もちろん、向こうも色々配慮してくれたのだろうとは考えますが、理性と感情は分けて考えるので。



>「普通の恋人同士なら連絡がもらえた」と確信させる確には、このケースでは難しい気がします。


ここは主人公が、普通の恋人同士という文言を使って、自分たちをそもそも普通ではない(悪意を持って換言すれば異常)としてしまい、加えてマジョリティのカップルと比較し、卑屈になっているという場面でした。

主人公は、自分たちが男女だったら絶対連絡がもらえたのに!と確信しているけど、実際は分からないよね、という主人公にもある種の差別意識が根付いている表現です。



>いやあ、母親は最大の理解者に思えますよ。

何年も鈴子のために毎日通い詰める隣人に合鍵渡しちゃうんですから、相当な深さの理解だと。普通なら不審者扱いでしょ、こんな人。

>文章自体はとてもいいと思います。

ただ、怒りの出どころがふわふわしてて、よくわかりません。ここまで激しい怒りなら方向がはっきりしていそうなものですが、そうでもないし。いじめはこの件は無関係ですし、母親もここまで恨まれることしてませんしね。


これは私の感覚かもしれませんが、自分のことで手一杯の人間ほど、人からの善意や理解を過小に評価する傾向があるように思えて、そのまま書きました。怒りに関しても同様です。余裕がない人ほど理不尽な怒りを、無方向に向けているなと。


ここも、キャラクターの異常行動ですね。母親が合鍵を渡すとありますが、普通はそんなことしませんし、リアリティには欠けています。

親密さを表すために合鍵を渡すという行動を取らせましたが、別の行動の方が良さそうですね。



>擲つ(なげうつ)はルビが欲しいところ。


ありがとうございます。どの程度の漢字ならルビをつけるべきかの基準にいつも困っています。



>Fランクならともかく、そこそこ上の大学なら、こんなことはないと思いますがねえ。もちろんこういう人がいるのは間違いないですが、全てではないはず。周囲に集まるのはやはり類友が多いものです。

>ま、主人公の主観であると言えばそれまでですが、主人公の人生の薄さが気になります。


私が通っていた学部がFランだったので、このような描写になりました。

でも確かに、Fラン大学にも夢をもって積極的に動いている人は大勢いましたね。

少し大学生をこき下ろしすぎました。訂正しておきます。



>「規則的」より「周期的」の方が。


ありがとうございます。ここは前文の「刹那的」という言葉と対比させたいのですが、他に良い言葉はありますか。



>>周りと合わせて人生を謳歌することもできず、

平穏だった高校でもそんな話はなかったので、元々そんな望みがあったようには見えません。


ここは、その後の文「かといって首をくくれるほどの情熱もなく」と対比させたい一文でした。確かに安直でした。変更します。



>そもそも、そこまでして大学に通う意味が、この主人公には感じられないというか。このメンタル状態で通学する必要があるのかとすら思えます。


キャラクターの異常行動です。詩織と再会させるために大学に通わせていました。ただ、大学に在籍していればいいので、ほとんど欠席していてたまたま登校した日に鉢合わせる設定にしようかなとも思っていますが、ご都合展開でしょうか。



>>男子からはAVを見させられ、逐一感想を聞かれた。

普通に問題行動だと思いますが。

クラスの女子がこれに全スルーとか、あります?

私は男性なので女性の反応はわかりかねますが、男に関して言えば百合への反応は理解かスルーですよ。いじめに加担する展開が想像できません。他の理由があるとしか。


ここはミスリードのためと、過去のいじめのひどさを表すためのAVでした。

AVを見させられる=性愛対象は人間という、多少飛躍していますが、カモフラージュにはなるだろうと思っての配置です。

確かに問題行動ですが、いじめなんてそんなものですから、あまりここの描写には拘ってなかったです。

いじめは大義名分があればなんでもいいので、女なのに背が高いという理由でもいじめるものではないですか。女なのに髪が短い、女なのにがさつ、女なのに女が好き。

男も女をいじめるでしょうし、そこに男女差はないと思います。



>>「大丈夫? 具合悪いなら一回でよっか」

>そう言って私の手を引いた。

思い出させる展開としては順当。


ありがとうございます。



>いきなりのクズ発言でびっくりします。

なんなんだこのキャラ。

>>「改めて、あのときは本当にごめんね。私ずっと後悔してたんだ。あのとき私が、ちゃんと分かっていればいじめなんて起こらなかったかもしれないのに……。祥子ちゃん、まだ女の子が好きなんだよね。まだって言い方も失礼か。ごめん。鈴子ちゃんだっけ? 付き合ってたんだよね。まだ続いてるの?」

