キラキラと輝くもの(23年5月4日)

2023年5月4日(木)

曇り


 朝起きたら、第5回偽物川小説大賞(https://kakuyomu.jp/user_events/16817330653843174017)の結果が出ていて、一瞬で目が覚めました。


 結果は金賞!

 やったーーーーー!!!!!!!!!!!!! おめでとうございます!


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参加作「すべては所詮、愛の偽物。」

https://kakuyomu.jp/works/16817330656480296809

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いっぱい褒められた講評はこちら。うれし〜〜〜〜

https://note.com/tantankyukyu/n/n8e344a032f4d

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「圧巻」「破壊者」「怪作」とめちゃくちゃ褒められたので、調子にのってダブルピースで野原を駆け回っていました。本日福岡県でダブルピースの奇行人間を見かけた方がいらっしゃいましたら、それは私です。ご迷惑をおかけいたしました。


 遺伝子技術を巡るガールズ・ラブ&コン・ゲーム小説となっています。

 ご興味のある方はぜひに〜〜〜。


 参加者のみなさん、そして全作講評という大変なお役目を全うされた評議会のみなさん、本当におつかれさまでした。



 そういうわけなので、今回は作品の創作メモがてらの日記になっております。何を考えながら書いたのかを記録しておくのも良いかなと思いまして。

(ゴールデンウィークが薄味だからというのもある)

(いつもより結構長めです)

(作品のネタバレはありません。コン・ゲーム小説のネタバレ、読みたくないでしょ?)


 まず偽物川小説大賞というのは「偽教授」氏(@Fake_Proffesor)が開催している、アマチュア作家向けの私設賞となっています。私も存在を知ったのは一年未満内くらいで、偽教授氏が開催している他の自主企画に参加するようになってから、その名前を目にするようになりました。


 ちなみに名前を目にするようになって過去の「偽物川小説大賞」の作品をいくつか読んでいたのですが、全体的にクオリティがめっちゃ高くて「ほんまに…?」となっていました。

 また「全作講評」という、3名の評議会の方が全作読んで講評を行うという非常に贅沢な企画にもなっており、正直「アマチュアの企画でこれだけの規模で全作講評やってるの狂ってるな…」と思っていたのですが、それは私が無知なだけで、全作講評の企画が意外にも多いのは後に知ることになります。今でも狂ってるとは思ってます。狂いが本当にありがたい。


 偽物川はやたらと難しいお題に対してやたらとハイクオリティな作品が集まってくる企画ということで、私は「まあそんな魔境に飛び込むほどのもんは書けねえしなあ」くらいに元々思っていたのですが、自主企画への参加が存外に楽しくなっていたのと、その自主企画の参加作が評価されていたので調子にのっていたこともあり、「記念受験しよ★」という気持ちで参加することにしたわけです。

 Twitterや文芸Discordサーバーなどで交流のある方達も参加しているので、お祭り気分もありました。おいさおいさ。


 そして今回のテーマはずばり「ニセモノ」。

 広すぎる〜〜〜〜8LDK〜〜〜〜って思いました。


 過去の偽物川作品を読むと、テーマへの回答が本当に鋭いものが多いという感じがしていました。参加するからには良い講評をもらいたい!という気持ちもあったので、いろいろと考えていたのですが、ま〜〜〜〜〜〜〜〜〜なかなかアイデアが出ませんでした。


 私は「アイデアは出るまで待つ」タイプで、頭の中の思考リソースの片隅に「ニセモノ」というタスクを常時稼働させて目に入ってくるものが「ニセモノ」フィルターに引っかかったらそこから思考を芋づる式に引き出してアイデアにまとめていくという感じにしていたのですが、世の中ニセモノもホンモノも普遍的に存在しているので、ずっと「8LDK〜〜〜〜〜〜」って思ってました。


 とりあえず最初に書き始めたアイデアは「AIで人格を再現する」というものでした。ChatGPTが流行っていたからです。さらにその頃「姉妹もの」の作品に触れていたので「おねえちゃんが結婚してさみしい妹がおねえちゃんのAIを再現する話とかかな〜〜」と思い書き始めました。


