第4話 二人じゃなきゃ?

 後日談を。


 今日は何度目かの陸橋での待ち合わせ。あれからここでほんの30分ほど、お互いに用事がなければだけれど、二人で会話をするのが日課になっている。6階さんは平日しか会社に来ないから、土日はここにいないし、誘えない。今日は金曜日。


 そろそろ、ここでだけ会うのはもどかしいと私は思ってしまっていた。


 たまに、二人で陸橋の下をのぞき込むときに、距離が近くなる。腕と腕がふれるほどには。彼女の私への好意が友達以上なのではと勘違いしそうになる。


 土日のどちらか、誘ってみようか、。もし断られたら、ここで会う関係以上は求められていないと割り切れば良い。うん、なんのことはない。彼女からしてみればちょっとした非日常的な知り合いとの時間が楽しいだけなのかも知れない。休日に誘うくらい断られたとしてもそれほどショックなことでもない・・・と自分の心の整理をした。


 さ、軽く。軽く言ってみよう。



「あの、」

「あのっ!」


「あ、先にどうぞ?」


 タイミングが悪かった。二人同時に話しかけてしまった。ちょっと照れ隠しに頬を掻き、先を譲る。


「あのっ、明日って何か用事とかありますか?」


「え、特にはないけど?」


 6階さんがまっすぐ私を見て言う。


「明日、誕生日なんです。一緒に居てもらえませんか?お祝いして欲しいとかじゃなくって、ただ一人でいるより一緒に居て欲しいなぁ、と。」


明日会いたいと自分が言おうとしていたのに、先に相手から言われたことにドキドキした。


「そうなんだ。もちろんそれは喜んでって感じだけど、そんな大事な日に私といるなんて、、いいの?」




「陸橋さんが、、貴方とが良いんです。明日は・・・」



「二人じゃなきゃ、嫌なんです。」



 

 私も。


 二人じゃなきゃ嫌なの。






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終わりです。

明日、別の二人の話で「二人がいいの2」をアップします。




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【GL】二人がいいの 陸橋さんと6階さんの話 葉っぱ @gibeon

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