超早口で言ってそう。

クズ発言がなければ、まだしも耳も貸せるんですが。


これは前述の通りです。なるべく詩織に悪感情を持たせたいという狙いがあったので。

あと、恋愛に狂った人は、狙った相手と関係を持つためなら、何でもしがちだなと思ったので。



>>そして、残虐にする。

ここは改行せず、前文から続けたほうが流れが綺麗だと思います。


 印象に残したい文章だったので改行しました。



>>「そうだね。死別だけど」

普通に考えれば、こんな相手に絶対言いたくない話だと思いますが、まあ騙すための撒き餌なんでしょうかね。


その通りです。汲み取ってもらえて嬉しいです。



>>そんな、足とか胸とか出しちゃってさ

そういうのを「夏らしい、涼やかな格好」とは言わない気がします。足はともかく、胸は。


地の文にいやらしさを持たせず、扇情的な格好をしているということを表現したかったので、「夏らしい~」としました。一人称視点の文で、扇情的なというのも少し固すぎるので、もう少し考えます。別に詩織が胸出している必要はないんですけどね。



>>「なんで目逸らしちゃうの? 詩織ちゃんかわいいのに」

この先の口説き場面は、悪趣味過ぎて辟易。

>>「そんな悲しいこと、もうこれからは私が言わせないから。私だけはあなたを分かってあげられるから」

ちょっとやられ役が鼻につきすぎますね


多少やり過ぎな方が、後に利いてくると思ったのですが、逆効果でしょうか。



>>私はあとでしてあげようと思って、こう言った。

ここは流石にやりすぎだと思います。

主人公は詩織に一発かます気しかないので、内心でこんなことを考えるとは思えません。ましてや趣味でもないんですから。


ここは「あとで(こいつの嫌がることを)してあげよう」というニュアンスでした。もう少し考えます。



>>唇を離し、私はささやくように続けた。

やっちゃうんですか。大学のカフェで。

「過去をバラされたらヤバい」と思ってついてきたのに。そんな嗜好もないのに。

果てしなく理解不能で、共感が一切なくなりました。


キャラクターの異常行動です。



>>「そっか、言ってなかったっけ。鈴子はゴールデンレトリバーの名前だよ」

一読目は完全に騙されました。

その点は褒められるんですが、どうもカタルシスがないというか。話の本質から遠ざかったというか。


私の中では、ここからが本質だったので、伝わりきらなかったのは悔しいです。



>>しまった、という顔したが、それ以上に彼女の中で嫌悪感が勝ったようだ。口を洗い流すように、ジュースを一気に飲み干した。

えっ、ペットとキスする人、結構いません?