 私は企画の作品を書くとき、常々「読んだ人にお土産を持って帰ってほしい」という気持ちがあり、具体的に言えば「何か驚きがあってほしいな」ということを結構考えています(作品にもよりますが)。私の作品制作の根本動機は、これまで私が触れてきたものたちへの「恩返し」なので、人が読むことを想定している作品では、読んだ人に対してそういう喜びを持ってもらいたいなと思っています。


 AI人格の話は「AIが暴走する」「それを消そうとする」「そのためにホンモノの姉が必要になる」「しかしAI姉はかなり精巧だったため、ホンモノの姉がニセモノと同調する」というところでニセモノとホンモノの境目を書けたらいいかな〜〜〜と思っていたのですが、同調したあとのオチが何も思いつかないし、同調したらもうほとんど滅びの結末になる。AIものは絶対にやってくる人もいるだろし、ネタ被りも怖い。AIものだとオチになりそうなものを思いついても驚きが少ない凡百な感じに収まりそうだな〜〜と思ってボツに。


 それで次に考えたのは「結局書きたいものじゃないといかんよな」ということだったんですが、私は百合が好き。最高。将来の夢は百合作品です。お花が咲いていますわ〜ということで百合、あるいはガールズ・ラブがやりたいなということを考えました。


 で、ニセモノ要素はどうするかというところで、「コン・ゲーム小説」であれば作品ジャンルという根本的なレベルでテーマを打ち返せるということに気づきました。「詐欺師はニセモノ」というのは特に説明しなくても伝わりやすいだろうなと。


 またAIを題材にしていた時も思いましたが「今書くことに意味がある題材(=常々話題に上がりがちな題材)」は読者もすっと頭に入ってきやすいかと思い「同性婚」を題材にすることで「同性婚」「詐欺師」、つまり「同性婚を専門にした結婚詐欺師」の話を組み立てようという方針になりました。


 問題はそんなもん書いたことがないということです。コン・ゲーム小説、好きですけど書くとなると話は別というか、そんな難しいもんを書くにしては時間が足りなくない?と思っていました。

 でも難しいジャンルならネタ被りもワンチャン少ないか…?と思ったのと、この時点でテーマ発表から2週間くらい経っていたので、時間もないし無理矢理書き始めました。(企画参加のときはなるべく書いたことのないジャンルを書きたいという気持ちもありました)


 当初の案は本当に結婚詐欺の話で「結婚詐欺師と詐欺相手の社長令嬢が、協力して会社の乗っ取りを企てる」というプロットでした。これは書いているうちに「会社の乗っ取りがオチになると全然気持ちよくない」ということに気づいて大幅に方針転換。

 同性婚をもっとプロットの重要なところに置いた方がいい思い直し、もう少しSFチックに「同性婚が合法化したあとの世界」を想起させるという方針にまとまりました。

 もともと科学・テック系の情報を色々見ていたのもあり、そこから「遺伝子工学」を想起するのは難しくなかったです。これは「ニセモノ」と絡めやすいし、題材として難しいから「AI」よりは勝ち目があるかも…ということでプロットに組み込みました。


 あとは書いた通りです。今回はSF的な要素も含んだので「実際の所」を調べる時間が足りず、設定に表層的な部分も多いのですが、ガバのあるところは目をつむりながら書きました。法律の知識も付け焼き刃すぎるので、もう少しどうにかしたかったな。



 書いていたら結構長くなってしまいました。

 でも創作メモを読むの、私も好きなので、そういうのを読むのが好きな人が読んでくれたら良いかなと思います。


 ちなみにこの日記のタイトルは「筋肉少女帯」のアルバムタイトルです。

 なんでって?

 「金賞」だからね…?

 アルバム名もぴったりでね…?



 最後にもう一度作品URLを貼っておきます。

 

「すべては所詮、愛の偽物。」

https://kakuyomu.jp/works/16817330656480296809


 是非是非お読みください。

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