【01】love letter.(白木犀) 読みながら感想
【01】love letter.(白木犀)
https://kakuyomu.jp/works/16817330660970151819
──はい、始まりました、じっくり感想企画2023。
今年のトップバッターは、白木犀さん。
昨年のじっくり感想企画に参加していただいて以来、ご縁の続いてる方です。
前回は正当ファンタジー小説でしたが、今年はえーと……百合小説。
むうう。
毎度のぼやきですが、梶野は百合と言うか、同性愛に興味がありません。
好んで買うこともあまりないですし、漫画でそれっぽいのを読んだことがあるくらいですね。
百合ものにも種類あるじゃないですか。
ライトな百合っぽい関係から、ガチのやつまで。
こんなことなら、「つきあってあげてもいいかな」(ガチ百合漫画)読んでおけばよかった!
まあ、最近は私もきらら原作のアニメとか見れるようになりましたし、そういう嗜好にも理解が出て来た気がしなくもないです。
自分で書いてみたいとまでは思えませんが、これを気に可能性が広がるかもしれません。
最初のタイトルですし慎重に、そして当然正直に感想書かせていただきます。
そうそう、アンケートのお答えをチェック。
・特に意見が欲しい部分。
→特にはないので、どのような意見でも嬉しいです!
・「梶野ならこう書く」アドバイスは必要か否か。
→どちらでも大丈夫なので、梶野さんの書きやすい方でお願いします!
・創作論「カメムシの小説雑話」への転載希望か否か。
→希望したいです!
とのこと。まあいつものスタイルで大丈夫かな。
それでは、さっそく始めましょう!
⬜️読みながら感想
二読の上で、読みながら感想を書いていきます。
>わたしにとって、誰かを愛することは恐ろしいことでした。
冒頭、初読の時にちょっと引っかかった覚え。
次の段落を読み切れば理解できるんですが、そこまでがちょい長いのかも。
私なら次文の「だから、時折天使がいなくなってしまうのが不思議でした。」は省きます。なくても意味が通るので。
>そんな言い伝えを天使のわたしは勿論知っていて、
現実に天使は消失してる事実があるので、「言い伝え」は不適切です。
私なら「ルール」とかにしますね。
>そしてその言葉と消失した天使たちを、心のどこかで愚かだと嘲笑していました。
ここから読み返すに、冒頭の一文は「恐ろしい」より「愚かしい」の方が相応しいかも。
物語の展開的にも、恐れより馬鹿にした言動が強い印象でしたし。
まあ、ここはキャラづけで好み分かれる部分かもですが。
>わたしたちは世界に、そして人に絶望したからこそ天使となったはずなのに。
この一文は、設定が簡潔に説明できていていいですね。
詩的というか、雰囲気もよいです。
>数多の人の悲しみを閉じ込めたような青色でした。
悲しみを閉じ込めたような青……いまいち想像できません。
数多であまたと読ませる言葉遣いも、初読時は「天使なんだし時代がかった言葉遣いなのかな」と思っていましたが、後にメンタルが現代の高校生だと知ったので、読み返すと違和感がすごいです。一人称ではキャラに即した表現を徹底すべきかと。
>わたしはゆっくりと翼を動かしながら、
どうにも間抜けな絵面に思えます。
現実の生き物でなく羽ばたく必要もないので、ゆっくりでも問題はないと思う反面、「なのに翼は動かさなきゃいけないんだ」と読める辺りがそう思わせるんでしょうか。
翼があることを書いておきたいが故の描写だと思いますが、私なら「翼を広げ」くらいに留めそうです。生っぽさが出過ぎると天使感が減るので。
>自分を包む大空を眺めていました。
空中にいるのは伝わりますが、どこを見ているのか視界の方向が伝わりません。
次文に「身を捻って見下ろせば」と続くので、そこでやっと上を見ていたとわかるので、引っかかる部分です。「大空を見上げていました」と書いた方がスムーズです。
そもそも、ここの空の描写自体が不要とも言えますが。下界を見下ろすところから書けば、空にいることは伝わりますから。
>そのうちの幾らかは自死を選んで、わたしのような天使になるのでしょう。
ここ、初読みの際はかなり驚きました。
天使というとキリスト教由来ですが、キリスト教では自殺は厳禁ですからね。