まあ衛生上よろしくないとは思いますが、ここまで嫌悪感が出ますかねえ。眼の前で犬とキスした後とかならまだしも。

それより、普通はまず「犬が好き」の程度について訊ねそうなものです。頭から信じられる話でもないでしょうから。

>>言いかけたのを、キスして遮った。詩織は私を突き飛ばすようにして離れた。

主人公がキス連発するのも謎過ぎますが、この状況でキスされてしまう相手も大概です。普通は距離を置きます。

ここまでの嫌悪感を引き出したいなら、「犬と性的関係にある」ところまで振り切った方が、納得できると思います。


主人公は犬との性的関係を持っている人間という設定で書きました。

「しているときもよく舌を出して」という文の、しているときは、性行為のことです。

伝わりにくいだろうなとは分かっていたのですが、直接表現はしたくなくて、ぼかす書き方になってしましました。


主人公がキスを連発、詩織が無防備に関してはキャラクターの異常行動です。

キスを連発は嫌がらせという点と、犬が好きな人間を許せるかという試しという点でまだ説明はつくのですが、詩織視点をあまり考えていませんでした。


嫌悪感については、意見が分かれるのではないかと思います。ただ、詩織が嫌悪感を抱くのはキャラクター設定上、外せない要素かなとも思います。



>>女同士の恋愛が普通だと思う人がいるし、犬との恋愛が普通だと思う人もいるの。

犬との恋愛というか、犬(メス)との恋愛、なんですよね? でないと「女の子」と連呼していたこととの整合性が取れないので。


メスとの恋愛ですが、そこを強調しても文のリズムが崩れるだけかなと思います。

また、動物性愛者全般を指しての、犬との恋愛が普通だと思う人~なのでいずれにせよ整合性はとれているかと思います。



>>詩織は震える手でおしぼりを受け取ると、グロスが取れるほど執拗に唇を拭った。

ここはなかなかいい描写。


ありがとうございます。



>>「……もう二度と話しかけてこないで。金輪際。一生」

啖呵はかっこいいですが、私には「大学中に犬好きの噂が広まる」未来しか見えません。こんなことして大丈夫?


キャラクターの異常行動です。カフェから場所を変えて解決しようと思います。



>ううーん。

読後感はなかなかに最悪ですね。

狙ってこれだと言うなら何も言えないんですが……ううーん。


前述の通り、狙っていることでもありますので、喜び半分、悲しみ半分です。



思ったよりも長くなってしまい申し訳ありません。

文章を褒めていただけたこと、何より嬉しく思います。

ありがとうございました。



■梶野:

>冬場蚕さん


企画参加お疲れさまでした。


本日、これから来客の予定で、お返事は明日夜になると思います。

あしからずご了承ください。



□冬場蚕さん:

問題ございません。

お忙しいなか、ありがとうございます。

楽しみに待っています。



■梶野:

>冬場蚕さん


遅くなりました。

それでは返信させていただきます。


>返信が遅くなり申し訳ありません。連勤を終わらせてきました。

>作品への丁寧な感想ありがとうございました。自身の小説の癖を客観的に顧みることができました。


こちらこそ、返信遅れて申し訳ありません。

当企画への参加、ありがとうございます。


>こういった感想への返信も初めてですので、ところどころおかしな点や、解釈が間違っていることもあるかもしれませんが、ご容赦下さい。


そのための意見交換方式ですので、存分にどうぞ。


>梶野様のご指摘通り、このタイトルにはさしたる意味がありません。

>この小説はカクヨムの百合コンテストに投稿するために作成しました。

>私はコンテストの審査員である斜線堂有紀先生のファンで、先生の作品タイトルをオマージュしたためです。


なるほど。オマージュでしたか。それはわからなくて当然ですね。

まあでも、コンテストが終了したのなら、改題を考えてもいいのではとも思います。作品はこれからも読まれ続けるわけですから。


>感想内でも何度かご指摘いただいた、どんでん返しに執着しすぎではないかという点も、ここに通じています。

>「雌雄七色」がどんでん返しものだったので、私もとことんどんでん返しを突き詰めました。もともと叙述トリックが好きというのもありますが。


私もどんでん返しや叙述トリックは大好物で、それだけ集めた短編集とか持っています。自分で書くとなかなか上手くいきませんが。


>この点に関しては、喜び半分、悲しみ半分でした。

>私は作品を読み終わったとき、読者にどう感じてほしいかを考えながら小説を書いています。その中に、「胸糞悪くなってほしい」という願いも少なからずあったので、そう感じていただけたのなら、それは私にとって嬉しいことですし、感情を揺さぶるという点では成功したのかなと思っています。


ふむ。

狙いがそこなら、確かに成功してると思います。


>半分の悲しみに関してはここに凝縮されています。

この作品には自分なりに明確なテーマ(というよりはコンセプト)があったので、そこが伝わらなかったのは不本意ですし、悔しいです。


後の説明を読むに、おそらく冬場さんの想定したテーマと、私が「こうだったらよかったのに」と考えたテーマは同じだと思われます。

つまり、書き手も読み手も気持ちは同じながら、何らかの問題があり、ボールが届かなかったものかと。


ここら辺、説明が難しい(自分で書いても成功するかわからない)部分もあるんですが、私なりに追及してみたいと思います。後述。


>私にとって話の山は、「恋人が実は犬だったこと」ではなく、それを知った読者もまた、詩織と同じ「善意の差別者」に過ぎないことを自覚してもらうことでした。


はい。この狙いは読めました。


>まず、主人公の恋人が犬であると判明するまで、読者は同性愛者を差別する人間を軽蔑する位置にいると想定して書きました。もちろん読み方によって変わりますが、感情移入をしやすい読者ほどその意識は強くなるのではないかと思います。


