　雨は降ったり止んだり、また降っているような、恐ろしく寒い日。

　体調は昨日より少しマシ、ぐらいなのにロースカツカレーなんてものを食べてしまった。いやしかし、どうしても食べたかったのだ。

『ゴーゴーカレー』が、山陰初出店と聞いたので。

　『ゴーゴーカレー』のフランチャイズで、テイクアウト・デリバリー専門の『金沢カレー研究所』というのが過去にはあったらしいのだが、今は無くなっているし、『ゴーゴーカレー』の名を冠する店としては山陰地方初出店となるという。

　私はカレーが好きである。金沢カレーも好きである。『チャンピオン』も『アルバ』にも食べに行った。我が夫にとっても『ゴーゴーカレー』は青春の味らしく、東京に住んでいた頃にも、夫婦で急に思い立って『ゴーゴーカレー』まで車を走らせたこともある。

　だから今年、『ガスト』と『ゴーゴーカレー』のコラボメニューが出たときには喜び勇んで食べに行った。（https://kakuyomu.jp/works/16817330654745085719/episodes/16817330661549666233）あれは再現度が高い方だったとはいえ、『ゴーゴーカレー』そのものの味では無かったのだ。

　そんな訳で、『ゴーゴーカレー』が満を持して山陰にやってきたという報せを見て以来、我々は夫婦でうずうずとしていた。私の体調は万全とは言えないが、だからこそ、夕飯を外食に頼るという選択肢も出てくる。なんとか最低限の身支度をして、いざ『ゴーゴーカレー』へ。

　といっても、あくまで店舗としてはインターネット・マンガ喫茶だったりする。その中で提供しているらしい。黄色い幟と看板は確かに出ている。それを信じるしかない。

　マンガ喫茶のカウンターで、おずおずとカレーを注文する。今のところ、カレーを注文するとマンガ用の席とドリンクバーを一時間使わせてもらえるらしい。なるほど。

　大して美味しくないドリンクバーで喉を潤しながら待つことしばし。見覚えのあるカレーがやってくる。長細いステンレスの皿に盛られた、黒々としたカレー、千切りのキャベツ、ソースのかかったロースカツ。これぞ金沢カレーである。カレールゥを絡めながらキャベツを食べ、カツとライスをフォークで掻き込む。これを求めていた。カラメルの奥深いコクと、見た目よりもスパイシーな味わい。ソースカツとカレーのハーモニー。『ゴーゴーカレー』らしさをしっかりと味わった。

　だがしかし、どうしても、直営店とは何かが違う。仕方のないことだが、全体に時間の経った味がした。「一晩寝かせた」とはまた違うタイプの、劣化というほどではないのだが。また、夫がトッピングに加えたソーセージが、馴染みのある粗挽きっぽいものではなく、何故かハーブソーセージになっていた。これが意外と金沢カレーのルゥに合っていたのは、嬉しい誤算ではあった。

　結果、現在私の胃は完全にもたれている。『ゴーゴーカレー』欲が満たされたので良かったのだが、我ながら無謀だった。大人しくしていようと思う。