設定自体はすごくいいと思うんですが、キリスト教の天使と真逆なのは流石に違和感。
設定的には死神の方がしっくりくるんですが、まあイメージ合いませんよね。
私ならどうするでしょうね……設定は同じで、天使の呼び名だけ微妙に変えますかね。
「御使い(みつかい)」とか「落穂拾い」とかいいかも。天使の下請け的な。
>視界に入る自身の長い髪、簡素なつくりの衣服、細く伸びている手足――そのどれもが真っ白なのでした。
上手くない描写の入り方です。「視界に入る」が不自然で一人称ぽくありません。
私なら「長い髪も手足も、服までも真っ白な天使に。」とします。
>恐らくわたしの赤色はあのときに全て零れてしまって、向こうの世界に置き去りにされてしまったのだと思います。
向こうの世界? おそらく現世のことだと思われますが、この書き方だと死後の世界にも読めます。せっかく眼下に現世があるんですから、「地上」とかの方がわかりやすそう。
>ああ、少しだけ……恋しいのでした。
人間への未練と読めますが、冒頭の感情と矛盾して見えます。
>誰かが泣いている声が聞こえた気がしました。
ここから始まる段落は必要ありません。
さしたる情報もないですし、冗長なだけです。
さらに言えば、主人公が未練たらたら過ぎて、冒頭のイメージからブレています。
後半に揺れ動くならともかく、この段階では愛を捨て愛を笑うイメージを通すべきです。
>かつてわたしは、女の人と男の人が愛し合う物語が氾濫する世界で生きていました。
一人称としては無論、三人称でも微妙な表現です。
大仰にすぎるというか、現代舞台の話から遠ざかると言いますか。
>お母さんが言います。「××(もう思い出すことのできない、昔のわたしの名前)は、一体どんな男の子を好きになるのかしらね」お父さんが言います。「××が嫁に行くときが楽しみだよ。きっと素敵な旦那さんを見つけるんだろうな」お姉ちゃんが言います。「私、彼氏ができたんだ。××にも彼氏ができたら、一緒にデートしようね」
お父さんはこんなこと言わない(真顔)。
話の筋書きの為に言わされた感満載です。いっそ父親は省くべきです。
姉の発言はまあよいとして、母親もかなり微妙。
家族がそういう話になるのって、事後報告からだと思うんですよね。姉の結婚のおりとか。
そういう意味では、姉→母の順に並べれば幾分ましになると思います。
あ、父親は抜いてください。こんな父親はこの世に(自主規制)
>彼女は小学校五年生のとき、出席番号が近く隣の席だったことで仲良くなった人でした。
前後ならともかく、隣って出席番号が近いもんですかね?
「隣の席だったことで」で十分かと。名前も覚えてないんですし。
>お母さんが、お父さんが、お姉ちゃんが教えてくれた「正しい愛」とは絶対に異なっている
百合感情は詳しくないので触れませんが、家族が「正しい愛」を教えるという表現に、恐ろしく違和感を覚えるのは私だけですかね。むしろ普通の家族って、男女の愛を教えたりします? 私にはそういうイメージ皆無です。
例えばそう、身内にレズビアン(兄がいてゲイだったとかでも)がいて、特に異性愛を強要されてきたとか、そういう特殊な家庭という流れなら理解できるんですが。
そもそも恋愛知識って、家族より友人とか娯楽から先に入るものと思いますし。
>行き過ぎた友情に振り回される日々は、酷く苦しかったから。
振り回される描写がないので、共感しづらいです。
秘めた恋心を胸に主人公は友人とどう接していたのか。失敗したり、危なく気持ちが漏れ出たりしたんでしょうか。そういう部分をこそ、書いて欲しいところです。
>――早く、誰かを、愛してみたい。
言いたいことは伝わりますが、ちょっと弱い。
愛するというだけなら、友人に対するものも愛な訳です。主人公が認められなかっただけで。ここで主人公が本当に求めるのは「本物の愛」、つまり家族が認めてくれるような愛ですよね。
なので私なら「早く「本当の愛」を見つけなければ」と書きます。
友人への思いがただの友情だったと安心したいわけです。
>家族から「正しい愛」について幾度となく聞かされながら、わたしは少しずつ、少しずつ病んでいきました。
この家族、一体何を求めてたんですかね?