前半部分においては、そこは成功していると思います。


>次に、詩織の再登場には恐らく悪感情を抱くでしょうし、手のひら返しには辟易するでしょう。加えて、脅して主人公との恋愛関係を迫る女ですから、その悪感情は大きくなる想定でした。


そうですね。私も同じ感想を書いています。


>しかし、最後に実は恋人が犬であったと判明したとき、読者は少なからず驚き、当惑し、感情移入をしていた読者ほど、拒否感を抱くだろうと思います。


ふうむ。ここが違いますね。

あくまで私個人としてはですが、相手が女性でも犬でも、拒否感は感じませんでした。性的嗜好の方向が違うというだけなので。

「一般的ではない」というだけで、距離的に大差ありません。まあ現実で言われたら驚くでしょうが、それも最初だけという気がします。


なので、読者としての焦点は、詩織がどんな反応を見せ、主人公がどんな結末を得られるのか、でしたね。


>そのとき、ほんの数千字前まで軽蔑していた人間と同じ位置にいることに気づいて、考えを改めようとします。でも、その行為もまた、ほんの数百字前の詩織と同じだということに気がついて自身の差別意識の根深さを再認識します。


ここはよくわかりません。

読者が自分の内にある差別に気が付く、という展開はわかります。

(私はともかく)

でも、それを改めることは別に根深い差別と関係ない気がするんですが。

例えば、詩織が何年後かに犬趣味の人間を許容できるようになったとして、それが悪いことか?という話です。

差別が人間の根底に根差すのは事実ですが、それを克服することが可能なのも事実ですから。


>これはすべて想定読者の理解力を最大限に見積もったときの話なので、極端にはなりますが、この作品のコンセプトはこういったことでした。


概ね、私が「こうあればよい」と考えたものと同じでしたね。

私が作者でも、テーマとして持って行くならそこだと思います。

ただ、少なくとも私は、その狙いに気付きながらも、素直に胸に届かない、テーマが響いてこないことに「うーん」となっていました。


なかなか珍しいパターンだったので、感想を書きづらかったわけです。自分でもその原因が何か、分析が難しくて。

とくにこの場合、私が想定読者から外れていることも十分考えられますしね。


>(念のため補足ですが、私は動物性愛者に対して差別意識はありません。ただ、世間から賛同を得づらく、かつ、同性愛者としても機能するマイノリティな性愛を選んだとき、動物性愛が適切だっただけです。正直、誰が誰を好きでもどうでもいいと思っています。)

>(加えての補足ですが、自分に差別意識が全くないとも思っていません。他人の性愛に関して差別意識は薄いと思いますが、それでも無自覚なだけでおそらく日々の生活でいろいろな人を差別区別しながら生きていると思います。生きづらいです。)


私も似たようなものなので、そこら辺は気にしません。


>>百合小説だと思って読んできた読者にすれば裏切られたようなものであり、私のように何かしらのテーマを期待していた者にも、「確かに意外だけど、それ意味ある?」という受け取り方でした。

>これもまた半分は嬉しく、半分は悲しいです。

百合小説だと思って楽しみに読んでいた人間はとつぜん自身の差別意識を顧みる羽目になるのですから、感情はすごく揺さぶられますし、心に残ると思います。

>ただその意図が、そもそもどの読者にも伝わらないのなら意味がないので。


ああ、ここがまず想定外なのかもしれません。

私は百合に思い入れが皆無なんです。

「一般的でない関係」と認識しているだけで、冬場さんが上で書かれた感覚に極めて近い距離で読んでいました。


なので、相手が女性でも犬でも、私にすれば大差なく「一般的でない関係」で、どちらも「差別はよくないな」としか思いません。

「確かに意外だけど、それ意味ある?」は、そういう意味で書きました。


>>もしこれが、「犬が好き」という事実によって、別の側面、別のテーマが立ち現れて、ここまでの彼女の主張が一気に別の色を帯びて輝き始める……という感じならいいんです。むしろ絶賛ものです。

