真実ポスト

第1話 プロローグ

彼は昼のラーメン屋にいた。

　コンビニよりひとまわりもふたまわりも小さいカウンター席だけの昔懐かしなお店。

　ズルズル…

　イラッ

　ゾーー！

　イライラッ

　ジュルルルル！

　イライライラッ

　店中に響き渡る、麺をすする音。

　彼はこの音が生理的に受け付けなかった。

「ごちそうさま」

「ありがしたー！」

　ラーメンとチャーハンで腹をいっぱいにし、店を出た直後から彼は決意を固めていた。

「ラーメンをすするのは悪と！我が国民に刷り込もう！」

　そう、世間に対し、印象操作をする決意を。

　・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

「巷（ちまた）では今、こんなハラスメントが話題です」

　キャスターが原稿を読み上げ、その後映像が編集されたVTR切り替わる。

『外国人観光客が訴えるヌーハラってご存知ですか？──────────

　日本国を操っているのは総理大臣ではない。ましてや天皇陛下でもない。

　テレビの報道機関（メディア）だ。