その告白

友川創希

本文

 ――まだ1ヶ月くらいしか付き合っていない彼に今日、告白された。


 それは本当にそれは突然で、彼と恋愛映画を見に行った帰りだった。


 告白は嬉しいけれど、こんなにも早すぎる告白に私は正直戸惑っている。私の中では早くとも半年後の話だと思っていたから。でも、もちろん私は彼のことが好きだ。彼を好きになった理由は、私の才能を認めてくれたからというよくありそうなものだったけれど。


「なんでこんな早く?」


「告白はいつからしていいなんていう定義はないいだろ? 想いがあるならさ」


 彼はそう言って私の手を握った。


「うん、じゃあこれからよろしくお願いします」


「いいの? こんなに早く決めちゃって」


「うん、だって想いがあるならいいんでしょ」


 私は、彼の告白を受け入れた。彼とずっといたいという想いが、受け入れるかを考える前に勝ってしまったから。


「じゃあ今日はうちで、君の好きなコロッケ作ってあげる」


「やったあ!」


 実はまだコロッケを作るのは練習中であまり上手くないのだけど、想いがあるのなら、上手くなってから作らないといけないなんていう定義はないのかもしれないと思ったから。


 私たちは手を繋いで、私の家へ帰った。

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その告白 友川創希 @20060629

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