>絶賛されたかった……


私も絶賛したかったw

まあでも、偉そうに書いておいてなんですが、自分に書けるかというとなかなか難しいテーマです。このケースでも色々改善案を考えてはみたんですが、成功するかどうか。


>コンセプトに気を取られすぎて、キャラクター造形がおろそかであったと思います。

>私は小説を、

>〈ジャンル・テーマ・コンセプト立て→ストーリー構成→キャラクター造形……→執筆完了→タイトル〉

>の順で作っています。

>コンセプトやストーリーに沿った人間を作るから、自分のキャラクターは時々おかしな行動をするのだろうなと薄々思っていましたが(今作だと、周囲にばれたくないのに大学のカフェでキスをする、進学しなければいいのに進学したがるなど)、今回ではっきりしました。>ありがとうございます。


いや、私も似たような手順で書いてるので、そこは全然構わないと思います。ごく自然です。

問題なのは、細部の穴を塞ぎ切れていないということかと。

読者が疑問に思う部分を執筆後にチェックし、あらかじめ対処して置けば、そう手間もなく直せると思います。大きな問題でもありませんので。


>何を伝えたいのかは上記の通りです。なぜそのように感じてもらえなかったのか、ご教授いただけると幸いです。それとも掌編小説に求めすぎでしょうか。


あれから私なりに色々考えました。

あくまで私という読者の受け止め方と前置きしておきます。


私は、「胸糞要素」がテーマの理解を邪魔しているのが原因だと思います。

主人公と詩織、どちらも前半までは共感できていました。

詩織ですら、普通によくいるタイプとして、共感というか納得はできていたわけです。無知から来る差別の典型だなと。


ですが、後半の胸糞要素の追加で、この共感は完全に破壊されました。ここは冬場さんは狙ってのものだと思いますが、テーマを伝える上では失敗だったのではないかと。


読者がキャラクターの言動から何かを感じる時、一番重要なのは共感しているかどうかです。自分と同一視しているから主張が刺さるわけです。「読者が詩織と自分を重ねて」差別と向き合うのが狙いだと冬場さんが書かれていたのは、まさにその通りだと思います。


ですが、胸糞要素を高めることは、共感とは真逆の方向性です。

読者は悪感情を抱くでしょうし、距離を感じるでしょう。

つまり「詩織や主人公の立場に立ってテーマを受け止められない」状態になってしまうんです。


同じ主張でも、尊敬する人が言えば受け入れるし、道端の狂人が言えば耳に入らないのが人間です。まして狂人の体験上の話なんて「狂ってるんだから私とは関係ない」と考えることも十分あり得ます。

そういうマイナスバイアスが、胸糞設定によって発生している、というのが私の分析ですが、いかがでしょう。


テーマを伝えることを最優先で考えれば、胸糞要素は絶対必要な要素ではないはずです。

例えば、主人公が壊れることなく鈴子の死を乗り越え、差別塗れで彼女のいない世界を達観して生きることを選んでいたら。

詩織が強要などせず、どこまでも「普通の人間」として描かれていたら。


その上で事実が判明し、詩織が拭えない嫌悪を覚えたら、どんな結末が待っているのか。

……と、胸糞要素を抜いた方が、双方に共感しやすく、よりテーマが明確に伝わるのではと思います。

どちらの気持ちもわかり、誰も悪くはないのに、二人の間には根深い差別が横たわっている。ある意味、より残酷な結末に持って行くことを、私なら選ぶかなと思います。


>これも前述の通り、ストーリー進行を優先しすぎたキャラクターの異常行動です。(今作はそう言った点が多いので、以下は「キャラクターの異常行動」と表記します。もう少しキャラクターを練ってから直します)


普通と異なる行動が一概にダメとも思いませんが、共感をキープしたい場合は、その行動を選んだ理由なり経緯を追加するといいかもしれません。「本当はこうしたかったのだが、こういう事情でこうせざるを得なかった」的な。


>私が通っていた中学では、結構ありました。「あいつホモらしいよ」みたいなことでいじめ……恐らく加害者側の認識は恐らくいじり(多分中にはいじめようとしていた人もいたと思いますが)……が発生すること。


