たった一つの大事な「選択」

ぴざにーと

第1話

ある夏の日、僕と貴女は結婚をした。


若い頃から結婚に憧れていたが、モテない自分とは無縁な話だと思っていて、結婚なんか絶対に出来ないと思っていた。


人生初めての彼女が出来た。

でも幸せな日々はすぐ音を立てて崩れて行くもの。彼女側の"浮気"だ。

もちろん僕は発覚した時に、生きてる心地がしなくて自殺だって考えた。それでも貴女は涙を浮かべ、ずるそうに言った。「もうしない。貴方と離れなくない。」当時の経験の浅い僕はその言葉を鵜呑みにして、別れずに貴方と一緒にいる選択をした。


その選択は未だに、正しかったのかは分からない。人生は選択の連続と言うが、正しくそうだと思う。その選択は間違いかもしれないし、正しいかもしれない。そんなのは選択してみないと分からない。


そこから僕は"結婚"と言う選択を取った。

プロポーズが成功した時は、飛び跳ねる程喜んだ。


キミと出会ってから、たわいもない日常が幸せな日々に変わった。今一度感謝を伝えたい。

「ありがとう」


子宝にも恵まれ、本当に幸せだった。結婚と言う選択は間違いではなかったと思えた。


でも現実は残酷な物だった。


妻が亡くなった。原因は不明。

本当に何も出来ない自分が悔しかった。

そこからと言うものの、仕事も何から何まで手が付かなかった。息子達にも酷い姿を見せてしまったと思う。


それから妻の死について分かったことは、他殺と言うことだけだった。隣人関係も良かったし、愛想も良く、周りとは仲睦まじくやっていたと思う。誰に殺される程の恨みを買っていたのだろうか。考えれば考える程分からない。


葬儀諸々終わり、少し時間が過ぎた時、ふと妻の墓参りに行こうと思い、直ぐに用意して霊園に向かった。


墓の前で僕は一言。

「もうこれで僕とは離れなれないね」


僕の選択は間違いではなかったのだろうか。

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たった一つの大事な「選択」 ぴざにーと @kutapuu

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