「彼氏のいない女子中学生に人権はない」くらい言われなければ、普通病まないと思うんですが。
>中学二年生の半ば頃から、女の子たちに虐められるようになりました。机に書かれた「死ね」「消えろ」「殺すぞ」という言葉よりも、「男好き」「ビッチ」という言葉の方に心を砕かれました。そうなれたのなら、どんなによかったでしょうね?
前段にもありましたが、主人公はクラスメイトの男と話をしてみただけですよね?
それくらいでこのレベルのイジメに至るのは、ちょっと無理を感じます。「次々とつきあう男を変えた」とかなら納得なんですが。或いは「複数から告白されたが全員断った」くらいでも。「クラスのリーダー格が好きな子と仲良くしてたのが気に食わなかったらしい」とかもありですかね。
>異性と喋る機会が多いからと短絡的にそれを愛と結び付けられる方が、余程その素質があると思いました。
ここの「愛」は違和感あるので、「恋愛」の方がよいです。
>夕陽の差し込む教室の静寂を汚すように、わたしの泣き声が響いていました。掃除当番の人が捨て忘れたごみ箱を漁りながら、
描写もイマイチですが、何より一人称の視点から外れています。
私なら「夕日の差し込む教室で一人泣きながらごみ箱を漁っていると、」。
>そんな願いを考えていたときのことです。
「願いを考える」って、言いますかね?
ちょっと調べてみましたが、ネットだと例のない言い回しです。
文法的に正しいかは私にはわかりませんが、すでに中身のある願いを「考える」というのはどこか違和感を覚えました。
「願い事を考える」……でも微妙か。
私なら「そんなことを願っていたとき」または「そんなことを考えていたとき」のどちらかにすると思います。
>わたしは加害されるのかと思い何秒か呼吸ができなくなり、ようやく息を吸えた頃に振り返りました。
ちょっと説明口調が過ぎます。
「加害されるのかと思い」とか、ギャグに片足突っ込みかけです。
「わたしは何かされるのかと思わず息を詰め、怖々と振り返りました」くらいですかね。
>同情するように微笑うこともなく、つまらなさそうにそれをわたしに向けて差し出していました。
正直、この描写からは黒髪の少女の気持ちが読めません。同情はしておらずつまらなそう、としか。
むしろなぜ裏庭から本を拾ってくれたのか、謎なくらいです。
思うに、「つまらなそう」という描写から、隠れた気持ちが読めないのが一因かなと。
「彼女は人形のように感情を見せなかったが、嘲りや同情の色もなく、私は不思議に安心した」みたいな感じなら、表情に乏しいながら親切な子で、主人公から接近したんだなと思えませんかね。
>わたしは震えてしまう声で
ここもおかしな言い回し。
>彼女との関係性はどこか背徳的で、甘美で、そして……わたしが彼女のことを好きになってしまうのに、そう時間は掛かりませんでした。
いやいやいや!
放課後に一緒にいるだけで、ここまですっ飛ばすのは端折りすぎです。チョロすぎです。
彼女がどんな子かとか、どういう話をしたとか、どういうところが好きになったとか、簡潔でいいので並べておくべき場面でしょう。
百合恋愛ものの一番美味しいところじゃないですか!
>わたしは耐え切れなくなって、程なくして家族にこのことを打ち明けました。
うーん。普通に考えて、性の悩みを一番に家族に、それも全員に打ち明けます?
しかも「正しい愛」とやらを説いてきた総本山に。結果最初からわかってるって話です。
そもそも、片思い段階で確かめたいのは、まずもって相手の反応でしょう。
「女同士とかどう思う?」とか、それとなく探り入れて。
その上で伝えるべきかどうか悩んだりするものだと思いますが。一般的には。
そこをすっ飛ばして、元より否定的な家族に相談する展開は、無理がありすぎると思います。
相手に告白して、OKもらえて、それからやっと家族じゃないですかね?