ぶっちゃけ私の高校でも噂レベルのはありました。

男子校だったので、ホモの噂が立つとかなりツラいものが……

とはいえ、在学中それが続いたり、クラス全員にいじめられるというほど大規模かつ長期的なものではなかったので、極端かなと思った次第です。

これが「クラスの中心グループ」に限定される話なら、納得できたと思います。


>その通りです。私もいじめられたとき、不登校になったら負けだと思っていたので、なぜか登校し続けていました。今思えばしっかり休むべきでしたね。


確かに、私も休もうとは思いませんでしたっけ。

そういう感覚がない時代だったせいもありますが。


>無口であること、歯並びがいいことは本人の特徴で、名前は外因なので明確に分けて、かつ、名前までも愛している=その人のすべてを愛している、の意図で書きました。

「鈴子という名前も愛していた」だと、他と同列になってしまうので、「鈴子という名前すら(まで)愛していた」はどうですか。悪文ですか。


「最終判断は作者がされるもの」と前置きした上で。

個人的には名前は外因だと感じたことがありません。犬だから、という話かもしれませんが、人間だって自分で名乗らない限りは外因ということになりますけど、そんなことを考えませんよね。少なくとも私はそうです。というか名前こそ最大の特徴だと思います。


なので「鈴子という名前すら(まで)愛していた」と書くと、「前提として鈴子という名前はよくない」という意味合いに読めてしまうなと。確かに令和だと古めかしい名前かもですが、主人公はそこまで考えてるものかな、と疑問に思えたので、読者の誤読を防ぐ意味で私は平易に直した次第です。


>学校を休む=いじめっ子への敗北=いじめっ子の言うことは正しい=鈴子との関係は笑われて然るべきもの

>と主人公は考えている意図で書きました。

>実際、自分がいじめられているときもこんな感覚でした。言い返さないのは同意と同じだと。そんなはずはないんですけど、でもそういう考えの人結構いますよね。


ふむ。確かにここは私の主観が出過ぎていました。

意地という観点で見れば、こういう行動に出るのもわかります。


>>「あえて」の意味がわかりません。

>ありがとうございます。ここは、別にそんな必要もないのに、くらいの意図で書きました。


なるほど。

それなら「別にそんな必要もないのに」と書いた方が明快ですね。

「あえて」に違和感を感じたのは「普通は一番いい高校に行く」という前提があったからなので。


>ありがとうございます。この文は自分でも結構好きです。


こういうセンス、切れ味は素晴らしいものがありますね。


>主人公がなりふり構っていられなくっている描写のつもりでしたが、あまり納得感はないですか。もう少し考えます。


主人公の愛の重さを考えたら、まず県外の大学に行かない選択をするのでは、というのが一点。

もう一つは、鈴子の状態を誰より心配するはずなのに、自分が連れていける、面倒が見られると思えるのが奇妙に思いましたかね。離れ離れになることより、鈴子の体調、死別の方を心配しないのかなと。


ただ、なりふり構わない方向に主人公が動くのは、盲目的な恋の描写としてアリだとも思います。私ならもっと振り切って、鈴子を勝手に連れて旅行に行くとかしそう。それが原因で母親と致命的な亀裂が生じ、葬式に呼ばれなかったとか。


>主人公は鈴子が長くないことは知っているので、ここはスルーで問題ありませんでした。ただ読者にそのことが伝わっていないのは問題でした。それ以前の、薬の量が増えた、睡眠時間が増えたあたりで、ある程度予測は立つはずなので。


読者には想像はつきますが、同時に「主人公はなんで平然としてんの?」と感じると思います。一人称なので余計に。

鈴子が死ぬことについて、主人公が一度も言及していないので、ここを追加すれば解決すると思います。


>鈴子との関係を笑われていたことや、いじめられたことは事実ですし、この主人公はプライドが高いので、怒りを覚えるのは当然かと思ったのですが、どうでしょうか。


いじめへの怒りや、プライドの高さについては理解しています。


ただ、主人公が笑われているのは「女性が好き」というある意味誤解で、真相については伏せられたままです。

なので「鈴子との関係」という風に限定されると、「本当の関係について知られてもいないのに?」という風に感じられるんです。勘違いのまま弄られても、さして痛くないものですから。


