この男―――出来る。

かつての勇者にして栄光を捨てた主人公。
ところどころ規格外な能力を伺わせつ普通な感性の持ち主なものだから、ヒロインたちに割と手玉に取られているらぶこめ感も良きです。
あと作中に登場する作者の造語? なのか『十二騎城』といった語感もセンスがあると思います。

そして7人のクセつよヒロインをしっかりと書き分けているのも見事ですが、どこか不穏な空気と影を伺わせる世界観ながらも、王道的展開に割と強めの下ネタをぶっこんで、飽きないテンポや語感のリズムや文章の韻の踏み方まで考慮した、いわゆる〝読ませる〟文章を意識されているのが素晴らしいと思いました。