別に家族に伝えなくても、二人で十分幸せになれるんですし。
>そんなことありませんよと嘘をついて、代わりに下らない話をしました。
「……××、何かあったの?」の答えとして、「そんなことありません」は変です。
「別に何もないよ」辺りが妥当でしょう。
>彼女が可笑しそうに笑って……その綺麗な表情を見て、わたしは死ぬことを決めました。
えっ。
この部分で、死にたくなる要素ありました?
すみません。百合に疎いせいかもですが、私には皆目理解できません。
>天使には役目があり、それは死にゆく人がこちらの世界に来る際の橋渡しをするというものでした。
役割的には死神ですよね。
「死にゆく人」と書くと「死のうとしてる人」とも読め、例えば天使が自殺教唆するようにも読めるのですが、この場合どっちなんでしょう。
本編の中ではそういう活動は見られなかったので、「魂を天に連れていく」という意味合いですかね?
もしそうなら、「死にゆく人」より「死者」とはっきり書いた方が伝わりやすいと思います。
>わたしが天使となってから一年ほどの時間が経過しており、
この文から始まる段落も、長いわりに当たり前のことしか書かれておらず、冗長です。
この次の段落と足して、文字数を同じにするくらいでちょうどいいです。
「人は皆いつか死ぬ運命を抱えながら生きている」とか、誰でも知ってことを長く書く必要はありません。
>人は誰かが本当に大切にしているものを、簡単に土足で踏み荒す生き物ですから。
友人との別れ方が意味不明なので、ここも感情移入できません。
これが友人に裏切られて自殺したなら、世を恨むのも理解できるのですが。
>わたしは少しだけ、もう動いていない心臓を掴まれたような心地に陥りました。
「少しだけ」は不要です。
>……それは、船香が死んだ頃のわたしと殆ど同じくらいの年頃だったから。
ここ。こう書くと、驚いたのは、船香が同年代だったからに読めます。
流石にそうじゃないですよね?この後の「彼女は酷く痩せ細っていて」ですよね?
もしそうなら、順番の前後を入れ替えるべきです。
「彼女が酷く痩せ細っていたから。わたしと同じくらいの年頃なのに」の方がスムーズに読めます。
>少しばかり色素の薄い瞳の色をしていて、それは仄暗い紅葉の森を想わせる深淵さでした。
紅葉の森の形容は割と嫌いじゃないですが、色素とか深淵とかは説明しすぎ、形容過剰です。
「黄昏時の紅葉を思わせる瞳」くらいで十分じゃないでしょうかね。
>病に冒されているなど、もうすぐ死を迎えることなど、全く感じさせない太陽のような笑い方でした。
ここ、船香自身は、病で自分が死ぬことを知っているんでしょうか?
それによって受け止め方がかなり違ってきます。
この後でも明言されていないので、わかっているなら説明すべき情報です。
>ふと、この人の愛について知りたいと思いました。
はよいとして、
>どうせあなたもあの人たちと同じように、普遍的な愛を愛しているのでしょう……?
なんで友人や家族のお見舞い後の場面から、恋愛に話が飛ぶのか理解不能です。
「人間はクソ」を受けての「友人も家族もクソなのにww」と嗤うならわかりますが。
せめて恋人らしき相手が出てくる場面とかからの連想にすべきかと。
>少しばかりの模様が入った真っ白な便箋を広げて、年季の入った鉛筆を大事そうに持ちながら、
なんか「少しだけ」とかさっきから余計な「少し」が目立ちます。
当然ながら、ここの「少しばかり」も不要な情報です。模様が生きる話ではないので、「真っ白な便箋」で十分。
「年季の入った鉛筆」もおかしな表現です。鉛筆は使い捨てですよ。万年筆とかならまだしも。
>幾つもの思い出と感謝の言葉に溢れたそれは
ここ、手紙が誰に向けられたものか書かれていません。
おそらくは見舞いに来た人とかかなと想像しますが、これは家族愛とか友情の話ですよね。
主人公のこだわる「普遍の愛」と方向違って来てるような。
>けれどそれと同時に、わたしは船香を尊敬しました。
えっ!?
いや、早い早い。チョロすぎでしょう。
それに、この手紙は恋愛のものじゃありません。いわば隣人愛です。
主人公のこだわりはどっちなんです? 恋愛? 隣人愛?