>これは梶野様と私の感覚の違いかもしれません。

>私は家族同然の付き合いの人(あるいはそこで飼われているペット)が死んだとき、連絡をもらえなかったら嫌な気になりますし、怒りを覚えます。もちろん、向こうも色々配慮してくれたのだろうとは考えますが、理性と感情は分けて考えるので。


確かに私なら、嫌な気はしても怒りまでは覚えないです。

伝えなかった相手とも浅からぬ関係ですし。


ただ、ここの指摘は「もし鈴子と私が、誰にでも理解される関係だったらきっと、事故に遭ったときすぐに電話をもらえていた。」が事実かどうかなので、「(たとえ人間でも)絶対ではないと思う」という意味合いですね。

まあ主人公の主観だとすれば、突っ込む部分ではないかもですが。


>ここは主人公が、普通の恋人同士という文言を使って、自分たちをそもそも普通ではない(悪意を持って換言すれば異常)としてしまい、加えてマジョリティのカップルと比較し、卑屈になっているという場面でした。

主人公は、自分たちが男女だったら絶対連絡がもらえたのに!と確信しているけど、実際は分からないよね、という主人公にもある種の差別意識が根付いている表現です。


ふうむ。

確かに死別後の混乱状態なので、主観の正しさを指摘する意味はなかったかもしれませんね。


>これは私の感覚かもしれませんが、自分のことで手一杯の人間ほど、人からの善意や理解を過小に評価する傾向があるように思えて、そのまま書きました。怒りに関しても同様です。余裕がない人ほど理不尽な怒りを、無方向に向けているなと。


わからなくはないですが、破滅型というか、共感からは遠ざかる要素ですね。私の場合は、ですが。


>ここも、キャラクターの異常行動ですね。母親が合鍵を渡すとありますが、普通はそんなことしませんし、リアリティには欠けています。

>親密さを表すために合鍵を渡すという行動を取らせましたが、別の行動の方が良さそうですね。


私は合鍵を渡すのにリアリティがないとは思いません。

まあお人よしだとは思いますが、そういう女性は現実にいそうです。

犬好きで娘もおらず、主人公を自分の娘のように感じていたのでは、と想像していました。


まあ今後の展開次第では、合鍵は邪魔になりそうですけど。


>ありがとうございます。どの程度の漢字ならルビをつけるべきかの基準にいつも困っています。


読み返してたら、「涙に攫われた」もルビが欲しいなと思いました。


>私が通っていた学部がFランだったので、このような描写になりました。

>でも確かに、Fラン大学にも夢をもって積極的に動いている人は大勢いましたね。

>少し大学生をこき下ろしすぎました。訂正しておきます。


高偏差値ってあったので、余計違和感を感じた部分ですね。


>ありがとうございます。ここは前文の「刹那的」という言葉と対比させたいのですが、他に良い言葉はありますか。


対比させるなら、「永劫的」を選ぶと思います。

文の前後をいじらないと収まりが悪いですが。


>キャラクターの異常行動です。詩織と再会させるために大学に通わせていました。ただ、大学に在籍していればいいので、ほとんど欠席していてたまたま登校した日に鉢合わせる設定にしようかなとも思っていますが、ご都合展開でしょうか。


同じ大学に詩織がいる時点でご都合主義なので、問題ないと思います。

というか、舞台を大学にする必要性もさしてないのでは。

街中で偶然詩織と出会う流れでも、ストーリー的には問題ないかと。

大学に通うこと自体に意味がないなら、舞台自体を考え直してもいいかもしれません。


>ここはミスリードのためと、過去のいじめのひどさを表すためのAVでした。

>AVを見させられる=性愛対象は人間という、多少飛躍していますが、カモフラージュにはなるだろうと思っての配置です。


なるほど。

カモフラージュという意味では、確かに効果的ですね。


>確かに問題行動ですが、いじめなんてそんなものですから、あまりここの描写には拘ってなかったです。

>いじめは大義名分があればなんでもいいので、女なのに背が高いという理由でもいじめるものではないですか。女なのに髪が短い、女なのにがさつ、女なのに女が好き。

>男も女をいじめるでしょうし、そこに男女差はないと思います。


ふうむ。

私はいじめにははっきりと男女差があると考えています。

創作でもよく取り上げられる話ですが、男女ではいじめ方が異なります。女性のいじめは陰湿とかよく言いますよね。


クラス全員でいじめたとして、その傾向は首謀者によって違ってくるでしょうし、序盤の台詞を見るにこれは女性的ないじめなのだろうと察せられます。男がそこに加担する流れはありえなくはないですが、「AVを強制的に見せる」という行為は、他の女性まで引かせる行為なので、逆にリアリティがないなと感じた次第です。男主体のいじめなら、女性が絡まないのでわかるんですが。


