第18話
◆
午前中に美波を訪ね同席することを願ったところ本音では断りたいという気持ちが見えたけどあえて気付かない
いざ話をすると冬樹は許してくれそうで、今日からすぐにとはいかなくても前の様な関係に戻れる予感がした。
また、今後のこととして冬樹が
「美波のように
と言った
冬樹の言う通り鷺ノ宮が抑えられない状況になっているので美波や二之宮凪沙みたいな美少女と
ひどい目に遭わせた二之宮凪沙や、裏切った美波のためにそこまでできる冬樹はやっぱり優しい自慢の弟だと再認識したし、だからこそ最初から信じてあげられなかったことが悔しいし愚かな自分が憎くもなる。
それはそれとして、途中から会話に加わった
私も美波を含めた3人の姉という意識が常にあるから、一歩上の目線から見守るという視線になりがちで、それは高校時代までの美晴さんからも感じていたことだ。その違和感も気になりはしたが、まずは美波のための問題を片付けるのが最優先だと思い、意識の外側へ棚上げした。
美晴さんが大学の単位もほぼ取り終えて就職活動に備えていきたいから実家へ戻ろうかという話をしたり、私の受験勉強について夏休みに合宿へ行くかどうかなど雑談をしつつ、夕方になったタイミングで
冬樹、春華と共にリビングへ入ると、突然冬樹が苦しみうずくまってしまい、すぐには良くなる気配がなかったので119番通報し救急隊員によって病院へ担ぎ込まれることとなった。救急隊員について行ったのは母さんで、父さんと春華と私、それに救急車に気付いて様子を見に来ていた美波と美晴さんも一緒に病院へ向かった。
検査の結果、脳などに異常はないから精神的なものではないかということだった。
要は私達家族は冬樹を追い詰める存在になってしまっていたことを突き付けられたのだ。
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