なんかごっちゃになっていますよ。
>わたしが船香のような状況に置かれたら、容易に世界を、そして人を憎むでしょうから。
えーと、病気になったらってことでいいんですかね。
まあ運命を呪うとかはありそうですが、人を憎む理由になります? 病気って。
まあ、キャラの個性と言われればそうですが、共感しづらい主張です。
>船香はわたしと似ているようで、ちっとも似ていないのだということに気付き始めました。
どっか似てるとこありましたっけ。
振り返って読んでも、年頃くらいしか共通点ないような。
>わたしは彼女の耳元にそっと自身の唇を近付け
「自身の」はいりません。他に誰の唇があるんですか。
>わたしが言葉に殺されたように、きっと言葉には目に見えない力が宿っていて、それを世界に聞かせることに意味があるのですから。
言霊は私も信じてるクチですけど、聞こえない言葉に力はないと思いますよ。
「世界に聞かせる」も、よくわかりません。
「あなたの愛を見せてください」を世界に聞かせる意味とは。
まだ「世界はクソ」と疑ってるんですよね?
>少しばかり口角を歪めました。
また「少し」!
「口角を歪める」も、一人称で使う言葉ではありません。
>船香は紅葉の色をした目を丸くして
そうそう。これくらいでいいんです。
>わたしはその様子を、自身の腕を組みながら眺めていました。
ここも「自身の」は不要です。他に誰の(ry
>ねえ、船香。結局あなたも人なのでしょう? 見せてくださいよ、あなたの汚いところを――
あんた、30行くらい前に「船香を尊敬しました」言うてたやないかい。
>船香のもうすぐ終わってしまう肉体は、少女の体躯を慈しむように抱きしめました。
この場面でこの文章は、一周回ってギャグですね。
「もうすぐ終わってしまう」はまだしも、「体躯」て。
日本語として誤りではないですが、百合の恋愛シーンで少女に使う表現だと思えません。
「体躯」は「体格」と同義で、およそ男性的な意味合いで用いられるので。
参考:https://reibuncnt.jp/20000
>ああ――わたしはもう、この場所に留まることが、できそうにありませんでした。
んん?
ここも私には理解不能です。なんで主人公は逃げてるんです?
主人公がかつての友人に手ひどい扱い受けて死んだ、とかならわかりますよ。
こんなふうに優しくふってくれる人もいるんだなと。眩しすぎて見ていられないと。
でも、違うじゃないですか。
主人公は友人に告白しませんでしたし、フラれもしてないですよね?
なんだかよくわからない理由で、自殺してしまいましたが、友人が無意識に主人公を傷つけたようにも思えません。
ここの主人公の反応、すみませんが私にはさっぱりです。
> ――わからないけれど……わたしはきっと、この人に救われたのでしょう。
前段を理解していないので、当然ここに至る理由も謎のままです。
まあ、百歩譲って船香の隣人愛に打たれたというのはわかります。(後で呪ってたけど)
ですが、主人公の死因は許されなかった同性愛で、そこに関する限り、船香も許してないわけで。
友情を壊さぬよう、丁寧に断ったというだけの話ですよね。
何をどう救われてるのか、そこのところが私には理解できません。
私が理解できそうな話の筋書きを考えるなら……そこは後述しましょう。
>自分の翼が段々と壊れていって、病室に舞う雪のような羽に囲まれながら
「ゆっくりと壊れていく私の翼から、雪のように白い羽がこぼれ、病室に舞う。」
>――わたしには、時折見る夢がある。
ここからの描写は、メルヘンチックで悪くないです。
大仰な言葉遣いもファンタジーで補正されるので。
>そうすると決まって、一人の少女と出会うのだ。
ここの主体と少女が誰なのか。
一読目は普通に主体が船香で少女が元天使かと思ってましたが、あれ?
よくよく読むとどうとでも取れて、意味がわからなくなりました。
>真っ直ぐな茶色の長髪は、時折柔らかな風になびいて形を変える。
ここに髪色があるので、調べたら誰かわかるだろうと検索してみましたが、「茶」でヒットするのは、船香の瞳だけです。……誰やねん、茶色の長髪!!
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