>これは前述の通りです。なるべく詩織に悪感情を持たせたいという狙いがあったので。

>あと、恋愛に狂った人は、狙った相手と関係を持つためなら、何でもしがちだなと思ったので。


久しぶりに主人公と再会した詩織が、「恋愛に狂う」ほど思い入れがあったとは考えにくいです。


> 印象に残したい文章だったので改行しました。


前文の流れに乗せた方が印象づくと私は思いますが、まあここは作家の個性の違いということで。


>地の文にいやらしさを持たせず、扇情的な格好をしているということを表現したかったので、「夏らしい~」としました。一人称視点の文で、扇情的なというのも少し固すぎるので、もう少し考えます。別に詩織が胸出している必要はないんですけどね。


正直、ここら辺のやりとりは違和感の方が先に立ったので、いらない気もします。肌の露出と女性の性欲が関連づくのか、私にはよくわかりませんし。男性がそう思うならわかりますが。


>多少やり過ぎな方が、後に利いてくると思ったのですが、逆効果でしょうか。


逆効果だと思います。

前述しました通り、共感が切れた時点で言い分が陳腐化してしまうので。


>ここは「あとで(こいつの嫌がることを)してあげよう」というニュアンスでした。もう少し考えます。


主人公が本当に百合ならキスに抵抗ないのもわかりますが、そうじゃないですからね。男が同じパターンでキスまでするかというと絶対にしないと思います。嫌悪感が先に立つので。

犬趣味の女性だと、ここら辺はどうなんでしょうね。


>私の中では、ここからが本質だったので、伝わりきらなかったのは悔しいです。


原因分析は前述のとおりです。


>主人公は犬との性的関係を持っている人間という設定で書きました。

>「しているときもよく舌を出して」という文の、しているときは、性行為のことです。

>伝わりにくいだろうなとは分かっていたのですが、直接表現はしたくなくて、ぼかす書き方になってしましました。


この書き方だと、「キスしているとき」にも読めるのがわかりづらさを助長していると思います。

私ならそうですねえ。「しているとき」に傍点を振るとか。


>嫌悪感については、意見が分かれるのではないかと思います。ただ、詩織が嫌悪感を抱くのはキャラクター設定上、外せない要素かなとも思います。


確かに、テーマ的にも嫌悪感を抱く展開は必須ですね。

「犬との性的関係」については、いわゆる獣姦を想定してたんですが、「百合だとインパクトに欠ける」という欠点を見逃していました。


ただまあ、性的関係を明言はした方がいいとは思います。

「恋人同士」に傍点を振るとか、露骨すぎない表現で。


>メスとの恋愛ですが、そこを強調しても文のリズムが崩れるだけかなと思います。

>また、動物性愛者全般を指しての、犬との恋愛が普通だと思う人~なのでいずれにせよ整合性はとれているかと思います。


確かに整合性の問題はないんですが、「百合って話自体もデマ?」と

疑問に感じたので。イメージ的にかなり違ってきますし。(強烈さという意味では、百合でない方がいい気もしますが)


私ならですが、ここは強調しない書き方で触れておきそうです。

「私の普通は鈴子との関係だよ。」を「私は犬の女の子が好き。」にするとか。


>思ったよりも長くなってしまい申し訳ありません。

>文章を褒めていただけたこと、何より嬉しく思います。

>ありがとうございました。


文章力はまったく問題を感じませんでしたし、今回のやりとりでしっかり計算して書かれていることが改めてわかりました。

細かい指摘は、「私ならこう書く」なので、納得できなければ無視していただいて全然構いません。


もう夜が明けてしまいましたが、もし他にまだ確認したいことがあればいくらでも受け付けますので、お気軽にどうぞ。


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